ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

紫式部ダイアリー

2014年11月10日 | 演劇

さてさて昨日に引き続き・・・。

友人の一人は、短大時代のお友達に会いに・・・。
もう一人の友人と私は今日も渋谷で舞台を

昨日は、文化村シアターコクーンだったけれど、今日はパルコ劇場へ。

昨日のシリアスなちょっと重い舞台とはコロッと変わって、
今日は三谷幸喜さん作・演出のコメディ「紫式部ダイアリー」

紫式部を演じるのは長澤まさみさん。
清少納言を斉藤由貴さん。

名前と、作家という設定はそのままだけれど、時代は現代。
二人はホテルのバーのカウンターでお酒を飲んでいる

先輩の清少納言を待たせておいて、あっけらかんと遅刻する、
いわゆる「今どきの・・・」って感じの紫式部に長澤さんがぴったりはまっている。
教科書とマンガでしか読んだことのない「源氏物語」から想像する紫式部はなんだかネチネチした印象だけれど、
十二単を思わせる、ひらひらとした衣装を身にまとい、
はっきりとものを言い、軽やかに動き回り、話の途中でもスマホをいじり・・・。

一方、清少納言の斉藤さんは、カウンターのハイスツールに上手に座れなかったり、
同じひらひらの衣装でも、なんだか動きがコミカル
同じく教科書でしか読んだことのない「枕草紙」だが、あっけらかんと物事を見ているようで、
いいたいことはズバズバ言いそうな印象の清少納言。
でも、紫式部に振り回され、ベテランのプライドから、言いたいことを飲み込み、大人の対応をするんだけれど、
その葛藤ぶりがホントにおもしろい。

「あけぼの文学賞」選考会前夜で二人が選考委員っていう設定も笑えるし、
紫式部が雑誌で悩み相談をやってる、なんてのもおかしい。

「泉式部さんがさ~」とかいう会話もくすっと笑えてこれまた楽しい。

仕事が減り、紫式部など若手の台頭におびえ、進むべき方向を見失いそうな清少納言と、
売れっ子ではあるけれど、実力ではなく、若さとルックスを騒がれることで、
アイドルの寿命を感じて、新しい作品を模索する紫式部は、やがて本音を語りだし・・・。

次第に、意気投合とまではいかないが、友情みたいなものが芽生えてくる心の移り変わりがとっても自然。

「あ~いるいる」っていうお局と若いOLのバトルを見ているようで、感情移入しやすいかも。

長澤さんの深夜ドラマでやっていた女刑事を思い出させるマイペースな困ったちゃんぶりもとにかく笑えるけど、
なんと言っても斉藤さんのおもしろさったら

動きの一つ一つ、ぼそっと面白いことを言う間の取り方、が完全にコメディエンヌ

失礼ながらそこそこの年齢のはずだが、とにかくキュートで目が離せない。

一言も台詞がなくてときどきお酒を持って現れるバーテンダーの吉田ボイスさんもいい味を出しているが、
パンフレットの出演者にもスタッフにも名前が載ってないのがちょっとお気の毒。

顔の端っこでにやっと笑っちゃったり、ドッと笑ったり、あっという間の2時間弱。

前日のちょっと重い舞台とのギャップがありすぎ

ちょっとお疲れ気味の時にはこういうのが一番

ホントに楽しませていただきました

パルコ劇場を出て、もう一人の友人と待ち合わせの時間まで小1時間。
待ち合わせ場所のロクシタンカフェに早めに行ってみたら、長蛇の列・・・。
仕方がないので道路の向かい側の「西村フルーツパーラー」に入ってみる。
ここって昔からあるよなあ~。

コーヒーでもと思っていたけど、フルーツたっぷりのスイーツメニューに完全にやられた私たちは、
フルーツパフェなんて頼んでしまった



すごいボリューム

おしゃべりしていると、1時間なんて15分くらいに感じる。

この友人は夜の便で札幌に帰るので、一緒に渋谷の駅まで行って、ここでお別れ

盛り沢山な楽しい2日間をありがとう

さて、このあと、私はもう一人の友人と会って、押尾コータローのコンサートへと向かうのでした












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【観劇メモ】皆既食

2014年11月09日 | 演劇

ちょっと予習をしておくべきだった・・・と観終ったあと友人と話した。

この日、たまたま二人の幼なじみが、それぞれ別々の用事で上京した。
こんな素敵な偶然ってあるんだろうか

うち一人は、演劇が好きで、そのためにだけ上京することもある。
今回は出張だが、せっかくだから2日間舞台を観たいとのリクエストにお応えして、
この日に上演している舞台を物色中にもう一人の友人からも上京のお知らせが・・・。

