眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

ジャズとテレフォン

2020-12-17 18:23:00 | オレソン
1杯のコーヒーを飲むために
人はどれだけ歩けるだろう

ワンコインで手に入れた
俺だけの創作テーブル

「お時間、今大丈夫ですか」

天井からのジャズに紛れて
あいつのテレフォン
俺の意識を持っていく

2人のおしゃべりは無視できるのに
独りの声を聞いてしまう

あー
はい
本当ですか
 いや、何が

個人的にはしたいのですが……
もしいらっしゃるのでしたら……
チームが無理ならやめといた方が……
保護者の方が
 あんた、先生かい

閉じたままの
DM100
オレンジのA6

エナージェルが呼吸している

ジャズの隙間からあいつのテレフォン
俺は自分を保てない
(本当は聞きたくない彼女の声)

あー
はい
そうだったんですか
 いや、何が?

もしも何かあったら……
 何かって何?

因みになんですけど……
 いや、何が?

なるほど
 いや、何が?

それはうれしいです……
因みに年末年始……
どの日から始まる……
 いや、来年の話か

ため息をつくコーヒーの横で
閉じられたポメラが鼾をかいている

すべての生は呼吸だろう

ぜひお願いします……

お互い様ですので……

いや、誰が?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【短歌】ポメラ・スター(ひきしめよう)

2020-12-17 07:04:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
開かれたポメラの中を流れ行くモチーフ今夜星になれない

キングジムポメラを閉じて上に置くケンタッキーのホットコーヒー

閉めたポメラをもう一度開く時新たな詩情バードの巣立ち

盟友のポメラを背負い街に出るモスバーガーは20分先

酔いどれの愚痴を弾いて眠たげに傾くポメラ130度

打ち込んだポメラの上の指先が夢見るいつか星になりたい

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月のシュレッダー

2020-12-17 03:23:00 | オレソン
ミッション
「手が空いていたら……」

今夜も俺
手が空きすぎている

グローブつけてつかむ
白と黒との紙の束
千切って千切って
千切って
指が痛くなるまで

本当は
ポメラに
タッチしたかった

機械なら
もっと上手くやるだろう
繊細に抜かりなく
少しも弱音を吐かないだろう

雪じゃない

ゴミ箱の周り
いつかの旅の名残が
こぼれ落ちている

今夜も俺
繰り返し繰り返し

(手が空いていたら)

覆せない条件が
終わりのない夜へ
引きずり込む

レディオから
ハッピー・メリークリスマス
歌っても歌っても

この街に雪は降らない

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする