伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本 | |
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東洋経済新報社 |
アベノミクスで一般に知られるようになった浜田宏一イエール大学教授と経済評論家勝間和代氏の本である。この本、2010年7月に出版され、2013年2月に第2版が出ている。浜田教授がアベノミクスの後押しをしたため、売れて、急きょ増刷、と私は感じている。
内容は、デフレの止め方、インフレターゲット、デフレの歴史、デフレ脱却後の日本など、である。いつものよう、印象に残ったことを一つ書く。
金融緩和だけでは、デフレから脱却はしないという専門家が大勢いる。日銀がお札を印刷しても、銀行に積み上がる(これをブタ積みとうそうな)だけで、それが使われなかったら、何にもならない。過去の金融緩和もそうだったではないかと。
これに対して、浜田教授の解説はこうだ。話を分かりやすくするため、貨幣と国債とモノの3つだけの市場を考えて見る。日銀が国債を買い上げて、その代金として、貨幣を払うと、市中の国債が減り、貨幣が増える。すると国債の値段が上がり、貨幣の値段が下がる。貨幣の値段が下がるということは、モノの値段が上がる、すなわち物価が上昇することになる。というもの。
ただゼロ金利の中ではこれが十分に機能しない。貨幣も国債も代替が可能となるためだそうだ。そのため、日銀は短期の国債以外の資産を買い進める必要がある。しかし過去日銀はこれにずっと抵抗してきたそうだ。
読者の皆さん、わかりますか?マクロ経済学って、難しいですね。