風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
公演情報や稽古場速報、全国巡回公演の情報など
日々の出来事を速報!!

2023年『Touch~孤独から愛へ』春ツアー その5

2023-07-27 12:58:26 | 全国巡回公演

7月5日(水) 【岡山県】北房中学校 真庭市スポーツ文化振興課主催

7月6日(木) 【香川県】琴平高校/善通寺第一高校

7月7日(金) 【兵庫県】長田高校

7月18日(火) 【大阪府】布施高校

 

北房中学校 真庭市スポーツ文化振興課主催

北房中学校は風が初めて公演する学校でした。真庭市スポーツ文化振興課の主催による公演です。

真庭市スポーツ文化振興課による公演は、一昨年から実施されていて今回が5校目となります。

約100人の生徒達はあいにくの雨の中、(九州では大雨洪水警報が出ている)歩いてやってきました。

会場に入ってくる様子が本当に今回の公演を楽しみにしていたことがうかがえます。

「笑ったり、泣いたり、思いっきり楽しみましょう」という生徒会長さんの挨拶で開演です。

本番が始まり、客席が暗くなって舞台の明かりでかすかに照らされた客席。穏やかな音楽が流れ、フィリップが登場し、赤い靴をゆっくりと持ち上げていく。

家に帰ってくるトリートに気づき、はっとする瞬間にテレビから銃声と西部劇の勇ましい音楽。

その数秒間の間に、客席と舞台とがひとつになっていく。

1幕1場が終わり、10分間の休憩。5分前の1ベルがなる。ロビーで「おい!急がないともう始まっちゃう」と友達と急いで客席に戻る。

2幕が始まり、そして終演。

終演後、バックステージ見学とハロルド役の柳瀬太一との座談会が行われた。本番中は語れなかったこと、席が離れていた友達と、実際舞台に上がって小道具や舞台装置、スタッフや役者と話しながら、心に残っていることをお互いに語り合う姿が印象的でした。

時にはハロルドの真似をしてあるシーンを再現してくれました。座談会でも今日という日を自分のもとしようとハロルドの話を前かがみぎみで聞く姿があった。

その姿はいち劇団員の私にも元気や、喜び、心を健康にしてくれました。

本当にありがとうございます。

 

そして、このような時間を創るべくご尽力下さった、真庭市スポーツ文化振興課の皆さん、先生方、北房文化センターの方々に感謝申し上げます。

ありがとうございました。

 

琴平高校/善通寺第一高校

この公演は、2015年から3年に一度風と公演を作ってくださった琴平高校と、2018年に風と公演を作ってくださった善通寺第一高校、二つの高校が午前と午後に別れて観劇という形での公演となりました。

ゆかりのある先生方との再会と、そして出会い。風の劇団一同、暖かくこの公演を迎えました。

午前の部は琴平高校。開演は9時30分。午後の部は善通寺第一高校。開演は13時30分。開場時間、どちらもこの時期となっては、暑すぎる道のりの中公演を見に来てくれました。

開場中、暑い中の到着だったものの、会場に入った瞬間、「涼しい〜、え!すごい、見て!!」「写真撮ってもいいかなぁ」ともうすでに感動してくれた声を聞き、会場と共にこの公演に対する思いを感じさせてくれました。

もちろん、本番も自由に、楽しく、時に涙を見せた姿もあり、表情豊かな生徒さんたちに感動を頂きました。本当にありがとうございます。

 

午前、午後どちらの公演も、演目は同じ「Touch」です。でも、風と共にその時のその空間、瞬間で「Touch」作り上げてくれるのは、生徒さん、先生方、それぞれ一人一人であり、たくさんの「 Touch」を見られたように感じます。それを感じさせてくれたことにも本当に感謝しています。

そして今回の公演を、当日に至るまで、長くから支えてくださった、たくさんの出会いの機会を下さった先生方に感謝申し上げます。

ありがとうございました。

 

