京都大原紫葉工房便り

京都洛北・大原の里のしば漬屋から、毎日!情報発信。

キッチンしば漬け

2014-08-31 10:40:55 | お漬物の話

6月の終わりの週、家でミニしば漬けを作りました。

一度、きちんとPHをはかって、PH値としば漬けの色の関係を調べてみたいと思っていました。

(PH・・・数値が小さいと酸性、大きいとアルカリ性っていうアレです)

野菜を漬け込んで、発酵していくことで、PH値が下がっていき(つまりアルカリ性傾向の中性⇒酸性に変化)、それに、しば漬けの色の変化が伴うことが立証されれば面白いですよね。

小学校の理科のリトマス試験紙でやる実験をしば漬けでやるわけです。

 

まあ、私はまるっきりの文系畑で、いい加減なことしか出来ないんですけどね。(ぼやき

 

ネットで買った安っぽいPH試験紙を、野菜のつけ汁に浸して、調べてみました。

本当は、PHは対象物を燃やした灰の汁で調べないと正確な値が出ないそうですが・・・

そして、試験紙じゃなくて、機械でピッっていうのがやりたいんですけどね。

まあ・・・どうやっても、素人には中途半端さがぬぐえませんので、一番コストのかからない方法でやります

 

まず、しば漬けづくり。

茄子、大きめの物、10本くらいで作ります。

これも、ネットで買った茄子だから、けっこういい値段

セレブしばです

本当は縦切りが良いのですが、大きいので、斜め切りに・・・

赤紫蘇・塩と合わせて、漬け込みます。

 

とってきた紫蘇を全部使ったので、今回は茄子10:赤紫蘇3.5:塩0.4の割合ででした。

けど、後から食べた感想で言うと、赤紫蘇の割合は0.5~1割くらいで十分です

紫蘇が多すぎると、漢方っぽい?漬物になり、色も黒紫っぽくなります。

 

茄子・紫蘇を塩もみし、重石で漬け込みますと、水分とともにアクが出てきます。

アクは茶色ですね。

 

で、アクと関係あるかどうか分かりませんが…

茄子のヘタを切った時に出てくる汁で、放っておくと白い結晶状になるやつ・・・

(ホウレンソウとかレタスとかでも出るアレ)

あれは、シュウ酸を多く含んでいるからだそうですが

 

シュウ酸⇒アルカリ性

茄子自体の水分は、はかってみると中性なのですが、シュウ酸が多く含まれるということは、比較的PH値の高い野菜になるのでしょうか。

 

そこで思いついた私の(仮説)

塩もみして、漬けて水分を抜くことで、アルカリ性物質が出ていき、PH値が下がる?

 

*ちなみに、茄子に含まれるシュウ酸は、尿路結石の石になる成分で(つまり取り過ぎてはいけない)

 一番シュウ酸が多く含まれる野菜NO1はホウレンソウで、770mg/100g中、

 茄子はそれほどじゃないけど、NO5で190mg/100g中です。

 ⇒ 資料はこちら

 

で、とりあえず、漬け込み当日にはかったPH試験紙を並べてみますと・・・

   ↓ 左から、①・②・③・④

 

(色が青いほどPH値が高い:アルカリ性)(色が赤いほどPH値が低い:酸性)

①水道水 PH6~7 中性

②茄子(切った表面) PH6~7(水道水より、やや値が低い感じ) 酸性よりの中性

③材料を混ぜて出てきた汁 PH6~7(でも、②より値が低い)

④一回アク汁を捨てた後 P6~7(③と変わりません)

 

あまりパッとした値は出ませんでしたが、アク汁を捨てると、若干酸性に近づくことが分かりました。

細かい値が分かると、もっと面白いでしょうね。

ん千円のPH検知器が欲しくなりました

 

そして、漬け込みが終わって、重石をした状態のしば漬け。

↑ 上記PH試験紙の④の状態です。

 

重石は、重量の約2倍

漬かってきたら、重石を減らす、とよく言いますが・・・

家庭用漬け込み容器で漬けましたので、バネの力で漬けることになります。

つまり、ぎゅうぎゅうに容器に詰め込むと、重石がきつくなる、ということですね。

 

さて、しば漬け作り。

この先は、ただひたすら放置していくだけになります。

実に退屈です。

これだけ。

 

むしろ、へんに可愛がったり、心配になって手を加えると、失敗します。

ちゃんと漬かっているか、ほじくりかえして調べてみたくなりますが、やめておきましょう。

心配な方は、こういう透明な容器がおすすめですよ。

色の変化も楽しめますし

ちょっとしたインテリアにもなるかもしれません

 

漬け込み一日後

茄子の皮の青紫色の発色が良くなり、若干赤っぽくなってきています。

PHは、上澄み液に試験紙を浸して調べることにします。

PHは4~5 (漬け込み時はPH6~7)

すこし酸性になりました。

見た目は何事もなく、落ち着いています。

 

あ、気になるけど、ほじくってはいけませんよ。くれぐれも。

 

そして

漬け込み後、2,3日後。

状況が分からないと、かなりびっくりするのですが盛んに泡吹いてきます

 

ちょっと怖いですよね。腐ってるんじゃないかと…

それに、白い粉状のカビみたいなものも浮いてきます。(たぶん酵母かと思いますが?)

