風のBLOG

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2023年『Touch 〜孤独から愛へ』秋 東日本・西日本ツアー 6週目

2023-10-29 07:30:29 | 全国巡回公演

今週は本州最北端、青森の大間から始まり東京の調布市で終わる片道約850kmのツアーでした。

10月23日(月)大間高校【青森県】同校体育館

  25日(水)南陽高校【山形県】同校体育館

  26日(木)茂原北高校【千葉県】同校体育館

  27日(金)聖徳学園中学校【東京都】調布市文化会館たづくり(くすのきホール)

 

大間高校

本間高校では14年『ハムレット』、20年『ヘレン・ケラー』以来、3年ぶり3回目の公演です。

朝、体育館で舞台設営をしていると、授業を中断して担当の先生のクラスの生徒たちが舞台を見学しに来てくれました。

ソファーに座り「ふかふかで気持ちいい」と笑い合う生徒や、トリート役の蒲原と天井に仕込んである照明をどのように吊ったのか真剣に聞く生徒など、それぞれが舞台の隅から隅まで興味を持ってくれました。

さあ!いよいよ本番です。本番前の校長先生の挨拶で「Touchというお芝居にはどんなメッセージがあるのか、そして私たちの学校生活にどのような繋がりがあるのか、答えを聞くわけではありませんが皆さん考えてみてください」という言葉でスタートです。

開演すると生徒たちはとても集中して観てくれて、そこで起こる一つ一つの出来事を感じ、たくさん反応してくれました。
そしてかぶりつきで観てくれている校長先生や生徒を見守りながらも物語に集中してくれている先生方の姿も印象的でした。

カーテンコールでは役者たちを前に生徒たちの背筋が一斉に伸びる背中を見て、校長先生が言っていたメッセージを受け取り、生徒たちがそれぞれのTouchと出会ってくれたんだろうな、と感じました。

終演後には舞台見学と共に役者と一緒に記念撮影を行い、みんなとてもいい顔をしていました。

さらに、公演後の舞台撤去にも有志の生徒がたくさん手伝ってくださり、今そこにあった舞台が片付けられていく様子に驚きながら、元気よく手伝ってくれました。

私たちは道具を運ぶ木の台車を「スカラ」と呼んでいるのですが、「スカラ返却します!」「スカラに乗せたまま運びます」という威勢のいい生徒たちの声も私たちに力を与えてくれます。

本当にありがとうございました。

 

南陽高校

南陽高校では19年に『ヘレン・ケラー』を上演した学校で、2回目の公演です。

入場の際、目が合うと生徒から先に挨拶をしてくれたり、体を向き直してとても気持ちの良い声で挨拶してくれる生徒たち。

入場の合間に舞台見学に来てくれた生徒の中には、役者の小道具に触れてみたり、窓の裏の照明が青やオレンジ色に変わるのを見て「これで窓の外の時間帯が変わるんですねー、なるほどよく出来てる!」なんて感心してくれる生徒もいました。

本番が始まると皆さんとても素直に物語と向き合い、ハロルド、トリート、フィリップが織りなす出来事に声をあげて反応してくれました。

カーテンコールのお礼の言葉で「愛することの大切さ、そしてそれがなくなった時の淋しさを知りました」と話してくれた生徒代表。自分の言葉で、まっすぐな声で話す姿はとても素敵でした。

また、言葉にせずとも生徒たちのリアクションや客席から聞こえてくる拍手からはそれぞれの想いが伝わってきました。

そして、公演後の舞台撤去には、26名もの有志の皆さんが手伝いに来てくれました。体育館が2階だったので本当に助かるんです、ありがとうございます!「手伝う人が少ないと思ったので手伝いに来ました」「自分から率先して動かな!」と、張り切って手伝ってくれました。

とても元気のいい声で手伝ってくれる生徒たちから、今日も私たちはパワーをもらいます。

 

茂原北陵高校

茂原北陵高校では90年に『ハムレット』、19年に『ヘレン・ケラー』以来、3回目の公演となりました。

なんとこの日は、朝早くから寮生の皆さんが搬入を手伝ってくれました。朝からパワーが漲ります。

そして生徒たちが休み時間の合間に舞台見学に来てくれたのですが、この日は地域の方も参加してくれました。

「生徒たちに悪いわぁ」と初めは恥ずかしがっていましたが、最終的には舞台の隅々まで体験してくださり大興奮でした。ありがとうございます。

開演前の挨拶では、校長先生が舞台セットの2階から登場!

