風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2018年 春 『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 東日本・西日本巡回公演 第2週目

2018-05-29 17:05:43 | 全国巡回公演

5月2日以来、久しぶりに旅公演へと出発!

その間、劇団のアトリエがある群馬県みなかみ町での、町民の皆さんを対象にした『肝っ玉おっ母とその子供たち』の公演、向瀬杜子春さんの写真展「シャンティニケタン~平和郷の子どもたち」の開催、そしてフランスの芸術集団レ・スフルール・コマンド・ポエティックとの共同企画「エクリチュール・バガボンド」の実施と、充実した毎日を過ごしてきました。

これらの企画を通して得た経験と出会いを糧に、7月19日までの旅も充実したものにしていきたいと思います。

この週は、

5月22日 秋田県 十和田高校 同校体育館

   23日 茨城県 明秀学園日立高校 日立市民会館

     24日 栃木県 栃木翔南高校 栃木市栃木文化会館

   25日 茨城県 水戸第三高校 茨城県立県民文化センター

以上、4ステージの公演でした!

 

秋田県・十和田高校

東中野から600kmあまり、旅班は青森と岩手との県境に近い、秋田県鹿角市へ。

学校の体育館へ着くと、前任校で風の『星の王子さま』を見たという担当の先生が出迎えてくれました。

久しぶりの体育館での仕込み。しかし、みんなの力がついてきたこともあり、先生がびっくりされるくらいの時間に終了しました。

本番前、「ふるさと学習」を選択している生徒さんたちが舞台裏見学にやってきました。ふるさとのことをより深く学ぶため、地元の伝説などを芝居にする活動をしているそうです。舞台で使われる人形や衣装、小道具などに大きな興味を持って俳優やスタッフと交流していました!

撤収の時にはボランティア部の生徒さんも一緒になって、積極的にお手伝いをしてくれました。

定番の身振り!

終演後に生徒会長さんが、

「ジャンヌの生き方を見て、どんなにひどいことをされても許す心を持とうと思った」

と感想を言ってくれました。

その優しさはきっと、ほんとうの強さになって、たくさんの人たちの力になっていくのだと思います!

 

茨城県・明秀学園日立高校

2010年、12年、15年につづき、4回目となる同校での公演、今回は文化委員の生徒さんたちが中心となって開催されました。

5月16日には、劇団の俳優、西垣耕造のコミュニケーション・ワークショップを通して、演劇と他者への関心を深め、この日の芸術鑑賞につなげてくれました。

 

開演前から客席の元気な様子が伝わってきます。

文化委員の生徒さんの進行で、舞台は幕を開けました!

客席から登場する俳優たちに、驚きの表情を浮かべています。

カーテンコールではきれいな花束と素敵なあいさつをいただきました。

終演後の一コマ。いい表情です!

文化委員の生徒さんとの記念撮影。

自由な雰囲気の漂う、しかし、見るところは見る真剣さも持った客席でした。

今回の写真は、視聴覚担当のオドノフ・ダヒ先生が快く提供してくださいました!

「涙が出ました」と言ってくれた、アイルランド人のオドノフ先生、たくさんの素晴らしい写真をどうもありがとうございます!!

 

栃木県・栃木翔南高校

天候にも恵まれたこの週、初夏の日差しの中、KAZEトラックも映えます!

担当の先生があいさつに来られ、「4年前のヘレンケラーに感動しました。とても印象に残っている劇団です。今回も期待しています」と言ってくださり、開演前に校長先生が、「舞台芸術というのは、映像と違い、皆さんの想像力(創造力)がより活かされます」というあいさつをしてくださいました。

「若い観客である中高生にとって、その豊かな想像・創造力が発揮される舞台になっていただろうか」「先生方がこの行事に込めた期待に応えられる公演の場をつくれているだろうか」

自分の演技に埋没せずに、さまざまなことを私たちは旅の中でつねに問い続け、実践しなけばならないと改めて感じます。

大きく沸き、そして真剣なまなざしを送ってくれる客席でした。

『ジャンヌ・ダルク』の舞台を通して共に過ごした時間と空間が、何かを発見したり、思考したりするきっかけに少しでもなってくれたらと願います。

 

茨城県・水戸第三高校

劇団創立以来初めてとなる、水戸第三高校での公演。

期待をいっぱいに含んだ大きな盛り上がりのなかで開演しました。

終演後にバックステージツアーを予定していました。当初は10人ほどの予定でしたが、芝居のあとの先生の呼びかけで、本当に多くの生徒さんが会場に残ってくれました。

終わったばかりの熱の残る舞台で、自分たちが見たものに関心を寄せていろんなものに触れる姿が印象的でした。

当初は予定になかった座談会も開催され、ジャンヌ役の白根の話に興味深く耳を傾けていました。

その場ではなかなか発言できなかったひとりの生徒さんが、照明担当の坂野に「俳優をやりたいんだけど、どうやったら大きな声がだせるんでしょうか」と勇気を持って聞いてくれたそうです。その小さな勇気がきっと、俳優を目指すにしても、何かほかの夢を見つけた時も、その子の力になっていくのだと思います。

サイン色紙も嬉しそうにもらってくれました。

水戸第三高校とは初めての出会いでしたが、お互いに様々なことを交感できる場をつくれたのではないかと思います。

みんなの後輩たちともまた、会うことができたら嬉しいです!

 

この週から本格的に始まった『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』の東日本ツアー。

人と人との出会いと交流のなかでつくられる数々の公演の場が、この時代においてどれほど貴重なものであるか、それを十分に噛みしめ反芻しながら、一回一回の上演を大切に旅をつづけていきたいと思います。

 

田中賢一(語り手役)