近世以降のヨーロッパの戦争は鉱業地帯の争奪戟でもあった。とくに【アルザス・ロレーヌ】地方は30年戦争・普仏戦争・第1次世界大戦でドイツ(プロイセン)とフランスの争奪の的となり、【シュレジェン】地方はオーストリア継承戦争とそれに続く7年戦争でオーストリアとプロイセンの争奪の地となり、【シュレスヴィヒ・ホルシュタイン】は普墺戦争で争奪合戦が行われた。
フランス外相【シューマン】はこのような戦争をなくすために、工業原料の共有化を提案したのである。彼の構想の下で、1952年に【ECSC】(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体)が結成され、さらに58年には【EURATOM】(ヨーロッパ原子力共同体)が、59年には【EEC】(ヨーロッパ経済共同体)が結成された。これら3つの組織が発展的に統合され【EC】が【1967】年に成立するが、シューマンはECの生みの親ともいえる存在である。
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