長田高校

長田高校と風が公演を作るのは今回が初めての公演でした。

公演自体は一般公演のような形で行われました。生徒さんたちは、ほぼほぼ皆さん私服でのご来場でした。先生か生徒さんか見分けがつかないまま、担当の先生の協力あって、無事に開演することができました。ありがとうございます。

 

公演中も、皆さんリラックスしてみてくれていたと感じます。劇団のスタッフである私も、客席から皆さんと見ていましたが、全員が笑っているシーンも、それぞれ一人一人の笑い声がひとつひとつ耳に入ってきました。つられて私も笑ってしまうくらいで、私自身も息を殺すことなくリラックスして、皆さんのみる姿と客席を楽しんで見ることができました。ありがとうございます。

終演後には演劇部をはじめとして、音楽部の生徒さんも、バックステージと座談会に参加してくださいました。生徒さんたちは同じ芸術家として興味津々で、生徒さんたちの質問に劇団員もはっと気付かされることが多かったと思います。

共通する物もあって、知る喜びと話せる喜びを感じさせてくれました。

本当にありがとうございます。モチベーションを上げられたと喜んでくれる姿もありました。これからたくさんのことを知り、感じていく。語っていく彼らに私も便乗して、モチベーションが上げられました。

先生方、生徒の皆さん、素敵な公演をありがとうございました。

 

布施高校

今旅巡回公演の千秋楽となりました布施高校は1998年に風の公演「ヘレン・カラー〜ひびき合うものたち」を共に創っていただいた学校です。

公演の始まる前、終演後、この公演を長くから支えてくださった先生方が楽屋に挨拶をしに来てくださいました。劇団員一同、先生の表情、言葉。今日も支えてくれる先生方や生徒さんたちと共に「Touch〜孤独から愛へ」を創れることに幸せと喜びをいただきました。

今回公演をさせていた会場、東大阪市文化創造館の大ホール。大ホールとだけあって、すごく広い会場での公演でした。開演5分前、司会の先生が開演を促し、「では皆さんの拍手で開演です」そう言った瞬間、空間よりも大きな拍手をしてくださり、圧倒させられたと共に言葉を交わさねど応えたいと思いました。

布施高校の皆さんが持つ空間と風の持つ空間で共に創り上げられたと感じました。

開演時の拍手、期待、楽しみ、。終演後カーテンコールでの拍手、これからへの期待、楽しみ。同じ言葉でも何か違う、それを大事にしていってほしいなと感じました。そして、カーテンコールのとき、生徒を代表して語ってくれた生徒さん。溢れるものがあり、とても感動しました。その生徒さんへの拍手が、開演前、終演後、代表の生徒さんの言葉。3つに向けられる拍手の中で一番大きかったと感じました。大事だなと思わせてくれました。

これからの日々、今日の公演だけが自分のものではない。今日の公演で見せたくれたように、

よくだらないことで大笑いしたり、ちっちゃなことかもしれないけど苦しかったりすること、

些細なこと、大きくて大事なこと、見つけて、全部自分のものになっていくことを願っています。

また、それを家族や友達、先生方と話して、より大事なものになっていくことを

劇団員一同、願っています。そしてまたどこかで会えることを。

本当に素敵な公演を、ありがとうございました。

 

文:髙階のどか(スタッフ)

 

 

 

 

 

 


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』春のツアー⑩

2023-07-27 00:42:40 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』も10週目となりました。

 

7月10日(月) 【群馬県】前橋育英高校・保育コース 昌賢学園まえばしホール

7月11日(火) 【埼玉県】星野学園小学校 星野記念講堂

7月12日(水) 【福島県】相馬農業高校 南相馬市文化会館

7月13日(木) 【栃木県】佐野市文化会館主催(第11回子ども芸術鑑賞会) 佐野市文化会館

 

前橋育英高校・保育コース

以前にも、全校生徒での鑑賞会で『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』、『ジャンヌ・ダルク』を観ていただいています。

