1つのタッチにかけられる
時間はいつも決まっている
誰かが秒を
読んでくれるわけではないから
肌でそれを意識しながら
脳内にあるモチーフを
整理し、分裂させ、
流れを生み出すことに
集中する
オフタイマーが働いて
ポメラが目を閉じてしまったら
その時は僕の負けだ
・
落ちたミルクが広がっていく
偶然を追うように吐き出していく
自分の中にいることは苦しいから
ただどこへでも
放出することに満足する
気休めの共感が吹けば終わり
急速に過去に向かう
そこは誰も自分も興味のない場所
「あなただけにみえています」
恐ろしくやさしいアドバイス
「色々と多すぎるかもしれません」
だから多くの読者からみえないのだろう
見栄、常識、良心、野心、メルヘン、ポエム、
404、一駅、とは、また、乾杯、こんな、学校、
おどろき、画像、テクノロジー、小説、コラム、
日記、エッセイ、つくるのは、たのしい、熟成、
下書き、何を、どれだけ外せばいい……
もっと純粋に、もっとシンプルに、もっと、もっと、
書くだけおかしくなっていくけれど
それでもまた
新しい言葉を吐き出さなければ
僕はここにいる
存在証明が失効する
時間がだんだん迫ってくる
・
まな板のように伏せたポメラが
かけて行く僕の指先を待っていた
今夜ポメラは空も飛べるけれど
魔法を
理解しない者
信じない者
馬鹿にした者
端から疑ってかかる者
そうした勢力が醸し出す空気が
ポメラの翼を萎縮させている
その者たちを改心させる
力は持っていないけれど
なあ ポメラ
僕一人 強く思えばどうかな