【帰って来たマイ.ブラザー】
作 マギー
演出 小林顕作
世田谷パブリックシアター 2023/4/22
少し前のことになるけれど、
大学時代の友達と舞台を観に行ってきた。
彼女と会うのは3年ぶりくらいだろうか。
以前は1~2か月に1度くらいのペースで一緒に舞台を観に行ってたのに、
パンデミックになってから、ぱったり会えなくなっていた。
コロナのせいばかりではなく、
その間に彼女のお嬢さんにはお子さんが生まれたりして、
忙しくなったり、と言うこともあった。
彼女は堤真一ファンなので、この舞台のチケットが売り出されたときに打診してみたら、
「行きたいと思ってた!」と言ってくれて、久しぶりの再会となった。
神奈川県浦和市の市民ホールに伝説の兄弟グループ「ブラザー4(フォー)」がやってきた。
大ヒット曲を放ちながら、あっという間に解散し、40年ぶりの復活らしい。
彼らのリハーサル室が舞台となっている。
リハーサルをしても40年のブランクはなかなか埋まらず、
観客も集まらず、どうなるんだろうと思いきや・・・
リードボーカルの長男ハジメが水谷豊さん。
バックコーラスが二男の段田康則、三男 高橋克実、四男 堤真一。
似てなさすぎる・・・
でも、話が進んでいくうちに、
自分のペースでどんどん引っ張っていく長男
慎重で冷静で時にきついことも言う二男
ノー天気でやりたい放題、直前まで消息不明だった三男
おどおどしながらお兄ちゃんたちに引っ張られる四男
と、ああ、いるいるこういう兄弟、
私たち3姉妹も役割がわかれてるな~、なんて思い始める。
彼らのマネージャーが寺脇康文さん
まさかの相棒コンビをここで見られるとは!
彼らの熱列なファンで、このコンサートのきっかけを作った姉妹が
峯村リエさんと池谷のぶえさん
阿佐ヶ谷姉妹みたいでなんだか楽しい。
いるいるこういう人たち!
そしてこの姉妹のお互いを思いやる心に胸を打たれる。
相棒での右京さんを見慣れているので、この日の水谷さんはとっても新鮮。
とっても身軽で、舞台の上をポンポン飛び歩き、
何があっても動じないちょっとすかした右京さんとはまるで違うキャラ。
その昔の傷だらけの天使(古!)や
熱中時代の北野広大先生のころの
ちょっとやんちゃな感じを思い出す。
段田さんは安定の貫禄。
引退してまじめにコツコツ働いてきた初老の男の人の悲哀がにじみ出ている。
自分は関係ない、的な態度でありながら、最後はちゃんとまとめていく。
高橋さんのちゃらんぽらん具合ったら、まさにはまり役。
4人の雰囲気が険悪になるとムードメーカーになって、何となく場を納める。
考えてるんだか考えてないんだかわからない感じがお見事。
自分では何も決められなくて、何となくお兄ちゃんたちに引きずられるちょっと情けない堤さん。
4人の中で1番人気があったっていう設定ももっともで、一人だけ骨格から違う。
カッコいいのになんだか自信がない四男がぴったり。
それぞれが生きてきた40年のあれこれにも思いをはせながら、
でも兄弟のきずなはやっぱり強いのね、と安心できるラスト。
あんなに仲が良かったのにどうしてこんなに憎み合っちゃうの?
っていう兄弟姉妹も数多く見聞きしてきたけど、
やっぱりこうあってほしいな~としみじみ思う。
ブラザー4がこのあと復活して活躍するのか
この日限りなのかはわからないけれど、
なにやら明るい希望みたいなものを感じることができた。
それにしても、ホントに久しぶりに会った友人はちっとも変ってない。
お互い、家族の状況は三年の間にいろいろ変化したけれど・・・
あまりに久しぶりで話が尽きず、
一晩でもしゃべれるね!って勢いで怒涛のおしゃべりをくりひろげた。
これをきっかけに、6月も7月も観劇の予定が決まっている。
コロナも5類になったことだし、また前のように会えるようになっていくといいな、
と心から思う。
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