で、3人で観に行こう、ということになった。

なので、まず日時と空席ありきのチョイスとなり、ゲットできたのがこの「皆既食」

岡田将生クンの初舞台ってことと生瀬勝久さんが出る、ってことぐらいの情報で劇場へ・・・。

この日が初日ということもあり、演じてるみなさんは、台詞をカミ気味。

毎回言っていることだけれど、翻訳劇に弱い。
歴史も地理もニガテなので、外国の時代背景がさっぱりわからない。

19世紀のフランスに実在した詩人、ランボーとヴェルレーヌの物語。

19世紀フランスを代表する早熟の天才詩人、アルチュール・ランボーに岡田クン。
すでに詩人としての名声を得て、ランボーの才能に驚嘆してパリに呼び寄せたポール・ヴェルレーヌが生瀬さん。

岡田君の18歳はともかく、生瀬さんの27歳はちょっと・・・

才能だけでなく彼自信を愛してしまうヴェルレーヌは、妻や子を残し、ランボーと放浪し身を持ち崩していく。
その一方では若い妻のことを忘れることができずに、離婚の申し出にあらがってみたり、とどうしようもない。

男同士の恋愛に発展していく意外な展開
でも、岡田君の少女マンガのような美しさならしょうがないか・・・となんだか納得。

しだいにお金も無くなり、どんどんボロボロになっていく二人。
若い岡田クンはボロボロになりつつも、やはり美しい。
生瀬さんの落ちぶれていく様はさすがの演技力とあいまって、ホントにリアルで、見ている方が苦しくなってくる。

そしてついに起こってしまう「ブリュッセル事件」
ランボーがヴェルレーヌの銃弾をあび、命は助かったものの、ヴェルレーヌは獄中へ。

ランボーはその後詩を捨てて、貿易商となり37歳の若さで亡くなった、ということを、
酒場に訪ねてきたランボーの妹から聞かされるヴェルレーヌ。

貧困と病で目も当てられない落ちぶれようだ

最後まで詩人だったヴェルレーヌは幸せだったのだろうか・・・。

この舞台を演出した蜷川幸雄さんは16歳のときにランボーの詩を読んでいた、という。
私が若いころに知っていたランボーはシルベスター・スタローンの映画だけだ。

大人になってからの人生が大きく違うのは当たり前だ

それにしても、あんなにお金のかかったセットの舞台を観たのは久しぶりだ、と友人は言う。
確かに、今回、場面がくるくる変わり、部屋の内部も毎回セットが完全に変わっていた。
ちょっと慌ただしい・・・。

前半はなんだかついていけなかったけれど、後半になってやっと話が見えてきた頃に終演・・・
なんだか正しい「THE 演劇」って感じの舞台だった。

幼なじみ3人で渋谷で舞台を観る、という、まずありえないシチュエーション。
少し早めに待ち合わせして、開演前に軽くお食事、っていうのは、
こちらに住む友人と舞台を観に行くときとなんら変わりないけれど、
このとき一緒にピザをつまんでいるのは遠く札幌に住む友達なんだ、と思うと、美味しさも倍増

思っていたよりも長い舞台で、シアターコクーンを出たら、10時になろうとしている。
名残惜しいけれど、この日はこれで解散。

翌日、一人は短大時代のお友達に会い、もう一人はまた一緒に舞台を観る。
舞台の後、この友人は札幌へ帰る
もう一人と夕方待ち合わせて一緒に押尾コータローのコンサートへ・・・。

盛り沢山な1日が待っている






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講演会と試写会と・・・

2014年11月04日 | イベント

ちょくちょく懸賞に当たる妹が試写会のチケットをゲット

宮沢りえさんが主演女優賞を受賞した話題作「紙の月」

会場は新宿伊勢丹裏手にある、新宿ピカデリー。
しかも宮沢りえさんをはじめとする、メインの出演者の舞台挨拶付き

この日は、全国の主要都市で同時に試写会が開かれ、舞台挨拶は各会場に中継されるとか・・・。
生で観ることが出来て、ホントにラッキー

舞台に立ったのは、宮沢さんのほかに、相手役の池松壮亮さん、夫役の田辺誠一さん、上司役の近藤芳正さん、顧客の石橋蓮司さん、
先輩の小林聡美さんと同僚の大島優子さん。

池松さんの受け答えが尋常じゃなく暗い・・・。
司会の方の困惑具合は沢尻エリカさんの「別に」に近いものがあったのでは・・・?と心配になるくらい。

舞台挨拶では、ぱ~っと華やかな宮沢さんが、映画の中では地味~な主婦。

黒い地味なコートのボタンを首元までしっかり締め、終始おどおどと自信なさげな彼女が、
当たり前のように顧客のお金に手を付け、高価な真っ白いコートに身を包み、顔をあげて颯爽と歩くようになっていく様は
小気味いいような恐ろしいような・・・。

NHKのドラマで同じ役を原田知世さんが演じていた。
元々のお顔立ちがおとなしめで、透明感があることもあり、普通の主婦からの変貌ぶりがものすごくリアルだった。

映画では一気に年下の男の子にのめり込んでいったけれど、ドラマではじわじわとのめり込んでいくところがとても自然。
そのぶん、見ていて苦しくなってくる。

そのあたりは2時間ちょっとの映画では仕方のないことなのね

けれど、こんな夢のような生活が続く訳もないのに、「無邪気に」と感じるくらいの勢いで横領を繰り返す様子は
やはり、息苦しいくらいの迫力があり、もうこの際逃げ切ってほしいとさえ思ってしまう。

