ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

近藤史恵『黄泉路の犬 南方署強行犯係』

2021年04月22日 | 読んだ本(日本語)
近藤史恵著『黄泉路の犬 南方署強行犯係』

近藤史恵さんの本はビストロ・パ・マルの話が好きで何冊か読んだけど、
へー、ミステリも書いてるんだ!と図書館で見つけて借りました。

おもしろかった! 主人公の新米刑事・圭司の視点で語られる(三人称)なんだけど、
彼と組む上司の黒岩さんがかっこいい! 冷徹な美人という感じなんだけど、
不器用な優しさを持っている人。

アニマル・ホーダーという心の病気で、動物に執着しちゃう女性が殺されて(北署の事件)、
それに別の強盗事件(圭司たちの管轄)が絡んでるっぽくて、捜査を手伝いつつ、
黒岩の甥っ子ちゃんの問題も出てきつつ。軽い恋愛要素も入っている。

真犯人はかなり言動が怪しい女性だったけど、圭司くんが惚れちゃってたのが、
気の毒だったな。男主人公の刑事が実は真犯人女性に恋をしてて……みたいな話を
一度読んだことがあるけど、タイトルが思い出せない(近藤さんの本でなかったことだけは確かだ)。

ペットを捨てること、捨てられたペットの里親になること。

病気の妻を捨てて離婚して子どもを引き取ったのに、子どもをうまく育てられずに黒岩に
なんとかしてもらおうとする黒岩義兄。世間体ばっかり気にする義兄の姉。
でも、甥っ子をかわいいと思う黒岩の葛藤。

深いです。

私の叔父が獣医さんで、自宅の半分を動物病院にしてるんだけど、
動物病院だから引き取ってくれるんちゃうか、という安易な考えでか、
結構病院の前にペットが捨てられるのだそうです。あまりに続くから防犯カメラつけた、と
叔母さんが言ってたけど。

そういう自分で面倒を見られないから人に押しつけて、でもそうするしかなかった、と言う
人間の身勝手な気持ちがテーマです。