今週は、保育コースの生徒さんたち、160人での鑑賞でした。予定されていた開場時間より早目に客席に入ってくる生徒さんたちの姿が楽屋のモニターテレビに写されました。元気な声に、楽しみにしていてくれたこと、待ちきれずに、客席に入って来てくれた、生徒さんたちの期待感も感じられ、私たちも楽しみな思いにさせられました。本番中の生徒さんたちは、何かを吸い込んでいくような空気がありました。集中しながら観ていて、時折静かな反応も起こり、一緒になってこの舞台をつくってくれました。

舞台に上がってきてくれた生徒さんもいました。手を振りながら帰っていく生徒さんも多く、「元気でね!」、「さようなら!」と声が飛び交いました。

この2時間のなかで、一人ひとりが感じ、考えたりしてくれたことが、しっかり伝わってきました。

 

星野学園小学校

2015年にも1年生から6年生に観ていただきましたが、今回はバリアフリー演劇として観ていただきました。

開演前に担当の先生が「舞台はテレビ等とは違い君たちが笑ったり、泣いたりすることが伝わります。楽しんで観てください。」と話されました。

ひき続き私たちからバリアフリー演劇について説明を聞いてもらいました。

手話通訳者、音声ガイド、字幕があるなど、俳優も着ている衣装を説明しました。児童の皆さんは、これらの説明にも、驚いたり、笑ったりしながら聞きながら楽しんでくれました。すでに開演しているのだと思いました。

そして、児童のみなさんと一緒に舞台をつくっている空気を感じさせられました。観ながら一人ひとりが感じたり、考えたりしながら楽しんでくれた児童さんたちとつくれた素敵な時間でした。

 

相馬農業高校

2009年に『Touch~孤独から愛へ』を観ていただいた学校です。

本番になり、生徒さんたちは、何かおっとりというか、舞台での出来事によりそうように見入ってくれました。

終演後の生徒会長さんが「多様性についていろいろいわれている時に、大切なことを考えることができました。」とお礼の言葉を述べてくれました。彼は、生徒さんたちの舞台見学になった時にも改めて楽屋に挨拶にきてくれました。

それぞれの生徒さんたちも舞台見学を楽しんでくれました。見学では足りず、客席に残った10人位の生徒さんたちと座談会も行いました。撤去作業中の俳優にも気軽に声をかけてくれました。その俳優の“役”のことよりもその“人”に興味を持っているように感じた。今を一人ひとりが生きていて、その一瞬を感じ合っているような気がしました。

 

佐野市文化会館主催(第11回子ども芸術鑑賞会)

佐野市文化会館が主催し、市内の各中学校の2年生による合同鑑賞会をつづけてこられていた。今回はバリアフリー演劇として実施するということで、市内の一般の方々にも観劇してもらうことにした、ということでした。

とても素晴らしい取り組みであると感じました。

午前と午後の2回の公演でした。

午前は市内の5校の中学生490人と、一般の方々、(その中には、盲、ろうなどの障がいのある方々も観に来て下さっていました!)、中学校の保護者の方々に観に来ていただきました。午後は、3校の中学生530人と、一般の方々に観に来ていただいた公演でした。

どちらの公演も、用意し入場して来た中学生に、まず舞台にあがってもらい、装置に触れ、ポンプから水を出してみたり、大道具の階段を登ったり、降りたりしてもらいました。

それから本番が始まります。バリアフリー演劇の説明や俳優の紹介がすすむと、中学生たちの顔が和らいでいくながわかりました。

それぞれに楽しんで観ていただけた舞台でした。

終演後の舞台見学は、一般の方々に上がっていただきました。「また観たい!」、「観にきてよかった」と言って下さる方もいらっしゃいました。

「子ども芸術鑑賞会」は、市の行事というよよりも中学生だけでなく、市民の方々を含め障害のある人もない人もみんなで楽しめる場を、みなさんと創れたことに心より感謝をもうしあげます。

この機会を企画し、実行して下さった佐野市文化会館の方々の心よりお礼を申しあげます。

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

文:坂牧明(医者役)