ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

レイ・ブラッドベリ『バビロン行きの夜行列車』

2017年09月25日 | 読んだ本(日本語)
レイ・ブラッドベリ著、金原瑞人・野沢佳織訳『バビロン行きの夜行列車』


「物語の魔術師・レイブラッドベリが遺した、とっておきの短編集」と裏表紙にあります。

中身は21編の短編集です。登場人物の気持ちや性格などを、言葉で説明するのではなく、
セリフや行動、態度によって描き出すところは、小説書きとしてとても勉強になります。

とはいえ、本のタイトルにもなっている『バビロン行きの夜行列車』(1話目)を読んだときは,
全部読めない気がする、と思いました。

好きな感じの話じゃなくて、え、それで終わり?みたいな感じで(..;)

でも、『おぼえているか? おれのこと』『くん、くん、くん、くん』はおもしろかった。
特に『くん、くん、くん、くん』。おばあちゃんと孫の夫との攻防です。いや、恐ろしいです。
怖いですよ。ガービュレータ(肉やら骨やらなんでも砕いて流してしまう機械)を使って、
お互い相手を葬ってしまおうと考えるんですから。まあ、ガービュレータを買ってきたのは
孫の夫で、おばあちゃん目線で読むので、結末としては、まあいいのですが……。

『似合いのカップル』は、うーん、ちょっと切ない。

一番気に入ったのは『窃盗犯』。おばあちゃん2人が暮らす家に泥棒が入ります。
屋根裏から盗まれたのは、年季の入った家具や趣味の悪いシャンデリアでもなく、
1人のおばあちゃんが昔もらったラブレター。顔も思い出せない相手からもらったものだったけど、
それが4日後から1通ずつまた送られてくるのです。送ってきた相手は……というなんとも
ほのぼのするお話です(いや、でも、盗みに入るなよ、というツッコミをいれたくもなるような、ならないような……)。

『分かれたる家』はすごくエロい始まりですが、登場人物たちの年齢を見て、
えっ、あかんやろ!?と思いました(笑)。15歳(女)、12歳(男)ですよ!
中3と小6と思うとあかんけど、高1と中1と思えば……いや!(笑)
そういうのに興味がある年頃なのでしょうか。母としては複雑(あ、すっかり母目線)。

まあ、そんな感じで。読後感は、不思議、すっきり、ほのぼの、切ない、ぞっとする、などいろいろでした。


余談ですけど、訳者の金原瑞人さんって、数年前に『蛇にピアス』で芥川賞をW受賞した
金原ひとみさんのお父さん?だよね?