ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

ディック・フランシス&フェリックス・フランシス『矜持』

2018年07月15日 | 読んだ本(日本語)
ディック・フランシス&フェリックス・フランシス著、北野寿美枝訳『矜持』

はい、かの有名なディック・フランシスの最後の作品でございます。

などと書き始めてみましたが、フランシスの競馬シリーズは、たぶん2~3冊しか
読んだことがありません。しかも、読んだ作品が義手の元騎手シッド・ハレーもの
だけだったので、競馬シリーズは全作シッド・ハレーが主人公だと思っていました(すみません<(_ _)>)。

今作の主人公は、アフガニスタンで従軍して片足を失った傷痍軍人、トマス・フォーサイスです。

母と義父と折り合いが悪く、17歳のときから軍隊で暮らしてきた彼は、
結局行く当てがなく、母の家に戻ります。母は全英屈指の調教師。

ところが、最近では勝てるはずのレースで不審な負け方をしているのだと
厩務長から聞き、しかも、一流の人気調教師なのに、家計が逼迫しているという。

折り合いの悪い母が事情を話さないが、トマスは母が会計士に勧められた節税方法を取り入れたものの、
それが実は脱税に当たり、脅されてお金を毎週払わされているのだと知る。

おまけにレースで負けるように強要され、会計士に勧められて投資したヘッジファンドでも大金を失っている。

トマスは脅迫者の正体を暴き、母の金を取り戻そうとするが、その会計士は
怪しげな事故死をしていた――。

まあ、出てくる登場人物の中の誰かが犯人なんだろう、ということは
わかるのですが、ちょっと存在感の薄かったあの人が一枚噛んでいたとは意外だったな。

でも、結局、振り返ってみれば、(欲求不満気味の(笑))トマスに何度か
誘われても、「ボーナス(寝るってことです)」をあげる気はなかったことから、歳の離れた夫を本当に
愛していて、だからこそ一枚噛んだ(というか手助けした)んだな、というのが
あとになってわかりました。

でも、ちょっと存在感薄かったから(笑)。うまく隠しましたな。トマス同様、
衝撃を受けました。

ヘッジファンドとかなんやねん、経済学苦手やしわからへんねん、と思ったけど、
ストーリー上、問題なく理解できました(ほっ)。

ピンチに孤軍奮闘するのが競馬シリーズの傷を負った主人公なのでしょうか。
いい意味で男くさい、逞しい男性味あふれる主人公でした。でも、拉致されて
殺されそうになったときの描写は……食事中には見ない方がいいかも(笑)。
かなり具体的です(笑)。

1つ気になっているのが、会計士を殺した会計士の姉とその愛人はどうなったんだろう?
ということです。記述がなかったように思います。

競馬シリーズ、ほかのも読んでみよう(44作もあるらしいから、ゆっくり、ぼちぼち……)