打ち合わせの際にどこから出るか真剣に考えている姿は、楽しむことの大切さ、そして生徒たちに楽しんでもらいたいという想いが伝わってきます。

「子供の頃からの夢があります。それは俳優になることです、それが今叶いました。」という言葉から挨拶が始まり「Touchの語源には、人に触れることで感情を揺さぶるという意味もあります。近くの人の肩をTouchしてみてください。」という言葉で生徒たちが互いに肩に触れ合います。
「今、何か揺れ動いたものがTouchのお話を通して皆さんに伝わってくると思います。劇団の人たちとこの時間を一緒に共有しましょう。」という言葉で締め、いよいよ開演です。

1幕2幕共に場面が終わる毎に客席から自然と拍手が生まれます。物語の見方はそれぞれですが、何か心が揺さぶられているからこそ、生まれた拍手なのかもしれません。


終演後は希望者が舞台見学に参加、たくさんの生徒たちが思い思いに舞台上のモノに触れ、発見していきます。その中に舞台セットの2階に興味を持ってくれた生徒が「スピーカーから出た音が中の壁に当たって響いて聞こえてきて、空間の奥行きを感じました」なんて面白い発見をしてくれました。

そして、この日の撤去作業にもありがたいことに、約30人の生徒たちが手伝ってくれました。
この日は先生も一緒になって大きな声で片付けを盛り上げてくださり、道具を運ぶ生徒たちから笑顔が溢れます。また、トラック中で荷積みを手伝ってくれた生徒が「こっからっすね、まだまだいけますよ!!」と言い放つ姿に元気をもらいました。


生徒から先生、そして私たち風とがひとつになれた気がした公演でした。

 

聖徳学園中学校

聖徳学園中学校は13年に『ヘレン・ケラー』を上演した学校で、今回は1,2年生が観てくれました。

早めに入場を済ませ開演までの時間を使って急遽舞台見学となり、大勢の生徒たちが舞台に上がってくれました。


今回驚いたのが、スマートホンを片手に写真や動画を撮る生徒たちがいた事。目や耳、触れることで体験してほしいと思ってしまう私でしたが、自分が関心を持ったモノや空間を好きなように撮った写真や友人たちのその時にしかない言葉、変わっていく表情を映像に収め、いつか振り返る。

それは心にある記憶と感情を、ある意味鮮明に思い起こさせてくれるのかもしれません。そんな気づきをもらいました。

本番が始まると、これがまた反応が素直な生徒たちでした。1幕は舞台上で起こる出来事に大いに笑い声を上げ、2幕からは3人の関係の変化をつぶさに見つめ、じっと感じている時間が長かったように思います。

代表の生徒のお礼の言葉では「台詞の語り方、仕草の工夫にとても驚きました。僕たちも文化祭の演劇発表に生かしていきます」と力強い言葉を届けてくれました。

終演後は各クラス記念撮影、今回の公演が皆さんにとってかけがいのない時間になれば幸いです。

「舞台見学でこんなところまで見せてくれるとは思いませんでした。感動して泣いてる子もいたりして…」と嬉しそうに語る先生の笑顔は印象的でした。

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さて、余談ではございますが、ついに東京演劇集団風の新しいトラックがやってきました。

どうです?かっこいいでしょう!
これがまた晴れた空が似合うんです。このトラックで、あと3週間Touchの秋旅は続きます。
全国各地を巡り、自由に風のように、ハレの舞台を新たな出会いを創造します。
みなさん、待っていてくださいね。

文:スタッフ 賀來俊一郎



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