「誰ですあれは?」
「ついに現れたか」
あいつは400年に1度現れるという。
伝説の代打。
永久登録選手。
奇跡の夜にだけお目にかかれる隠れスター。
「すごい健康寿命ですね」
切り札としての意識は並ではない。
その時に備えてあらゆる欲望を制御し、自身の力を保っている。より一層の努力を惜しむことなく、技術を高め常に磨き込んでいる。
「……さん。お願いします」
「監督が敬語なんて……」
立ち上がる大打者。
特別なオーラがベンチを制圧している。
「代打を!」(彼がホームランを打ったら10点ください)
「あいわかった」(メリークリスマス♪)
主審が快く提案を受け入れ、一発逆転の可能性が膨らんだ。
「あのユニフォームは……」
見慣れないデザインに、スタジアムがざわめいている。
「まわりまわって新しいですね!」