い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

プールと花火大会

2015年07月26日 22時51分04秒 | 鉄道員の愚痴
今日は東京都心で35.8℃を記録し、今シーズン初の猛暑日になりました。連日の暑さで本当に体調を崩さないか心配です。
仕事中も安全に影響のない範囲で水分補給をしてします。見かけてもネットで悪者扱いで公開しないでくださいね。

この暑さで沿線に見えるプールは大変賑わっています。子どもたちは元気なもので、この暑さの中でも楽しく遊んでいます。
1日たっぷり遊んで帰る際も疲れ知らずで、友だち同士で元気にお喋りやふざけあっています。(ホームや車内でのおふざけは度が過ぎないようにお願いしたいところですが…)
自分にもそんな時代があったはずですが、いまはそんな体力はありません。

夏の風物詩といえば花火も欠かせません。夏休みに入り各地で花火大会が開催されます。昨日は隅田川の花火大会でしたね。
乗務中もタイミングが合えば見ることができます。決して長い時間ではありませんが、人混みとは無縁の乗務員室から見る花火は気持ちがいいものです。

花火が見えるということは、多くの観客が鉄道をしてご利用いただくことです。
会場最寄りの駅では大勢のお客さまな対応するため特別体制を組みますし、臨時列車が走れば我々乗務員が担当します。駅も乗務員も本来休みの人が担当したり、本社から応援がきたりします。
こういったイベント対応は、不慣れなお客さまも多いですから普段のラッシュとは違った注意が必要です。

IC乗車券の普及で券売機の混雑は解消傾向ですが、代わりに増えたのが自動改札機で入場の際に残高不足で引っかかってしまうケースです。
会場に行く前にあらかじめチャージをしてスムーズに入場できますようご協力いただけると助かります。

姫路の駅そば

2015年07月24日 16時49分39秒 | 旅行記
昨日は金沢から途中九頭竜湖に寄り道しつつ、北陸本線を上り近畿圏に入りました。
奈良線・和歌山線・阪和線と乗り継ぎ大阪へ。

今日は、加古川線・福知山線を経由したのち、ひたすら東海道本線を東に向かっております。上りのムーンライトながらが明日から運転開始のなので在来線を乗り継いで帰路についています。

今朝は加古川線に乗る前に少し足を伸ばして姫路で朝食を食べました。
有名な姫路の駅そばです。
加古川駅にも店はあるのですが、やっぱり食べるなら本場で、ということで少し早く起きてやってきました。

つゆはしょっぱいのですが、姫路に来ると無性に食べたくなり、時間があるときは必ず食べています。
ぜひみなさまも姫路にお越しの際は食べてみてください!

さて、いまは211系6両トイレなしの列車です。
211系となれば嬉しいものの、熱海までの2時間半トイレを我慢しないといけません。

北陸新幹線完乗

2015年07月23日 09時06分10秒 | 旅行記
昨日、仕事が終わってから北陸新幹線に乗って金沢にやってきました。



今年3月、金沢まで開業した北陸新幹線ですが、まだ乗っておらずJR全線完乗記録を更新できておりませんでした。開業ブームが落ち着いた頃にと思っていたのですが、やっと完乗を果たすことができました。
といっても夜の列車でしたので外は真っ暗で、ただ乗っただけになってしまいました。新幹線の各駅巡りは別の機会にゆっくり来たいと思います。

さて今日はすでに金沢をあとにして、北陸路を西に向かっています。

梅雨明けで酷暑

2015年07月22日 23時13分44秒 | 鉄道員の愚痴
7月19日に関東地方の梅雨明けが発表されました。例年よりも2日早い梅雨明けだそうです。
6月~7月頭までは涼しい日が多く服装にも苦労していましたが、トリプル台風の頃から気温が上がり夏らしくなりました。いや、酷暑がやってきました。
蒸し暑く、最高気温が35℃前後の日が続いています。みなさん体調を崩されてないでしょうか

