風のBLOG

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2014秋『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』第12週目

2014-12-21 17:01:24 | トピックス

12月に入り寒さも厳しくなりましたが、たくさんの生徒さん、先生方の温かさに出会いながら、今週もスタートした『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』旅公演。
第12週目を迎え、61ステージを終えました。

12月8日   熊本県 甲佐高校(同校体育館)
12月9日   福岡県 福島高校(おりなす八女)
12月10日 福岡県 若松高校(若松市民会館)
12月11日  佐賀県 佐賀工業高校(同校体育館)
12月12日  鹿児島県 川内南中学校(同校体育館)

 

甲佐高校



楽屋となった教室の黒板には「WELCOME  TO  KOSA」と、生徒さんの素敵なメッセージで出迎えられました!
朝の早い時間からの搬入作業には、たくさんの野球部の男の子たち、マネージャーの女の子、そして先生方がお手伝いをしてくれました。
風の公演五回目となる甲佐高校での公演。
今回は松橋西支援学校上益城分教室との合同公演でした。

本番中、生徒のみなさんのしっかりと舞台に向き合う視線、何かを探求しようとする姿勢を舞台上からも感じました。

終演後、楽屋へ戻る際に廊下で出会った生徒さん方から、“面白かったです!”“良かったです!”と元気な声をかけてくれました。

搬出のお手伝いにもたくさんの生徒さんが集まってくれました。



元気で一生懸命な皆の姿は忘れません!

福島高校

今週二回目はお茶の栽培で有名な福岡県八女市、福島高校の会館での公演でした。
今回、芸術鑑賞行事自体初めてという福島高校。
会場前の早い時間から準備にいらして下さった担当の先生方。
今回の公演を本当に楽しみにしている。
この公演の中でも、生徒の皆に何かを掴んで欲しいという言葉を受け、先生方の今回の公演への大きな期待を強く感じ、私達も身が引き締まる想いでした。
続々と会場に足を運ぶ生徒の皆さん。
これから始まる『ヘレン・ケラー』の世界に興味津々。
袖で待機している私達にも彼らの生き生きとした声が聞こえてきました。



600人以上の客席でほぼ満席となった会場はとても濃密な空間となっていました。
時間が経つにつれ、客席からはグッと支えられような視線を受け、彼らもここから、何かに出会おうとしてくれている姿を感じました。

カーテンコールでは、素敵な花束と『ヘレン・ケラーの作品を感じて、私達も色々なものを感じました。』と、想いのこもった挨拶を頂きました。

若松高校

今週三回目は、一昨年の『Touch~孤独から愛へ』ぶりの風三回目の公演。



今回の学校も開演前から、とてもパワフルな姿を見せてくれました。
開演前、担当の小林先生から一つのメッセージがありました。
小林先生が新任教師だった頃、聾学校で教師をされていたそうです。
そして、当時の学生たちが『ヘレン・ケラー』の芝居を公演したそうです。
小林先生自身、彼らの、何かを伝えようとする姿、その彼らの姿はから自分の心に響いてきたもの、この出来事がとても心に残っていたそうです。
その出来事を受け、現在定年になった自分が出会った今回の風の『ヘレン・ケラー』公演。
どうか、この公演で何かを感じて欲しいと語ってくれました。
そんな小林先生からの熱いメッセージを生徒の皆も静かにしっかりと受け止めていました。
私達もその想いを受けながら、客席からの盛大な拍手で幕が上がりました。



終演後のバックステージツアーでは感性の赴くままに、舞台に触れ、様々なことを感じ、座談会では、思い思いの質問が飛び交っていたようです。



今回の作品、そして小林先生の想いのこもった一面。
生徒の皆にとってもたくさんの発見と出会いがあった公演になったようです。

佐賀工業高校

今週四回目は、佐賀工業高校の体育館での公演でした。
朝の搬入作業のお手伝いには、野球部の皆さんが集まってくれました。
てきぱきと先生や仲間と協力しながらの作業に、あっという間に搬入も終わりました。



800人という体育館いっぱいの客席。
公演中はとてもリラックスして観てくれていたようです。
笑ったり、驚いたり、時には静かに舞台を見つめたりと様々なリアクションがあり、彼らの多様な感性のうねりを強く感じました。



終演後も大変な搬出のお手伝いも何のその。
バトミントン、バスケ、ソフトテニス部の皆さんと共に最後まで一生懸命に、時には楽しみながら作業は進みました。



終演後、建築科1年生の生徒さんとの座談会も行われ、たくさんの質問をしてくれました。
女子生徒さんの中には、以前ミュージカルをしていたり、中学の時に演劇を経験していた生徒さんもいて、“皆で何かを作った思い出や、人の心に響くものを創りたかった情熱”をとても熱く語ってくれました。
そしてこれから、演劇へも挑戦したいと話してくれた皆さん。
自分で踏み出した新しい一歩。
今回の経験を糧に頑張って下さい!
私達も遠くからではありますが、応援しています!

川内南中学校



今週最後は、鹿児島県での中学校での公演でした。
2004年の『ヘレン・ケラー』の公演から10年ぶりの風の公演。
体育館に入ってきた生徒さん、『先生見て!すごいよ!』、『なんだこれ!』といったたくさんの元気な歓声が聞こえてきました。



公演中は、一瞬一瞬を見逃さないような視線と反応、ですが、その中には重くずっしりと一人一人が舞台に向きあう姿がありました。

終演後の搬出のお手伝いには、たくさんの生徒さんが集まってくれました。
『次はどうしますか!』と積極的に声をかけてくれたり、『次はこうかな、ああかな』と先生と話していたりと、生徒さん自身、皆で何かをする楽しみを味わいながら作業を手伝ってくれているようでした。
私達にとってもとても貴重で楽しい時間となりました。
本当にありがとうございました。

身に沁みるような寒さの中、負けずに舞台に向き合おうとしてくれる生徒さん、先生方の姿や想いをひしひしと感じた一週間。
『ヘレン・ケラー』の公演も残り一週間となりました。
名残惜しい寂しさを覚えながらも、これからも、その場、その時の一つ一つの出会いを私達も最後まで向き合っていこうと思います。

文:倉八ほなみ