ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

完成!障がい者グループホーム「心空(みそら)Ⅱ」

2019年02月27日 | 福祉

 

北海道秩父別町で昨年秋に着工した
障がい者グループホーム「心空(みそら)Ⅱ」がついに竣工し、4月1日にオープンします。

 

これはなんとしても見に行かねば、ともう一人のスタッフとともに現地を訪れました。

 

雪が深くて全体が見えないのが残念!

 

 

「心空Ⅱ」は一昨年秋にオープンした「心空」のお隣に並んで建っています。

 

この2棟は1階と2階の部屋数の合計は同じですが、各階の配分がそれぞれ違うので、形状が全く違います。

 

 

2棟目の設計にあたり、両方の建物の間を中庭のように使えたらいいな、と思い、双方の食堂が向かい合わせになるよう配置しています。

そうしたところ、理事長が、「暖かくなったらここにテントを張って焼肉パーティーをしよう!」とおっしゃっているのを耳にし、設計意図が伝わった気がしてちょっとうれしくなりました。

 

 

 

すっかり雪に埋もれていますが、向かって右側の窓の下のほうにはスロープが設置されています。

 

 

 

車椅子で利用できる部屋が増えたのをふまえて、玄関の段差も無くしました。

 

 

 

 

 

また、車椅子の使用とはいかないまでも、立ったままで靴を履いたり脱いだりするのがちょっと大変な方のための折り畳み椅子も設置しています。

 

 

 

「折り畳み収納イス OLIS~オルイス~」 (株)内外

 

 

 

折りたたむと邪魔にならないので、玄関がそれほど広くない一般のご家庭でも取り付けが可能。

100kgまで大丈夫です。

 

 

 

1階の6室の入り口はすべて車椅子の方が介助無しでも通ることができる幅です。

 

 

「おもいやりドア」 大建工業(株)

 

 

 

加えて、一番奥の一室は簡易防音機能がある引戸を使用し、壁、天井部分にも防音下地が施されています。

音にデリケートな方や、大きな声が出てしまう方たちがより快適にすごしていただけるように、との配慮からです。

 

 

2階の4室は一般家庭と同じ幅の引戸。

ただし、生活防音機能がついています。

 

 

 

この引戸は、このような施設に限らず一般住宅用としても、他の機能(防音下地など)と組みあわせて音の出るもの(楽器・機械類など)を扱う部屋の出入り口に設置したり、幅の狭いタイプのものを音が気になる場所にあるトイレのドアとして使ったり、とさまざまな使い方ができます。

 

 

hapia(ハピア)音配慮ドア大建工業(株)

 

 

住宅の新築やリフォームの際、検討してみてもいいかもしれません。

 

 

 

突き当りの部屋は、煙草を吸う方のための喫煙室。

 

この部屋の壁紙は消臭機能付き。

 

 

ファイン  ルームエアー(消臭)(株)サンゲツ

 

 

床材は煙草の火が落ちても安全なように、熱に対する耐久性のある床材を使用しています。

 

 

シガハードプラス 東リ(株)

 

 

 

入居者の方たちが暮らす個室は左右対称の違いはありますが、全室同じ間取りで約6畳。

 

 

 

 

とても日当たりが良い明るい部屋で、窓の前には遮るものがありません。

 

 

 

1階のトイレはもちろん車椅子での使用に対応しています。

 

 

 

 

お風呂はリフトが設置できます。

 

 

 

 

洗面台も車椅子対応。

 

 

 

ライフサポート洗面台タカラスタンダード(株)

 

 

車椅子対応の洗面台は各メーカーで対応していますが、高齢者向けの製品がほとんどのためか、ボウルが浅く、障害のある方が勢いよく水を出した時に水がはねてしまうことが多い、との声があり、一番ボウルの深かったタカラスタンダードの製品を採用しました。

 

 

 

ユーティリティの天井には物干し竿の高さが調整できる室内物干しユニット。

 

 

電動と手動がありますが、今回は手動のタイプ。

 

 

洗濯物を干していないときは、竿ごと天井に引き上げることができるので、スペースが有効に使えます

また、作業しやすい高さにまで自由に引き下げられるのでとても便利!

