2013年4月26日より、『肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてくる人たちに』の
ツアーが始まりました。
今年の4月2日から14日まで桜前線とともに日本を北上した
東京演劇集団風とLes Souffleurs commandos poétiques「ささやきの詩想レジスタンス―桜前線2000キロの旅」
から12日後というスケジュールの中、スーフルールでの経験を得た俳優が風の活動の根幹である
2013年の全国巡回公演へ出発しました。
4月26日 千葉県立柏井高校
30日 都立墨田工業高校
5月 1日 都立中野工業高校
2日 都立板橋高校
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柏井高校公演後のバックステージツアーの様子です。
ご担当の先生が、肝っ玉のように逞しく幌馬車を引く姿。
以前より風の劇場に足を運んでいただき、念願叶って今回の公演を迎えました。
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墨田工業高校のバックステージツアーは写真に収まりきらないほどの生徒の皆さんが参加し、
普段、授業で慣れ親しんでいる素材や道具が演劇の美術に使われている様を、実際に触れながら
驚きとともに関心を込めて舞台監督の説明を聞く姿が印象的でした。
中野工業高校の生徒代表で挨拶をしてくれた生徒さんから「普段、劇場へ行って演劇を観ることがない自分たちにとって、
この様な機会は、これからの自分たちにとってとても良い経験になった」という言葉をいただき、
バックステージツアーの最中には、肝っ玉おっ母を演じた辻由美子に「演劇を観るのが好きになりました。」
と話す生徒さんもいて嬉しいかぎりです。
今回、最後の学校は板橋高校です。劇中に肝っ玉の娘カトリンが叩く太鼓に興味津々!
板橋高校の昨年までの芸術鑑賞は映画鑑賞をしていたそうですが、
今年はご担当の先生が“板橋高校の生徒に生の演劇と出会わせたい”という
生徒に懸ける想いから実現した公演です。
今回の演劇との出会いが、新たに板橋高校に入る生徒の皆さんとの“出会いの場”へ
繋がってくれることを願います。
初めて肝っ玉のツアーが東日本に向かっていったのは2011年の大震災の直後でした。
あの時、「こんな状況だからこそ演劇に、芸術と触れる機会を生徒に失わせてはいけない」と、
悲しみを抱えながらも公演を実現していただいた先生方の姿は、2年の時を経ても、そして
東北だけでなく日本全国で変わらないものでした。
私自身も板橋区の都立高校出身ですが、在学中はこのような行事はありませんでした。
一人の都立高校卒業者として地元の後輩たちが演劇と出会っていく場を共に創るができた
事にとても感謝しました。
2013年、風は26年目を迎え“演劇0年”を掲げました。
出会いを重ね、言葉を紡ぎ、生徒さんに懸ける想いを出会いの場へ昇華させる巡回公演の旅は
始まったばかりです。
あの時、必ずこの場所に出会いの場を創ろう願った場所へ、肝っ玉の幌馬車は進んでいきます。
更新を楽しみにしていて下さい!
白石圭司