ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

知念実希人『優しい死神の飼い方』

2022年10月30日 | 読んだ本(日本語)
知念実希人著『優しい死神の飼い方』

上司命令により、犬の体に封じられて地上に左遷(派遣)された死神。
ホスピスの看護師、菜穂に「レオ」と名づけられ、未練から地縛霊となりそうな
患者たちの心残りを解消していく。

2作目の『黒猫の小夜曲』から先に読んでしまったので、今回も全員の未練が
つながっているんだろうなと思ったけど、つながりかたがいろいろで、すごく
おもしろかった。おもしろかったけど、やっぱり人が亡くなるので、悲しかったな。
だけど、患者たちは未練を解消されて穏やかに最期を迎えることができた。
悲しいけど温かい。でも、やっぱり悲しいかな。

シヴォーン・ダウド『ロンドン・アイの謎』

2022年10月10日 | 読んだ本(日本語)
シヴォーン・ダウド著、越前敏弥訳『ロンドン・アイの謎』

12歳の少年・テッドが主人公。マンハッタンに引っ越すいとこのサリムが母親とともに泊まりに来た。
サリムの希望でロンドン・アイに乗ることになったけど、チケット売り場は長蛇の列。
怪しげな男の人がチケットを1枚譲ってくれて、サリムは1人で観覧車のカプセルに乗り込んだ。
30分経ってカプセルが戻ってきたとき、ほかの乗客は降りてきたのに、サリムはいない!

「ほかの人とはちがう」優秀な頭脳を持つ主人公テッドが考え、姉のカットが行動する。
思春期の姉と弟の遠くて近い距離感、人間の思い込み、ステレオタイプ、などなど。
いろいろな要素がとても自然で日常的。

最後のサリムの居場所だけは想像できたけど、それ以外は素直に文字を追うだけの私の脳では
わからなかったorz

知念実希人『黒猫の小夜曲(セレナーデ)』

2022年09月02日 | 読んだ本(日本語)
知念実希人著『黒猫の小夜曲(セレナーデ)』

うん、わかってるんです。これが「死神」シリーズの2作目だってことは。
でも、表紙に惹かれてこちらから読んじゃいました(笑)。

「我が主様」のところに魂を導く「道案内」(プライドの高い高貴な霊的存在)が、
上司命令で(!)獣の肉体を得て、地縛霊を成仏させる……というお話。

まあ、そんなまったり(?)したお話かと思いきや!!
完全にミステリですな(裏表紙にハートフル・ミステリーって書いてあった)。
↑表紙イラストと帯だけ見て直感で買ったから、把握してなかった(笑)。

遺した妻のところから離れられない地縛霊を成仏させて、よかったよかった、と
思ったら、それが全部の短編につながっているなんて。しかも、前提が!

猫として地上に降臨した死神が、最初に意思疎通がしっかりできる魂と知り合って、
魂を昏睡状態の女性の体に入れてあげるんだけど(衣食住のお世話と、ほかの地縛霊が
いる場所を教えてもらうため)、その魂が!

全部がつながっていて、すごくおもしろかった。最後にはほろりとさせられちゃうし。
「死神」シリーズ、全部読む!! ゴールデンレトリバーのはもうポチッとしたもんねっ。

エドガー・アラン・ポー『ポー傑作選2 怪奇ミステリー編 モルグ街の殺人』

2022年06月29日 | 読んだ本(日本語)
エドガー・アラン・ポー著、河合祥一郎訳『モルグ街の殺人』

河合祥一郎さんの訳を読んでみたくて図書館で借りました。

ええっと。あのぅ……『モルグ街の殺人』の犯人があまりにあんまりなのでめっちゃ
驚いたんですが……。そもそも犯〝人〟ではない(゜◇゜)ガーン

『ベレニス』こえ~。猟奇的? 怪奇? なんていうんだろう。怖い。

最後の『盗まれた手紙』だけどこかで読んだ記憶がある。どこでだ?
思い出せない。手紙の隠し場所もすっかり忘れてた。

訳者によるポーの死の謎解きがすごくおもしろかった。
結局謎は解明されていないんだけど、その推理の過程が推理小説並み。
というかポーの人生が推理小説のようなのか。

伊坂幸太郎『AX』

2022年06月01日 | 読んだ本(日本語)
伊坂幸太郎著『AX』

ずいぶん前に書店で見て購入。
だって、凄腕の殺し屋なのに恐妻家なんて、おもしろい予感しかしないでしょう??

というわけで、読んでいたのですが、帯に
恐妻家の殺し屋「兜」と、その家族の物語。
と書いてある通り……だった。

凄腕の殺し屋で、敵やターゲットをあっさり片づける。
記述もあっさりしてるので、ほんとにあっさり。凄腕感が強調されている。

なのに! なのに! 1行にも満たない文章で、突然死んでしまうのだ。
びっくりして何度も読み返したよ。ほんまは生きてるんちゃうか、とか。
でも、やっぱり死んでる。

だからこそ、「その家族の物語」なんだけど。

主人公に感情移入して読んでしまう身としてはつらいな。

殺し屋だから、幸せになるのは許されないって主人公が葛藤している通り
なんだけど。それでも、物語の世界なんだから、幸せになる結末を望んでしまう。
でも、それはやはりどう考えてもありえなくて。

幸せを望んだ主人公に感情移入していただけに、つらい、つらい、つらすぎる。
客観的に読めたら、ものすごくおもしろかったんだろうけど。