ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

観劇メモ「夜の来訪者」

2022年03月08日 | 演劇

「夜の来訪者」

作  J・B・プルーストリィ

脚本 八木柊一郎

演出 西川信廣

コロナ禍、観劇の機会がめっきり減ってしまった。

観劇がストレス解消の一つである私にとってはなかなかつらい日々。

そんな中、友人に誘われて、六本木にある俳優座劇場に出かけてゆく。

友人のお友達のお嬢さんが出演しているとのこと。

実は俳優座劇場に行くのは初めて・・・

それも楽しみの一つ。

物語の設定は真珠湾攻撃の起こる1年前の1940年。

裕福な一家では娘の婚約が決まり、皆が幸せな気持ちで未来の話をしている。

そこへ警部と名乗る人物が一人の女性の死を告げにやってくる。

それぞれが違ったシチュエーションで女性とかかわりを持ち、

皆が彼女を傷つけ、追い詰め、直接手を下してはいないけれど死へと向かわせている。

お金持ち特有の傲慢さで彼女を見下し、

皆がお互いのせいにして、

今まで気が付かったそれぞれの知らない顔があらわになってくる。

家族のあまりの傲慢さ、無責任さ、想像力のなさに

とうとう警部が声を荒げる

「あなた方全員に責任があるんです!」

「人間は一人では生きていけない。

一つの家族だけでは生きていけないんです。

全体がからみ合い、助け合っている。

時には傷つけ合い、殺し合って・・・。

だから、人間は他の人間全部に責任があるんです。」

この時期に上演となったのは全くの偶然だろうが

ロシアのウクライナ侵攻の今を叫んでいるようで、

セリフが重く心に刺さる。

時代背景が世界大戦前、というのも何やら不穏な感じ・・・

観終わった後、何とも言えない既視感みたいなものが

心に残って、ちょっと不安な気持ちになる。

冒頭にも書いたが、コロナ禍でなんとなく舞台を観に行くのも憚られ、

情報も積極的に取りに行ってない今日この頃。

友人が誘ってくれなかったら、おそらくは上演も知らずにスルーしていたと思う。

誘ってくれた友人に感謝感謝

終演後はトークショー。

出演者の方々が作品への思いをお話ししてくださる。

感染のリスク・上演中止の不安を考えながらのお稽古は、

それはそれは大変なことだったと想像する。

前日遅くまで妥協しなかった演出家の方へ向けたお話も

興味深かった。

トークショーの最後は客席に向かっての記念撮影。

個人的には左から2番目のお金持ちの家のお手伝いさん役の

有賀ひろみさんの存在感がすごかった、と感じた。

セリフも出番もそんなに無いのに、登場するとなんだか締まるというか・・・

観劇後に感想を話しながら夕食を・・・というのもなかなかままならないこの頃。

せめて、観劇前にランチを、とミッドタウンでランチしました

観たいと思ったときに何も考えずにパッと行けていた数年前のように戻るのは

いつになるのだろうか・・・

そういうことも含めて、心に響いた舞台でした。


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2 コメント

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Unknown (あららぎ)
2022-03-09 16:49:38
劇団1980の柴田さんは本当に素晴らしい役者さんです。
機会がございましたら、彼の一人芝居もぜひぜひご覧になって下さい。
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Unknown (karm52919)
2022-03-09 17:06:12
ご存知の方なのですね💕私は初めて拝見しましたが、本当に素適な役者さんでした。チェックして、機会があれば観てみたいです。教えてくださってありがとうございます🥰
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