9月25日から始まった長い九州ツアーも、いよいよ最終週となりました。
今週は、
12月16日(月)【鹿児島県】鹿児島城西高校 同校体育館
12月17日(火)【長崎県】鳴滝高校 同校体育館
12月18日(水)【長崎県】佐世保工業高校 同校体育館
12月20日(金)【鹿児島県】出水工業高校 同校体育館
での公演でした。
鹿児島城西高校
2015年の『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』以来4年ぶりですが、風の公演は5回目となります。
髙階ひかりの母校でもあり、芸術文化コースの生徒たちは研修旅行で毎年、レパートリーシアターKAZEを訪れています。
午前・午後の2回公演のため、前日に搬入・仕込みを行いましたが、その時に芸術文化コースの生徒さんにもお手伝いしていただきました。
ありがとうございました!
搬入のお手伝いをしてくれた生徒さんたち
「この芸術鑑賞会が、みなさんの人生の糧となるよう、しっかりと見てください。」という校長先生のあいさつで公演は始まりました。
午前の公演も午後の公演も、楽しみながら味わうように芝居に見入っていて、リラックスした客席でした。
搬出作業お手伝いをしてくれている生徒さんとその様子をみている校長先生
その中で、芝居を観ることを通して、もしくは鏡のようにして、自分や友達のことを思い浮かべながら見ている、と強く感じさせる公演でした。
鳴滝高校
この学校は通信制と定時制(昼間部・夜間部)に分かれている単位制の高校で、初めての芸術鑑賞行事です。
今回は70名の定時制・昼間部のみという贅沢な公演となりました。
11トンのトラックが学校まで入っていかないため、長崎市警察の協力を得て、小さなトラックに積み替えて500メートルの距離をピストンして搬入しました。
公演は生徒たちが自分自身に語りかけるようにして見入ってる姿が印象的でした。
終演後は、全生徒が舞台に上がり、卒業アルバムのための集合写真を撮影しました。文字通り思い出の1ページとなってくれたらこんなにうれしいことはありません。
佐世保工業高校
この学校は風は5回目の公演となります。なかでも『Touch~孤独から愛へ』は3回目の公演です。
開場前から、生徒たちが押し寄せるように体育館の前で待っています。「普段は大人しい生徒たちですが、こんなに楽しそうな顔を見るのは久しぶりです。よっぽど楽しみにしていたんでしょう。」と校長先生も喜んでいました。
公演前の生徒さんたち
開演前には、担当の先生が「実は私は風の公演に出演したことがあるんです。文化庁による『星の王子さま』という舞台に、“呑み助”の役で出演しました。」とあいさつすると、客席が湧きます。
公演前の体育館の様子
公演中の体育館の様子
担当の先生のお話でリラックスした客席は、芝居が始まると集中します。
笑いながら、積極的に“見てやろう”とする姿に向き合った熱い公演となりました。
記念の色紙を誰か受け取って下さい!で上がった手
出水工業高校
この学校は『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』以来3年ぶり7回目の公演で、うち『Touch~孤独から愛へ』は3回目の公演です。
3ヶ月におよぶ長いツアーの千秋楽です。
仕込み中から、かわるがわる生徒たちが体育館をのぞきに来ては、驚きと期待の言葉を発します。
開場してからも、生徒や先生方が天井を指差しながら「どうやってあの照明を仕込んだのだろうか」と話が盛り上がっている姿に、楽しみに待っていてくれたことが伺えます。
本番では、プッと吹き出し笑いをしたり、息をひそめてまるで自分のことを見つめているようにして芝居を観ている姿が強く心に残っています。
バラし・搬出では全校生徒の半分ちかくの生徒が最後まで手伝ってくれました。
ありがとうございました!
こうして3ヶ月に及ぶ、68回の公演の旅が終わりました。さまざまな出会いがありました。再会もありました。
客席のみなさんとたくさんの視線が交わりました。
その交わった視線の中には、勇気、希望、そして“生きる”ということのメッセージが込められていたように思います。
彼らの声を抱き、演劇とは何か―ということを問い続けたいと思います。
『Touch~孤独から愛へ』の旅もまだ続いていきます。
ハロルド役(座長)・柳瀬太一