「しんぶん赤旗」20日付、1面に「米大統領 米朝会談成功へ意欲」と他紙に見られない活字が躍っていました。 関連記事が5面にわたって掲載されました。 異例とも受け取れる扱いではないでしょうか。 そして、志位委員長の「日米首脳会談について」の19日の会見内容が掲載されました。 以下、会見内容を読んだ私の感想を述べさせていただきたいと思います。
志位氏は、今回の日米首脳会談の最大の注目点として、次のように述べました。
「トランプ大統領は、南北首脳会談で朝鮮戦争の終結を議題にすることに強い賛意を示した。 今後の一連の首脳会談で、朝鮮半島の非核化とともに、朝鮮半島の永続的な平和への道筋をつけることへの意欲を表明した」ことを挙げ、「最大の注目点」と指摘しました。
そして、「朝鮮半島の非核化と一体で、地域の平和体制の構築をすすめることは、わが党が要請した方向であり、理にかなっている」と強い期待を表明しました。
朝鮮戦争の終結について、今月6日に発表した6カ国協議の関係国への要請文では、次のように述べています。
「非核化を進めるためには、朝鮮戦争の終結をはじめ戦争と敵対に終止符を打ち、地域の平和体制を構築し、北朝鮮を含む関係国の安全保障上の懸念を解決することが不可欠です」
この点に関して、志位氏は「しんぶん赤旗」のインタビュー(15日付「日曜版」及び15日付、同紙「日刊紙」掲載)で次のように説明しています。
「米朝間では朝鮮戦争(1950~53年)が国際法上、いまだに継続しています。 休戦協定を結んでいますが戦争は終結していない。 そのもとで北朝鮮は『核兵器がないと米国から攻撃される』といって核・ミサイル開発に突き進んできました」
「私たちはどんな理由であれ核兵器開発には絶対反対です。 同時に、実際に非核化を進めようと思ったら、戦争状態に終止符を打ち、北朝鮮に『核兵器がなくても安全だ』と感じさせる環境をつくることがどうしても必要です。 具体的には、南北、米朝、日朝の緊張緩和・関係改善・国交正常化を進めていく必要があります」
「非核化を強く求めながら、それと一体で、『地域の平和体制』をつくる。 そのことによって初めて道は開けます。 両方を一体的に同時並行で進めてこそ、両方を実らせることができます。 そして、そのことは、『6カ国協議に関する共同声明』で、すでにいったん各国が合意していることなのです」
いま、その「歴史的チャンス」を迎えているのです。
志位氏は、安倍首相の対応について、次のように指摘しました。
「安倍首相は、トランプ大統領が対話に踏み出すもとで、それに従う姿勢をとっている。 しかし、日本政府として北朝鮮問題の解決に向けた主体的な外交戦略を持っていない。 このことが、大きな問題であることが日米首脳会談をつうじて浮き彫りになった」
同時に、拉致問題の解決に関連した安倍首相の発言について、次のように指摘しました。
「この問題は、 『米国頼み』では解決できない。日朝両国政府の交渉が必要になる。 この点では、安倍首相が、共同記者会見で、日朝平壌宣言に基づいて、核・ミサイル、拉致、過去の清算などの諸懸案を包括的に解決することによって、国交正常化への道が開けてくるとのべたことに注目している」
要請文では、次のように提起しています。
「拉致問題は国際的な人道問題であり、その早期解決は日本国民の強い願いです。 この問題を、05年の共同声明、日朝平壌宣言にもとづいて、核・ミサイル、拉致、過去の清算、国交正常化などの諸懸案を解決する包括的な取り組みのなかに位置づけ、解決をはかることを求めます」
日本共産党は、2004年1月の第23回党大会で採択した綱領第4章「民主主義革命と民主連合政府」の中で平和外交戦略を提起しました。 その内容は8項目にわたっています。 その第1に掲げているのは、次の点です。
「日本が過去におこなった侵略戦争と植民地支配の反省を踏まえ、アジア諸国との友好・交流を重視する」
そして、 第8項は、「社会制度の異なる諸国の平和共存および異なる価値観をもった諸文明間の対話と共存の関係の確立に力をつくす」
そして、2014年1月の第26回党大会では、4項目の「北東アジア平和協力構想」を提唱しました。
その第1項目では、次のように述べています。
「関係諸国を律する平和のルールとして、武力の行使の放棄、紛争の平和的解決、内政不干渉、信頼醸成のための効果的な対話と協力の促進などを定める北東アジア規模の『友好協力条約』の締結をめざす」
今回の「歴史的チャンス」を生かすためには、北東アジアにとどまらず世界の国々が非核・平和と人類の進歩のために、各国政府と政党の積極的な役割と活動が強く求められていると思います。
日本共産党は、日本の1つの野党ですが、「自主的、主体的外交戦略」を掲げ、野党外交を展開しています。そうした活動が今回の「要請文」につながっていると思います。
来週、4月27日の南北首脳会談が大きな成果を挙げ、米朝首脳会談へと発展することを心から期待しています。
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