 

 

ホシ姫サマパナソニック(株)

 

 

 

2階への階段を上ると、ちょっとゆったりとしたホールがあります。

日当たり抜群のこの空間はフリースペース。

 

 

 

そして食堂。

 

 

開放的な広い入り口から中に入ると、光が差し込む大きな窓のあるアットホームな空間が広がります。

ほぼ同じ仕様の1棟目の「心空」の食堂は、いつでも人が集まっていてとてもにぎやか。

 

 

ここで提供される食事は、すべて地元の女性パート職員の方たちによってこのキッチンで調理されるいわゆる「おふくろの味」。

 

「だってそのほうが絶対美味しいから」と理事長はさらっとおっしゃっていましたが、民間の業者に給食を委託することに見慣れている私にはとても大切なことに思えます。

 

 

 

また、この規模(面積・階数)の施設において、法的には設置の義務が無いスプリンクラーも整備されており、安全面にも配慮が行き届いています。

 

運営するみなさんの、入居される方々への温かい思いが感じられる施設です。

 

 

さて、現在この「心空Ⅱ」では4月1日のオープンに向けて、着々と準備が進んでいます。

ご希望があれば施設の見学も可能です。

 

 

お問い合わせはこちらまで

 

<特定非営利法人 みらいのそら>

 電話 0164-34-5401

 

 

最後になりましたが

前回同様、今回もたくさんの方たちのご協力で無事竣工することができました。

 

 

北海道と千葉県という遠距離のため、打ち合わせが電話やメールになることが多かったにもかかわらず、丁寧に対応してくださった理事長をはじめとするスタッフの皆様、

直接の現場監理ができないため、代わって現場に通ってくださった(株)ユーキ・プランニングの皆様、

それぞれの立場で丁寧な作業をしてくださった、たくさんの工事関係者の皆様、

本当にありがとうございました。

 

またご一緒できる日を楽しみにしております。

 

<設計概要>

◆所在地  北海道雨竜郡秩父別町
◆建築主  特定非営利法人 みらいのそら
◆延床面積 284.87㎡(86.17坪) 
◆構 造  木造軸組み工法
◆階 数  2階建て (1階6室 2階4室)
◆設計者  晶設計室一級建築士事務所
◆監理者 (株)ユーキ・プランニング
◆施工者 (株)ユーキ・プランニング

 

 

 お仕事ブログも書いてます

おしごとブログ | 晶設計室 (sho-designroom.com)

 

 

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グループホームの現場見学❗12月の北海道のこと~最終日

2019年01月27日 | 福祉

北海道最終日のこの日は、もうひとつの現場、札幌から100㎞ほど離れた秩父別町で建設中のグループホームへ向かう

雪がヤバい💦



一昨年秋にオープンした「心空(みそら)」の隣に建つ、この春オープン予定の「心空Ⅱ」は、「心空」と同じく障がい者グループホームだ





この日は、ユニットバスの設置をしていて、手摺の位置を確認

前回の時は、理事長が以前に勤めていた施設とほぼ同じ仕様にしたけれど、今回は「心空」で実際に使ってみたスタッフの皆さんのご意見を聞いて、使用頻度の少ない手摺をとったり、位置を動かしたり、と少し進化した

このグループホームでは、身体的な障がいのある方たちと、知的な部分で障がい者のある方たちが共に生活する

いわゆるユニバーサルデザインと言われるバリアフリーの設備機器や建材は、高齢者や身体的な障害のある方たちに向けたものが多い

知的障がいのある方たちへの対応は、本当に多岐に渡り、スタッフの方たちの経験と臨機応変な対応で、ソフトを積み重ねている

建材、設備機器などのハードで対応するには限界があることをしみじみ感じながら、勉強させていただいている

スタッフの皆さんのご意見やご希望を受け止めて、次に繋げていきたい

2月の竣工が楽しみだ

途中、雪がやんだ時の景色が美しい




それにしても雪がヤバい、と思っていたら、帰りの高速道路が一部通行止めになっている、とスタッフの方が教えてくださる

私の帰りの飛行機のことを心配してくださり、飛行機の運行状況も含めて、わざわざネットで調べてくださったらしい

ご親切に感謝して、千歳空港に向かう

ホントに通行止めになっていたが、なんとか間に合った❗と思ったら飛行機も遅れていた

家に着いたら深夜12時を回っていたが、私はこの次の日堤真一さんが主演の舞台を、観に行かねばならない

盛りだくさんの北海道4日間

忙しく、楽しく、充実した毎日でした

皆様、お世話になりました💓


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