眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

ミス&ゴー

2020-12-02 23:17:00 | オレソン
ちっぽけなサークルに
集合の呼び声
俺たちみんな名前も知らない
レッド、ブルー、イエロー、グリーン

即席のチームとなって
散らばる人工芝の上
戦術はフリーダム
笛が鳴ったらボールがすべて

ミス&ゴー
寄せ集めのフットボール
誰も責めずに行ければいいね

審判のいないアラクレ・プレー
倒されたなら立ち上がるだけ

どこから来たか誰も知らない
猛者が決める当然のようなゴール
喜びの輪はどこにも広がらない

パスを知らないドリブラー
前線に立つ俺に
「どけ!」と叫ぶ
味方も敵もわからない
エゴイスティック・ドリブラー
お前となんて組めないぜ

個人的な思いを秘めて
Aコートに集まってきた
ある者はスキルを磨き
ある者はボディを絞る
ある者はメンタルをコントロールする

俺はゴールが欲しかった
ささやかにすぎる成功体験
ゴールのない夜は呪われた夜だ

21時のサイレントプレー
パス&ミス
ミス&ゴー
近隣住民がうるさいぜ

外れたミドルを回収した
ゴレイロのゴールキック
どうして手で投げないの?
フリーの俺が見えないのか

狭いピッチはトラップがすべて
一瞬離れたボールはかえってこない
難しい局面で
あいつは俺につけてくれたな
いい奴じゃないか
信頼は忘れた頃にやってくるものだ

ミス&ゴー
一夜限りの個人的フットボール
誰も責めずに行ければいいね

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教えて!総理

2020-12-02 04:09:00 | ナノノベル
「それでは未来の総理、答えられる範囲でお願いします」
「どうぞお手柔らかに」

「もしも無人島に持っていくとしたら?」
「そうだな。炬燵とみかん、ポメラ、ラジオ、プレイステーションかな」
「総理、1つだけ」
「えっ、1つなの。じゃあラジオだ」

「明日の天気予報は聞かれましたか?」
「それは聞いてない。晴れるといいね」
「もしも雨が降ったら、その時は傘をさされますか?」
「どうだろう。少しくらいの雨なら濡れていくかもしれないね。でも、明日は晴れたらいいけどね」

「もしもビートルズがいなかったら、その後の音楽シーンはどのようになっていたでしょうか?」
「難しい質問だ。ビートルズにかわる者が現れて、ビートルズのような役目を果たしたかもしれない。今とは全くかけ離れた形に発展していた可能性もあるが、いずれにせよ私が語るには限界のあるテーマだ」

「総理、好きになってもいいでしょうか?」
「えっ、私を? それは照れるね。わるくないけど」

「もしも地球の気温がどんどん上がっていったら、その先はどうなるでしょう?」
「そうならないようにまずは全力を上げるべきだ。だけど、もしもそうなったら、地球規模の引っ越しも視野に入れることになるだろう。火星は有力な候補地と考えられる」

「総理は想像力を大事にされていますか?」
「勿論です。もっと持ちたいと常に考えている」

「もしも、すべてが夢だったとしたら?」
「今とそう変わりませんね。やはり全力を尽くしたい」

「総理、今日はお疲れのところありがとうございました!」
「いえいえ、また何でもきいてください」

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