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オリエント世界(1)農耕の開始

2022年05月09日 | 高2用 授業内容をもう一度

古代オリエント世界 1万年前の世界

 今から1万年前に地球環境は激変しました。気温が上昇し、海水面が数10メートル上昇しました。これにより日本列島と大陸を結んでいた陸地は水没してしまいました。日本列島が誕生したわけです。日本列島に取り残された人々は、もともと、南から島々を伝わって、黒潮の魚を追って日本まで来た人々でした。島々が水没したため、彼らのカヌーでは南に戻れません。ナウマン像を追って大陸から入ってきた人々も、帰ることができませんでした。彼らが日本人のルーツと考えられています。
 一方、現在のイラクやイスラエルでは、温暖化によって【農耕】が始まりました。イラク北東部の【ジャルモ】やイスラエルの死海北岸の【イェリコ】にその遺跡を見ることができます。ジャルモ遺跡の住居跡から約200人程度の人口があったと考えられ、小麦、ヒツジ、ヤギなどを飼育し、床を掘って穀物を貯蔵していた。彼らは深い谷の上の村に住んでいたことがわかっています。イェリコは現在イスラエルの紛争地域としてニュースにしばしば登場する町です。このような農耕の始まりによって、人間の進化は急加速していきました。人々の生活は、それまで何百年も、何千年もまったく変化がなかったわけです。
 ところが、農耕が始まり、人々が定住し、安定した食生活が送れるようになると、人々の暮らしは急速に変化し始めました。ここから新しい人間の歴史が始まったといっても良いでしょう。この激しい変化は現在まで続いています。


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