 

でも、どうやら、これが乳酸発酵のしるしですから、ご心配なく。

気持ち悪いと思ったら、上澄み液は捨てても構いません。

そのまま放っておいても、上澄み液がフタの役割を果たして、中身を守ってくれるのでOKですよ。

 

(余談)

出てきた水分は、あふれるようなら適時捨てます。

容器の外が汚れないようなら、放っていてもOKです。

重石がきいているので、出てきたアク汁が中のしば漬けにしみこむことはありません。

また、水分を捨てた後…もちろん塩分も一緒に出るかと思いますが、足し塩はしません。

たとえ、塩分が薄くなっても、薄い方が発酵が進みやすいので構いません。

 

もし、匂いとかが気になって、冷蔵庫で漬ける場合は・・・

低温だと発酵が進みにくいので、低塩度にして発酵を促すのが良いかと思います。

 

さて、話は戻って・・・

漬け込み後、中身の状態の変化に伴ってか、

茄子の皮の色も群青色から赤っぽく変わってきます。

 漬け込み3日後

PH3

 

もう、ここまで来たら、成功ですね

 

5日後

色が鮮やかな赤紫色になってきました。

PHは2~3

すこし、数値が下がりました。(酸性に近づく)

 

漬け込み7日後

すっかり落ち着いてます。

いい意味で変化なし。

食べても良いけど、もうちょっと漬け込んで安定させます。

(漬かりの浅いものは、出すとすぐに黒っぽく変色しますので。)

 

PH2~3

もう2かな。 試験紙もきれいに赤色に染まります。

 

漬け込み9日後

 すっかり安定しております。

 PH2

だいたい酢がPH1~2

かなり酸性、酸っぱくなったことが分かります。

お目当て通り、気持ちよくPHの変化が見られましたので、実験成功ということにしましょう。

 

すっかり台所の風景になじんだしば漬けで、名残惜しいのですが、

樽出しして食べることにしました

自分で作ったしば漬けは、見てるだけで惚れ惚れしますね。

味は言うまでもなし

 

塩加減は、やはり4パーセントで良かったけど、赤紫蘇の量が多いみたい

紫蘇が多いと、ごわごわ堅いですね。

でも、紫蘇多めのおかげか、重石を外した後も、変色とか腐敗が進まなくて、良かったです

 

PHの観察実験。

子供の自由研究に最適です。

なすオンリーの塩漬や、茄子の皮だけ・実だけのしば漬け、とか、いろんなものと比較して観察してみたら、面白いと思います。

あとは、より正確な実験方法の確立をめざす、ってことですかね。

 

またやってみたいと思います

 


草木染め・本番。地蔵盆

2014-08-28 16:20:59 | 妻!日記

前投稿「草木染め、初挑戦。青しそ&びわ」のつづきです。

 

8月24日 地元の地蔵盆、子供の工作「草木染め」本番です。

びわは地元の方に分けていただきまして…

しそは、我が家のものを使って

びわ・赤しそ・青しそ 3種類の草木染めをしました。

まずは、びわを洗浄しまして・・・

細かくちぎります。

結構量が多いので、黙々と作業します。

ごめん、わいわいやるつもりやったけど

なんだか本業のお仕事みたいになってしまって

でも、子供たち、逃げ出さずに頑張ってくれました

30分以上煮出します。

 この昭和なガスレンジで

1種類だけだったら、もっとのんびり出来ましたが

欲張って何種類も作ろうというので、忙しいです

 

びわの煮出しに並行して、次の作業。

赤しその用意。

こちらは、辻しばで使っているものを少し持ってきました。

枝も入れたかったけど、葉っぱだけで結構な量になったので、葉っぱだけ・・・

 ちぎったものは、キッチンばさみでザクザク刻んで

若!が煮る当番。

お鍋が小さいので、煮込んでいる所に、どんどん葉っぱを投入して行きます。

で、こちらも30分煮込み。

 

煮出し作業の間は、子供たちは、布に染め出す模様の細工をしています。

布に、自分の名前を書いてから、細工をしていきます。

おはじき・ビー玉・スーパーボール・・・

各自で工夫して模様を作ります。

ビワの葉・赤しそに続いて・・・(まだやるのか)

 