車掌は列車に乗っているから涼しいと思ったら大間違いです。
各駅でホームに降りて乗降の確認を行います。各駅停車だと2分ごとに行う計算になります。空調の効いた車内と酷暑のホームを2分毎に行き来します。また、駅の到着と発車の際はホームの安全確認をするため片手は外に出します。
このように乗務中は急激な温度変化を繰り返すのですから身体にいいとは言えません。

私も先日、汗が出ず体温が下げられない状態が続き、軽い頭痛と少し集中力が続かない状態になりました。乗務中も水分補給をしていましたが、軽い熱中症になっていたのだと思います。
激しい運動をしなくてこの状態ですから、ずっと直射日光に当たっていたり、激しい運動が伴えばいつ熱中症になってもおかしくないわけですね。高校野球の選手を見ていると、辛い中よく頑張っていますし、体温を崩さないか心配になります。

まだ身体が暑さになれていないですから、過信したり無理をせずに水分と塩分の補給を心掛けるとともにエアコンを適正に利用していきたいですね。

台風11号―近畿圏のJR麻痺

2015年07月18日 23時44分21秒 | 鉄道員の愚痴
台風11号は四国・中国地方を縦断していきました。強く・大きく・遅いが特徴で、交通機関をみてみるとJR西日本の近畿圏が昨日・今日の2日間にわたり麻痺しました。

昨年、JR西日本は計画運休を行い、一定の理解と評価があった半面、私鉄各社が運行されていたこともあり批判も受けました。
今回、内部で計画運休が検討されたのか存じませんが、計画運休を実施せず駅間で長時間停車する列車が続出しました。

関東人の私は主にJR西日本公式ページの運行情報で情報を見ていましたが、長時間にわたる大雨により雨量計が規制値を超えたことと河川の増水が運転中止の原因のようです。
どちらも雨が降っている間は規制が解除されません。たとえ雨が止んでも地中の水分が引くまでは規制は継続されますし、河川の増水も上流の降雨も影響するため水位が下がるのには時間が掛かります。

報道で利用者の声として鉄道会社を非難する声が必ず取り上げられます。異常時に満足いく説明や対応ができないことも多々あると思いますが、安全が確保できないから運転を見合わせいることはご理解いただきたいと思います。
降雨による規制は土砂崩れのおそれがあるため、河川増水は水位が上がり線路が冠水したり洗掘により橋が流されるおそれがあるために設定しています。実際に被害があることは少ないですが、万が一の事態を避けるためです。

駅員や乗務員は十分な休憩も取らずずっとお客さまの応対をしています。
保線や設備関係の社員は規制値を下回ってから運転再開に向けて少しでも早く点検を行う準備をしています。
車両を管理しているところでは滅茶苦茶の車両運用をどうするか、この先数日間は調整に追われます。
指令員も不眠不休で各所に指示を出したり今後の対応について協議をしています。ずっと怒号が飛び交っていたはずです。
本社などは現場に応援要員を派遣したり、全体を把握し指示をだしています。

明日以降、JR西日本の対応についてマスコミに取り上げられるかもしれません。結果論になりますが計画運休をしていれば車内で長時間缶詰め状態になることはなかったはずです。
私がここで計画運休について是非を語るつもりはありません。人的被害や事故がなくて良かったと思いますし、対応にあたった鉄道員のみなさまにはお疲れさまと言いたいです。

列車火災発生時の対応

2015年07月07日 23時14分41秒 | 鉄道員の愚痴
東海道新幹線の焼身自殺事件をきっかけに鉄道での火災について注目されています。
今日は列車で火災が発生した時にどう対応するか、もう少し詳しくお話しいたします。

火災が発生した場合、列車を地形等を考慮しトンネル・橋梁を避けて停車し、お客さまの避難誘導と消火活動を行うのが基本です。
北陸トンネル事故では、当時の規定に従ってその場=トンネル内で停車したために被害を拡大させました。その教訓と燃焼実験の結果から火災発生時は「トンネル外へ脱出」するように改められました。
(地下鉄やトンネル内に駅がある場合は次の駅まで走行します。)