横領の事実をじわじわと暴いていく先輩行員小林聡美さんの淡々とした演技も恐ろしい。
小悪魔的な大島さんもかなり重要なポジションを占める。

悪気はないけど、チクチクと妻を傷つける夫のデリカシーの無さは「あ~あるある!」って感じで
そこに傷ついていくりえさんの気持ちにちょっとだけ感情移入できるかも。

原作はまだ読んでないのだけれど、ぜひ読んでみようと思った。

会場では、チラシと共にこんなのが配られた。



裏には「横領犯のヒロインの気持ちが味わえる?豪華ホテルの宿泊券が当たるかも」、のキャンペーン。
もちろん、応募する

チケットをゲットして誘ってくれた妹に感謝感謝


さて、こんなヘビーな映画を観る前に、昼間私はこれまたちょっとヘビーな講演会に参加していた。

テーマは



自分自身についてはまだ先のように思ってはいるが、夫にも自分にも高齢の母がいる。

今はまだまだ元気だけれど、近い将来、間違いなく介護を考えなければいけない日がやってくる。
私は形から入るタイプなので、こういう現場で実際に活動している人たちの生の声を聴くことで、
腹をくくらなきゃ、と心のどこかで思っているのかもしれない。

たくさんあるこのテーマの講演会の中からこの日を選んだのは講師が秋山正子さんだったからだ。
彼女が私の故郷のお隣の町、北海道の沼田町の招きに答え、交通の便の悪い中、講演をしてくださった、ということを
この町の町議として頑張っている同級生がご自身のWeb新聞で発信していた。

http://kyouhanshinbun.hp2.jp/korekara04jyuku2014-0722.htm

今回の講師は、お二人。

「地域を耕す」暮らしの保健室がめざすこと、と言うテーマを秋山正子さん。

「地域で看取る」ホームホスピスの役割、と言うテーマを市原美穂さん。

秋山さんは白十字訪問看護ステーション統括所長を務め、訪問看護・居宅介護支援・訪問介護の事業を運営されている。
イギリスのマギーズセンターという、がん患者とその家族、及び友人らのための「がん無料相談支援施設」の精神を日本にも、と
マギーズ東京設立の準備をすすめてらっしゃる。

その足がかりともいえるのが「暮らしの保健室」

相談員やボランティアスタッフが常駐し、健康・暮らしにかかわるさまざまな相談に応じるだけでなく、
ただ遊びに来てもいいですよ、という開かれた場所。

訪問介護に至る前の「予防の視点」からさまざまな活動をされている。

一方、市原美穂さんは宮崎市でホームホスピス「かあさんの家」を運営し、
人生の最期を病院ではなく地域で看取るためのシステムを構築されている。

自分の家ではないけれど、限りなく自宅に近い環境で家族に囲まれて最後の時を迎える。

空き家を借り上げ、共同利用者は5人程度、ここにスタッフが常駐し、
24時間いつ家族が会いに来てもいいなど、「暮らし」を感じて生活できる場を提供している。

医療と介護サービスは外部に依頼し、さまざまな職種と連携、家族もチームの一員として、最後まで普通に暮らすことを支える。

お二人に共通している考え方は
「だめ」ということを無くそう、というもの。
「してはいけない」と言うことは、身体を拘束するに等しい、という発想だ。

その為には、「制度からはずしてほしい」とおっしゃっていたそうだ。

制度の中に組み込んでしまうと禁止事項が増えてしまう。
例えば、入居者の家族がお菓子を持ってきても、他の人に配っちゃいけない、
お腹を壊したら誰が責任をとるのか、というようなこと。

してはいけない、ではなく、どうしたらそれができるか、を考えていくのだそうだ。

これは、自宅で一人で介護をしていては到底無理なこと。

秋山さんの「くらしの保健室」はどちらかと言うと地域の人がその場所に自ら出向いて、
それぞれの生きていく術を見つけていこう、とか生きていくための様々な荷物をちょっと軽くしてくれるような。

市原さんの「母さんの家」は精一杯頑張ってきた人を最後まで人間らしくいられるよう、受け入れるっていうような。

交通の便があまりよくない地方の小さな町では、自分から出向いていく場所は、高齢になるとなかなか行くのがむずかしいかも。

そういう意味で言えば、「母さんの家」のようなそこで生活できるような施設の方が地方においては現実的かな、と思ったりもした。

で、影響されやすい私は、会場で市原さんの著書を購入



本当に世の中にはすごい人がたくさんいる。

講演会も、映画も内容はヘビーだったけれど、立ち上がる力に満ちている。

介護のことを考えると、ちょっと暗い気持ちになりがちだったけれど、前向きに受け止めて行こう・・・かな

あ、横領はしません























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