先日作っておいた青しその煮出し汁でも、染めてみることにしました。

 匂いが化学染料っぽくなっています

飲んでも多分大丈夫だけど、あかんような匂いです。

この青しそ煮汁+みょうばんのお鍋に・・・

そこに、細工をした布を入れて・・・

30分煮込みました。

(青しそ染めの工程が終了)

 

画像がないですけど、30分以上煮出したびわの煮汁+みょうばん、の鍋に

びわ染め用の布を入れて・・・

こちらは、シャトルシェフ(保温鍋)にいれて、1時間保温。

保温鍋による草木染。画期的です

 

もひとつ、次

先ほど煮込んだ赤しその鍋。

紫蘇ジュースの要領で、葉っぱを取り除いて・・・

煮汁にクエン酸を投入し・・・

布を入れて行きます。

素晴らしい色

天然色でここまでやれるとは~

あとは、この色合いをどこまで保持できるかが問題ですが・・・

*アントシアニン系の色素は定着させるのが難しいそうです。

 

30分後

恐れていた事態(赤色がどこかへ行ってしまう)は起きなかった

 

そして、洗浄。

頼む~赤色落ちないで~

結構大丈夫そう

 

あとは、細工を外して、乾かすだけ

これが結構大変で

結局子供はどこかへ行ってしまい、大人が寄ってワイワイ作業しました。

いろんな模様があって楽しい

 

途中で雨が降ってきたので、選択ロープを公民館の中に吊るして・・・

お祭りっぽい

なかなか賑やかな地蔵盆になりました

 さすがに3種類の草木染めはムチャっぽかったのですが、

企画した本人が満足、完全燃焼できて、良かったです


草木染め、初挑戦。青しそ&びわ

2014-08-28 10:18:21 | 妻!日記

8月24日の地蔵盆で草木染めをすることになったので、ためしにやってみました。

まずは・・・

前準備。

シルクが一番染色の定着が良いのだけど、高いので、綿100パーセントのさらしでします。

染色を定着させるためのタンパク処理です。

バケツ一杯に牛乳パック1本の豆乳。

さらしは、30センチ四方のハンカチが25枚ほど作れる量でした。

豆乳はいい匂い

でも、陰干ししたら、若干カメムシっぽい匂いに

でも、安いので、がまんします。

 

で、翌日。

ちょうど、外で青しその仕事をしてはったので、落ち葉を拝借。

枯葉でも金の卵、というのが、草木染めの醍醐味でしょうか

量は適当。

たぶん多いほど濃い色が出ます。

最初はためしに、鍋いっぱいの葉っぱに、1.5リットルほどの水。

結論、水は半分でも良い位。(濃い色を出すためには)

     ↑ 一回目の煮出し汁(30分ぐつぐつ炊きます)

一回色だしした葉っぱも、まだ使えるそうなので、どうなるかやってみました。

   30分煮込みました。

 

二回目の煮出しを経て、三回目…

         ↑  三回目。

 一回目が茶色い汁だったのに対して、三回目はかなり黄色に近くなりました。 

 

そして・・・

いよいよ染色の準備。

ビー玉、おはじき、スーパーボール、箸置きで模様づくり。

 

そして、お鍋に染め汁と布を入れて、80度保温します。

染め汁には、金属由来のものをいれて、色を逃がさないようにします。

今回は、漬物でも使うミョウバン。

量は適当。

ちなみに、ミョウバン風呂はダイエット効果があるようで、中学生の時、浴槽に一袋入れて入ってました。

効果のほどは微妙ですが、結構良かったと思います。

浴槽を傷めるかどうかは分かりませんけど。

別府の明礬温泉は良いらしいですよ。

ひたひた。

スーパーボールのところまで、染めようと思ったら、染め液を足さないといけないので、

もったいないし ↓ こうしました。

湯せん。

萩焼の一輪挿し、ごめんなさい

こちらの作業も、お鍋でぐつぐつなので、待ってる間に、次の作業。

店先にあるビワの葉っぱ。

こちら、子供が種植えしたものの、育てる場所ないし、実はならないし、きれいでないし、場所とるし、

黙って捨て子に出そうかと思ってましたが、金の卵であることが発覚

上品にハサミで切ってみましたが、

結論、これは手でちぎるべし。

茎もボキボキ折って、放り込むべし。

まったく子供向きの作業であります。

 

そして、数時間後。

たのしい、陰干し作業

 ↑ 左端だけビワ染め              ↑青しそ1回目煮汁

 ←右端(1回目煮汁)

           ↑ 青しそ3回目煮汁  ↑一回目煮汁で、再び染色したもの。

   

 

ぬいぐるみ用の布団を作りました

ビワ染めは、パッチワーク三色の真ん中の色です。

上手くいけばピンクが出るそうですが、今回はベージュです。

ぬいぐるみを寝かせてみました

これは、見ているだけで、相当な癒し系ですね

 

初挑戦、草木染めは、ビギナーズラックか、大成功でした