い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

間引き運転をする理由

2013年02月12日 18時02分26秒 | 鉄道員の愚痴
今夜遅くから雨が降り明朝は雪になるようです。
ウェザーニューズによると、都心部では積もることもなく交通に大きな影響はないようですが、予報より悪くなることを想定して備えと行動をしましょう。

2月6日、JR東日本は大雪の予報で前日のうちから間引き運転を決定したのでしょうか。
間引き運転に対してさまざまな意見・評価があると思いますが、理由をご紹介します。


1998年(平成10年)1月8日の大雪のことです。都心で15cm、横浜で20cmの積雪を記録しました。
各地でポイント不転換(切り替わらなくなる)が発生したほか、雪の重みでパンタグラフが下がり故障したり、架線との間にアークが発生し架線溶断が続発しました。
こうして夕方から運転見合わせが相次ぎ、駅間で停車した列車でお客さまが非常用ドアコックを扱い、線路を歩いてしまう事態が多発し翌朝まで混乱が続きました。

この教訓からポイントのヒーター増設やパンタグラフのバネの強化を行いましたが、運転見合わせを完全に防ぐことはできません。
運転見合わせが発生した際、あの大混乱を再び発生させないためには駅間での停車を防止することが重要です。そこで駅の数より少ない本数しか走らせない=間引き運転を行うことにしました。
また前日中に間引き運転を決定することで早いうちからお客さまに周知することにしています。

以上の通り、駅間で長時間停車することによる混乱を未然に防止するために間引き運転を行っています。
しかし、2月6日は予報が外れほぼ雨だったにも関わらず間引き運転を実施したため、朝のラッシュは大混雑してしまいました。
降雪時の対応は各社によって異なりますが、過去の苦い経験があり間引き運転を実施をしていることを知って頂けると幸いです。