長年、行きたいと思い続けていた五嶋みどりさんのコンサートにやっと行くことができました。
デビュー40周年記念のオール・ベートーヴェンのプログラムが5日間のシリーズで演奏されます。
五嶋みどりさんのコンサートに行くというと龍君の方じゃないの?とよく言われました。
ほんとうに才能と人間的にも魅力のある兄弟です。
一度龍君とファビオ・ルイージのウィーン交響楽団の演奏会があり、チケットを買おうと思ったら売り切れていました。
ブログで検索したらなんと12年前のことでした。恐いくらい早く流れる時間です。
今日のコンサートは今までのコンサートとは全く違っていました。音楽を聴きに行くというより、五嶋みどりさんに会いに行く
といった感じです。座席がRAで真横より少し後ろでピアニストの顔とばっちりあって、みどりさんがヴァイオリンを弾いている顔が
横からきれいに見えて、彼女が気持ちよさそうに喜びにあふれた表情がはっきり見えます。オケの時もそうなのですが、近い席だと
まるでオケの中にいるような感じがして、今回も五嶋みどりさんがすごく身近に感じられました。
彼女自身が40周年をかみしめているようでもありました。今までの人生をしみじみと振り返っているような演奏でした。
恩師のアイザック・スターンとベートーヴェンに捧げたコンサートでしたが、とても新鮮なベートーヴェンでした。
人間性が現れる音で、音楽が五嶋みどりさんを通って表現されるとこうなるのだと思うようなコンサートでした。
彼女のヴァイオリンの音が素晴らしくて驚きました。やさしい穏やかな音色なのです。
グァルネリ・デル・ジェス “エクス・フーベルマン”(1734年製)
11月9日 (水)
ソナタの夕べII
ピアノ: ジャン=イヴ・ティボーデ
ベートーヴェン:
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第5番 ヘ長調 作品24「春」
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第6番 イ長調 作品30-1
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第10番 ト長調 作品96
ソナタの夕べでスプリングソナタが入っているプログラムにしました。ピアニストとの会話を楽しんでいるような演奏でした。
最近はピアノが伴奏を越えていることが多くなりました。時にヴァイオリンがピアノに寄り添います。
気持ちがよくて寝そうになってしまい、もったいないと現実に呼び戻しました。
今回は音楽を楽しむというより、音楽と五嶋みどりさんの中にすっぽり入って行ってしまったような感じがしました。
五嶋みどりは演奏家だけではなく、音楽家を育てていて、社会活動もずいぶんされています。いつだったかドキュメンタリー
を見て、その飾り気のない人柄にひかれました。
帰りに本のプレゼントがありました。
コンサートで最後にひいた曲がメニューインとグールドでありました。
Gould & Yehudi Menuhin - Beethoven, Sonata No. 10 in G major op. 96 - Part 1 (OFFICIAL)
Glenn Gould & Yehudi Menuhin - Beethoven, Sonata No. 10 in G major op. 96 - Part 2 (OFFICIAL)
Nov. 9 2022