今回の東海道新幹線でもトンネルとトンネルの間で停車したましたが、これも運転士がマニュアルに従って対応したからだと思います。


では乗務員は火災をどのように知るのでしょうか。
車内巡回などで自ら発見する他はお客さまから情報がないとわかりません。お客さまが直接乗務員に伝えて頂くか、車内にあるSOSボタン(車内通報装置、車内警報ブザーなど呼び方は様々です)を押して知らせてください。新しい車両は通話機能があります。
このSOSボタンが押されたらまず火災を疑うことと教わりました。火災時にそのまま走り続けることは危険ですからSOSボタンが押されたらトンネル・橋梁を避けて停車します。

停車後に現場を確認し、消火活動をします。
各車両に必ず消火器が備え付けてあります。消火器で初期消火できる目安が網棚の高さです。炎が網棚の高さよりも大きい場合は初期消火できないと判断し、すぐにお客さまを避難誘導します。
避難は火災の車両よりも前の車両または2両以上後ろの車両に誘導しますが、トンネル内で動けなくなった場合などは車外に避難しなければならいときもあります。

以上が火災発生時の基本的な対応です。
乗務員は現場の状況からどう対処すべきか迅速に判断しなくてはなりません。
今回のようなケースは極めて異例ですし、列車火災は滅多にあるものではありません。車両は燃えにくいですから落ち着いて係員の指示に従って避難をお願いします。

東海道新幹線焼身自殺事件

2015年07月04日 16時44分15秒 | 鉄道員の愚痴
いつの間にか7月になってました。今年も折り返し点を過ぎ、半分になってしまいました。
夏至も過ぎ、ちょうど一番陽が長い時期から少しずつ短くなっていきますね。
夏はこれから本番です。台風が3個同時発生しており来週は天候が心配ですが、体調に気をつけていきましょう。

今日は東海道新幹線での焼身自殺についてです。

6月30日、東海道新幹線の車内で男がガソリンと思われる液体を被り火を点けて自殺しました。煙を吸い込んで女性の乗客が巻き込まれ死亡しました。
事件発生直後からテレビ局が中継するほか、翌日以降も大きく取り上げられました。犯人には強い憤りを覚えますし、亡くなられた女性にご冥福をお祈りいたします。

同じ乗務員として報道で映る乗務員が現場の対応や救護にあたっている姿に目がいきます。煙が充満し十分に呼吸ができない車内に入っていく姿やデッキでお客さまに声を掛けている様子です。
様々な訓練を受けていますが、あのような事態を想定した訓練はまずないと思います。火災について専門的な知識がなくても現場最前線でお客さまのために行動しなくてはならないのが我々の仕事です。
当該列車では乗客への情報提供が十分なかったという声がありますが、乗務員が現場の対応・救護を行っていた証ではないでしょうか。

鉄道車両については厳しい基準があり、難燃・不燃の素材を使用しなければなりませんが、タバコなどを想定しているはずでガソリンがまかれ火を点けられても全く燃えないわけではありません。
今回も火元の近くシートや屋根は焼けているようですが、難燃・不燃の素材が功をそうし車両全体にに燃え広がることなく、そのまま運転できたのだと思います。煙がより酷かったようです。

鉄道車両の火災対策は、桜木町事故、北陸トンネル事故など過去の悲惨な事故を教訓にしています。近年では、2003年の韓国地下鉄火災を受け、貫通扉を常時閉じる構造にすることで隣の車両への延焼を抑えるように国土交通省令の解釈基準が変更されています。

乗客の焼身自殺という鉄道側に原因があるものではありませんが、巻き込まれ死亡されたお客さまがいる以上、このままでいいとは言えません。
排煙を含む火災対策の強化と危険物が持ち込まれ悪用されるのをいかに防ぐかが重要です。社外でスプリンクラーの設置、乗務員を増やす、手荷物検査の実施を叫んで解決するものではありません。

よく「まずは自分の身を守れ」と言われますが、ときには危険を承知でたった一人で職務を全うしなければならないのも乗務員の仕事です。
列車の運行の責任を負い、一生のうちに一度あるかないかの事態にもしっかり対応できる乗務員。自らがそうなり、後輩たちを育てていかなくてはなりません。