京都大原紫葉工房便り

京都洛北・大原の里のしば漬屋から、毎日!情報発信。

講演会に行く。

2009-09-03 20:34:14 | 妻!日記
気忙しさから、なかなか更新の進まない日々ですが
ここ半年
PTA役員の都合上
著名人の講演会に出向く機会が数回ありました。

陸上の朝原さん
ノーベル賞の益川教授

そして
今日、聞きに行ったのが
映画「ブタがいた教室」の著者
黒田恭史さんの講演会

すべて
京都市に在住もしくは勤務の方で

地元に居ながら
こんな素晴らしい人たちのお話を聞けるのだから
ありがたいことです。
(とりあえず、同じ空気を吸いに行く・才能をあやかりたいので)



今日の講演会は
いろいろ考えさせられることがありました。

映画「ブタがいた教室」は見たことはないが
何となく、あ~宣伝してたなと
印象に残ってはいました。

ざっとストーリーを話せば

食べることを前提に
32人の生徒と
子豚の「Pちゃん」を飼い始めるが
情がわいたクラスは卒業を前に大もめ
食肉センターに送るか、3年生に飼育を譲るか・・・
(朝日新聞9月2日朝刊より)

とまあ
大人でも選択に困る難しい問題に
子供たちが直面するお話です。

今回の講演会に招かれた黒田先生は
まさしく
豚の飼育をクラスでやってのけられた張本人で
そのこと自体
すごい!としかいいようがないですね。

子供たちに「命の大切さ」を教えるために
新任教師となられて、すぐ
豚の飼育を始められたそうです。

ご自分の人生のスタートを
この危なっかしいとも思える取り組みにかけた
若さとパワーのすごさにも驚かされるし
(成功してなんぼだが、失敗した時の恐さを考えたら
 やはり、なかなか出来ない行為です)

それを許可した
学校(特に校長先生)・教育委員会(届出はいるのか?)
それに保護者・地域の人たちも
すごいと思います。

子供たちの情操への影響不安?はもちろんのこと
衛生面での問題
革新的な行動への批判
など考えると
私には、とても出来ないなと思います。

黒田先生も
まず講演会の最初に
豚の飼育は周りの人たちに支えられた
と言っておられましたが

「子達のために」との思いで
これだけのことが出来るのは
やはりすごいことです。



ブタさん

なぜ飼育対象がブタだったのか
というお話

それは、まず大きいから・・・
一人では飼育ができない
みんなで力を合わせないと出来ない

そして
ブタは、かなり匂いを発する生き物である、ということ
お世話に我慢や忍耐力も必要だし
お世話しなかったら、もっと臭くなるよ~てことです。

・・・
(他にも理由があったが忘れた)

ブタって、かなり強い生き物みたいです。

学校が休みの、土曜・日曜
エサやり当番を誰がするかでもめるみたいです。
みんな、休みの日は遊びに行きたいですから・・・


めんどくさかったり、忘れていたりしたら
エサをもらえないブタちゃん



でも、ブタは強いので
土を食べて、飢えをしのぐらしいです

で、月曜になって
あせって、えさをやると、
待ってましたとばかり、すごい勢いで食べるブタ

その姿を見て、子達はいろんなことを感じるわけですね。



余談ですが

今でも
飼っていたインコに
エサをやり忘れる夢を見ます。
しかも、一週間くらいエサをあげてない、どうしよう・・・
みたいな
子供心に、すごい罪悪感を感じていたんだなと思います。



それにしても
このブタさん
先生が「食べるために飼います」と言って
クラスで飼い始めたのだから
当然、最初から、ペットではなく
食べる目的だったわけですが

次第に情が移って
可愛くいとおしい存在になっていく・・・

最後
(映画ではどうなっていたか知りませんが)
子供たちの討論では
3年生に飼育を譲ることに決まったそうですが
後から出てきた様々な事情から
結局、ブタは食肉センターに送られることになったそうです。

辛いですね。

いったい何があったのか分かりませんが
(著作本には書いてあるそうですが)
これは、先生にも予測できなかった結末なのかもしれません。

これには納得できなかった子供も居たらしくて
先生は、今でも、これでよかったのかと考えるそうです。

本当に難しいですね。



でも

こういうことを本当にやってのけた
ということが
なにより素晴らしいことだと思います。

きっと
きれい事だけじゃない

心だって傷つくかもしれないし
少なくとも、ブタの存在が居なくなった空虚感はあるでしょうし
ペット?家畜?友達?食肉?
そんな思いをわざわざ経験させるべきなのかは
意見が分かれるところでしょう。

幼稚な意見かもしれませんが
大人の私だって
3年間一緒に暮らしたブタは
食べれないです。
(普通のブタは食べますけど)

でも
いずれにしろ
この先生なり、クラスなり、学校は
途中でうやむやにしたり、投げ出したりせずに
最後までやってのけた

そのことが素晴らしいなと思います。

教育とは・・・
(なんて、語る資格はありませんが)
大人が、そういう姿を子供に見せること
ではないかと
思いました。

昔(高校生自分)は
学校の先生なんて、しょせん金儲け
赤の他人の子供なんて
本気で面倒見るわけがない
信用しないぞ、なんて
突っ張っておりましたが

今は
学校の先生には頭があがりません。

3人の子供を
学校・幼稚園で受け持っていただいておりますが

オシッコ・ウンチの処理に始まり
(これは、もちろん幼稚園時分)
なんで、そこまで親身になって下さるのか・・・
アンビリーバボーなことが多々


先生方には頭が上がらないことばかりです





またまた余談

学生時代
「ブタがいた教室」と似たような経験をしたことがあります。

クラブの合宿で
鶏鍋をすることになり
材料として、買われてきたニワトリ

合宿が始まるまでの数日間
クラブの部室におりました。



根っからの鳥好きの私・・・
すぐに情が移ってしまい
「こっこちゃん」と名前をつけて
鶏の助命を考えます。

どこかに鳥小屋を建てて飼う・・・


どこに建てる?

う~~~~ん

広島に連れて帰るか?

一応
本気で考えて騒いでいたような気がします。

そして、気が乗らないまま迎えた
合宿当日

ジャンケンで
ニワトリを〆る役を決めました。

決まった係は
裏の茂みで〆て来る

解体は
生物専攻で、解剖実習に慣れている男の子

なんとか助命出来ないかと、あきらめきれず
始終、ブルーな気分でしたが

合宿があったのは11月
とにかく寒くて
腹が減っていた・・・

腹が減る・・・
なんか食いたい・・・

飢える気持ちは押さえ切れません。

何ともいえない気持ちで
解剖を見守っていましたが

羽の姿の下から
スーパーで見慣れた
鶏のムネ肉が現れた時

不謹慎にも?
「おいしそ~」と思ってしまった

早く食べたい!
モードに切り替わってしまった~

なんとも複雑で印象的な出来事でした。