眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

ノー・ディッシュ(3秒の約束)

2020-12-03 13:22:00 | ナノノベル
「知ってるよ。あんたたちは地面に落ちた物は食べないんでしょ。それをこっちには平気で投げてくるよね。なに? 皿を出すのが面倒くさいの?」
「大丈夫。君は3秒で拾うから」
「えっ、プレッシャーかけてるの?」
「人と獣、信じ合えばこそだよ」
「信頼って」

「ほれ!」
「おー、きた!」
「ね」
「3秒もいらん。1秒じゃ!」
「やっぱり速いじゃない」
「もう1つよこせ!」

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【短歌】かまぼこエビデンス 和歌、折句、いかがですか

2020-12-03 04:24:00 | 短歌/折句/あいうえお作文

エビデンス

鬼にしるして

待っている

犬猿キジと

赤いはちまき

(折句「エオマイア」短歌)




勝ち誇るりんごの顔を札にして
ラザニア食べたワークホリデー
(折句「カリフラワー」短歌)


吹かれてもロトを気取ったつよがりな
コートの下にリーのTシャツ
(折句「ブロッコリー」短歌)


蒲鉾と世界の淵を漂えば
着想枯れて塗り壁にドン
(折句「風立ちぬ」短歌)


そんなこんなでここにいるかりそめの
白雪姫とコーンフレーク
(折句「そこかしこ」短歌)


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ねー(ミスタッチ)

2020-12-03 03:43:00 | 夢追い
 倉庫へ続く道が壁になっている。ボタンは2つ、右か左か、どちらかが正解だ。少し迷って右にかけてみた。開かない。嫌な予感がして、その場を離れた。

「地下1階で火災が発生!」
 周囲がざわついていた。
「うそです! 僕が押しました」
 皆がいたい者を見るような目で僕を見た。
「電話をお借りします」
 司令部に連絡したかった。教えられた通り2番を押すとすぐにつながった。
「ささやま商事です」
「失礼しました」
 司令部にはつながらなかった。どうもおかしい。近くの人にもう一度教えてもらう。
「任意の2文字です」
 か、な、と押して待った。しばらくしても呼び出し音に切り替わらない。ずっと無音の状態が続く。待つことが苦しくなって、僕は周囲の人に説明を始めた。

「ボタンが2つあったんですよ。正解はソフトな方じゃないんです。カチッと押す方。カチッと押す方が正解なんですよ。書いといてほしいですよね。ねー……」

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はんこください

2020-12-03 03:17:00 | 【創作note】
ラジオドラマを聴くように

目を閉じたままドラマをみていた

みなくてもわかる

あなたの演技に間違いはない

あなたの世界を

僕は信じている


漲っていた
鬼を描く筆力は
どこへ行ってしまったのか

ほんのひと時だけ主役になる
その間だけとらえようとして
鬼に近づけるものか

形は色は声はどんなだった?

もう 君は外に出て行った


人生は楽しむために?

楽しみを実行に移したら
空を切っている時がある
虚しさが押し寄せることがある

「楽しむ」よりも「楽しみにする」方が
しあわせ/気楽 なのかもしれない


注文したコーヒーは
そっとカウンターの上に置かれ
彼女は少しもこちらの方を見てもいない
手を離れた瞬間
ミッションは終わったのだ
もう客でも何でもなくなった
何でもないから人でもない


ミルクの甘さに怯えながら
1つ詩をアップすると
1人の訪問者が認められた
血の通った人間であれば
少しうれしい


また安易に書いてしまった
早く楽になりたかった

もういいんだ
これでいいんだ

全部を許して 次へ行きたい

だから神さま 

はんこください

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ナイト・カッター

2020-12-03 02:25:00 | オレソン
今夜の俺
紙を千切ってる

いつかの名前
いつかの旅

今夜の俺
手が空きすぎている

スポティファイから
ローリングストーンズ

スケボーも走らない
ストリート

あふれていたのはスタバばかり

ポメラに触れる頃
指は震えてしまうかも

今夜の俺
紙と破壊的に
向き合ってる

走るでもない
滲むでもない
ただ破り捨てるため

いつかの君
いつかの旅

ゴム手袋の中
汗ばんだ親指が
所在をなくす

先のみえない夜

こんな仕事
いつまでも続かない

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