昨年録画してあった古い映画。今年の初め、骨折したころに見ていたのだと思うけれど、作品の概略だけ
忘れないようにコピーしておいたものをまとめておかなければと思いながらずっと放置してしまっていました。
このヒッチコックのモノクロ映画は映像も面白く、さすがのヒッチコックだと思いました。ヒッチコックでは「レベッカ」が
一番かと思いますが、「白い恐怖」はたぶん小中学生の頃、映画音楽が印象に残っていた映画でした。TVでやっていたのを
見たことがありました。「汚名」はタイトルしか知らなかったけれど、なかなかスリリングな映画でした。
白い恐怖
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アルフレッド・ヒッチコックが「汚名」(46)に先立って監督した1945年度スリラー映画。フランシス・ビーディングの原作を
「汚名」と同じくベン・ヘクトが脚色した。
撮影は「船乗りシンバッドの冒険」のジョージ・バーンズ、音楽はこの作品でオスカーを得たミクロス・ローザ担当。夢の場面装置は
シュル・レアリスト、サルヴァドル・ダリ
主演は「ジャンヌ・ダーク」のイングリッド・バーグマンと「白昼の決闘」のグレゴリイ・ペックで、「夢の宮廷」のロンダ・フレミング
「Gメン対間諜」のレオ・G・キャロル、ロシア出身の老優マイケル・チェホフ、「死の谷」のヴィクター・キリアン、ビル・グッドウィン
らが助演する。
1945年製作/111分/アメリカ
原題:Spellbound
配給:SRO=東宝
映画.comより
白い恐怖 Spellbound 1945
グレゴリー・ペックが初々しかった。ダリの夢の装置とかとても面白かったし。イングリット・バーグマンが演技派の女優であることを
認識しました。彼女がスウェーデン人であることは最近知ったのですが、なんとドイツ人と勘違いをずっとしていました。
父が大好きな女優さんでしたね。
精神分析がテーマだった映画でしたが、オープニングのシェイクスピアの言葉が印象的です。
The fault is not our stars
But in ourselves
過ちの理由は運命ではない
我々自身だ
精神分析については次のように語られていました。
これは感情の問題を解決する現代医学の治療法である。
分析医は患者から話を聞きだし、心の中の鍵のかかった扉を開く。
患者を苦しめていた問題が明らかに解決されると、病気と混乱は消え
患者の魂は解放される。
この映画の面白さは白い線の恐怖から、心の奥底にあった事実を引き出していく過程と
精神分析医のバーグマンが自分の心の扉を開いていく様子です。自分自身を発見していく過程です。
自分を知っていると思っていたが、まったく違う自分が現れてくる・・人を愛するということ。
誰もが自分を本当にわかっているとは言えないし、未知の自分があることも確かです。
バーグマンの英語は聴きやすいし、本当に美しくて理知的な感じがする女優さんです。
Scott Walker が歌うThe me I never knewもミステリアスで好きな曲ですが
知らない自分というところでは同じような感じです。
The me I never knew
Begin to stir sometime this morning
The me I never knew
Appeared without a word of warning
You smiled and you uncovered
What I had not discovered
You made me, seethed me
I never knew
The me I never knew
Has learned to love and love the feeling
The me I never knew
Can see a world I've been concealing
Today a new song's playing
The words are simply saying
"From now, I'll be the me, I never knew."
「断崖」「疑惑の影」のアルフレッド・ヒッチコックが「ガス燈」「ジキル博士とハイド氏(1941)」のイングリッド・バーグマンと
「独身者と女学生」のケーリー・グラントを主役として監督した1946年作品。脚本は「運命の饗宴」やヒッチコック作品「呪縛」の
ベン・ヘクトが書き下ろしたもので、撮影は現在監督に転じて名を挙げている「春を手さぐる」
等のテッド・テズラフで、音楽は「ママの思い出」のロイ・ウェッブが作曲した。助演はクロード・レインズ、「ゾラの生涯」の
ルイス・カルハーン、映画初出演の舞台女優レオポルディーン・コンスタンチン、「少年牧場」のモローニ・オルセン、かつてドイツ
映画の監督だったラインホルト・シュンツェルその他である。
1946年製作/アメリカ
原題:Notorious
映画.comより
Notorious (1946) trailer
ラブ・ロマンス×スパイのお話でしたが、今思うと何も残っていない。
ただストーリーの展開とか面白く、バーグマンが美しく、ケーリー・グラントもっとハッキリしろよ
と言いたくなるような映画でした。
ヒッチコックのメイキングは今でも充分楽しめるものでした。サスペンスの基本となっているのでしょうね。
映像がとにかくよかったです。