女中アモンの危機

裸足の娘女中アモンはメダン宿舎で両親と家族3人の住み込みです。

彼女はおとなしい性格で、別に交代させるような苦情が出ている訳ではありません。
B所長を除いては・・・。

彼女に向上心が希薄なのは確かではあります。
冷蔵庫に古いものを残していたり、洗濯物の下着を間違えたり、部屋から時々ヒステリックな声が聞こえたり・・・。

B所長が注意すると弱々しく「ヤアー、ヤアー」と言って口答えは決してしません。

きっと食べ物はもったいなくて捨てれないし、着る物は家族共有なのです。子供に長い間会えないストレスもありましょう。　　
精神的に弱いところをB所長は危惧しているのかも知れません。

彼女ら3人家族はセットなので一人が抜ければ総とっかえです。　しかし、これだけ日本料理のできるコック（母親）はザラには居ないでしょう。

料理がとても美味しかった時に「エナッ、スカリ（ネシア語でとても美味しい）」と言うと「ヤアー、ヤアー」と彼女の黒い顔がニコニコします。

女中アモンの危機はまだまだ続きます。

幸せになる花

トバ湖湖畔にあった「幸せになる花」です。
現地調査に一緒に行ったイリゲーションのおじさんが教えてくれました。

花の名前は忘れました。

その時はとても幸せとはほど遠い状況だったからです。
プロジェクト反対派に調査をとがめられ、ポリシやチャマット（郡長）らに取り囲まれ、予定の半分で明日帰らなければならなくなったからです。

囲まれたのは水田の民家にヒアリングしていたおじさんチームでした。
我々の車のナンバーもしっかり控えられていたようでした。

ポリシをも動かせる大物が反対派勢力にいたのです。

避暑地トバ湖

現地スマトラの唯一の観光地と言われる「トバ湖」です（良い写真がありませんでした）。　ヨーロッパからの観光客が良く訪れるようです。

感じとしては同じカルデラ湖である「十和田湖」のイメージです。静かで気品が高く、大きな包容力があります。

すぐに水深が400mになり、中央に島があります。

現地調査ではここのコテージに宿泊しましたが、避暑地で夜は寒いくらいなのにお湯が出ませんでした。

しかし、この湖畔で「幸せになる花」というのを見つけました。

目に見える援助

日本領事館で新年のパーティがあったあと、急に関係が進みました。

メダンのプロジェクトの現地に日本の援助で学校を３つほど建てたらどうか、という提案です。

目に見える分かりやすい援助です。

インドネシアは貧しくても就学率90％である、と聞いたことがあります。

病院や診療所が有効な気もしますが、ゴトー先生がたくさんいないと十分に機能しない難しい面もあります。

今、現地には測量や環境調査隊などが改築宿舎に住み込みで仕事を始めています。
1件しかないパダン料理の食堂は活況を呈し、ローカル作業員たちの新たな雇用で、静かなはお祭り騒ぎになってきました。

＊写真は、の中心に架かる橋。かなり急流であるため、この付近で「ラフティング大会」が行われるらしいです。看板が見えます。

ジャングルでの感動

現場は北スマトラ島の山中にあります。メダンから車で6時間はかかります。
現場調査の3日目の出来事です。

プロジェクトの終点付近の道路調査をしている時にの老人が声を掛けてきました。

「日本人かい？　また仕事があったら手伝うよ。」

この人は25年前、当社設計のダム建設に関わり、今もその時もらった感謝状を「家宝として大切にしている」というのです。

こんな場面に出会うと　「国は違えど心はひとつ」　とガラにもない感動が沸いてきます。