Reflections

時のかけらたち

半年ぶりの歌舞伎座 ・・・ Kabuki-za for the first time in half a year 

2022-06-20 23:57:53 | art

6月16日

入院で行けなくなった時もありましたが、今年初めての歌舞伎座です。

歌舞伎のいろいろな面を見た日でした。

この日は最初は仁左衛門と玉三郎で与話浮名横櫛だったのですが、仁左衛門さんが頭の帯状疱疹でカツラが
つけられないとのことで急遽演目変更です。有吉佐和子の「ふるあめりかに袖をぬらさじ」はシネマ歌舞伎でも
見たかったものなので、それはそれでいいのですが・・ 見たかったな~お富・与三郎

「ふるあめりかに袖をぬらさじ」も運よく見れたという感じですが、歌舞伎がカバーする演劇の広さと深さを
感じました。何より有吉佐和子という作家のすごさを感じました。見ていてまるで杉村春子が語っているように
思いましたが、あとから解説を見たら、有吉佐和子が杉村春子のために戯曲化した作品と聞いて、納得しました。

この作品をお富・与三郎の代わりに持ってきた玉三郎はすごい人です。膨大なセリフとドラマティックな流れ。
流れるような日本語がとてもよかったです。

何も予習していかなかったので、遠い席で見てオペラグラスも忘れていたので、最初声でお園が玉三郎と
思ったのに、花魁が出てきたらそちらかと思ったお粗末な玉三郎ファンです。

【六月大歌舞伎】
<第三部>
有吉佐和子 作 / 齋藤雅文 演出 / 坂東玉三郎 演出
ふるあめりかに袖はぬらさじ

芸者お園:玉三郎
通辞藤吉:中村福之助
遊女亀遊:河合雪之丞
旦那駿河屋:松之助
遣り手お咲:歌女之丞
浪人客佐藤:吉之丞
唐人口マリア:伊藤みどり
思誠塾小山:田口守
思誠塾岡田:喜多村緑郎
岩亀楼主人:鴈治郎

 

坂東玉三郎主演!シネマ歌舞伎『ふるあめりかに袖はぬらさじ』予告編

 

一つの事件が時の政治に利用されていくさまとそれを作り上げていく人間を描き、真実とは程遠い
所にもっていってしまった人の悲しさがコメディの中に流れていました。現代にも考えさせられる
見ごたえのある作品でした。

 

 

 

 

 

 

 

6月なので、最近ふと立ち寄ったお店で買ったアンティークの絽綴れの紫陽花の帯をして
見ようかと思い、塩沢を合わせました。
目白のLuncoはアンティークのお店なので長さは短いし、よく見ると擦れたような
傷があちこちにありましたが、何とか締めることができました。

 

 

 

 

 

最後は二人で。
かわいい鳥のもようについ目が行ってしまいました。おばあさまの帯にピーコックグリーンの
あざやかな帯締めが全体を引き締めてvividにしています。

江戸型染作家の小倉充子さんの作品を自分で仕立てられたとのこと。柄があるので難しそうですね。

 

人間の可笑しさ、悲しさを流ちょうな日本語に乗せて、玉三郎の三味線も素敵でしたが、最後の「みんな嘘なのさ」
というセリフが心に残りました。

 

参考)
玉三郎と有吉佐和子が放つSNSの呪縛を断ち切る処方箋!
ふるあめりかに袖はぬらさじ 坂東玉三郎 新派との合同公演に笑顔

 

June 16  2022  Ginza

コメント (4)
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