い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

見習い車掌育成記vol.1

2016年10月26日 13時05分29秒 | 鉄道員の愚痴
今期の新人車掌の養成において私が指導者(師匠)になったことは先日ご報告した通りです。
私が車掌の見習いだったのが2008年(平成20年)ですから8年前のことです。教わる立場だった私がこんどは教え育てる立場になったわけです。

車掌の養成スケジュールは、まず研修施設で約1ヶ月の机上教育を受けます。机上教育では、運転に関する仕組みやルール、車内放送などを学びます。
机上教育を終えると乗務員職場に配属され、乗務実習として指導者と一緒に実際に乗務しながら担当線区の注意点や取り扱いなど、車掌の業務を身につけていきます。乗務実習は約1ヶ月半〜2ヶ月かけて行います。
この乗務実習を担当するのが私のような指導者です。乗務実習はまさしくOJTそのものです。
乗務員では基本的に見習いに対しずっと同じ指導者が担当しますから見習いにとって私が教えたことがすべてであり、どんな車掌になるか、すべて指導者に懸かっています。

見習いにとって乗務実習の初日は一番緊張します。いままでの業務とはまったく違うことを実際の列車で学ぶわけですし、勤務形態も大きく変わります。
初日は師弟の顔合わせからはじまり、乗務の準備、点呼のやり方を一から教えます。初日は一通り説明しながら私が実際にやってみせます。
休憩中はプライベートとの話もして緊張を和らげるとともにお互いのことをよく知ることも欠かせません。幸いにも私は趣味や嗜好が合ったため早い段階で打ち解けたと思います。

こうして見習いの乗務乗務初日が始まりました。
これから「見習い車掌育成記」として見習いと指導者の様子をお届けしていきます。よろしくお願いします。

ブログ開設4000日を迎えました

2016年10月25日 23時40分57秒 | 日記
みなさま、こんばんは。
本日、当ブログは開設から4000日を迎えることができました。
これもご覧下さっているみなさまのおかげです。ありがとうございます。

高校3年生であった2005年11月12日に始めたブログもまもなく11年を迎えようとしています。
私は高校を卒業してとある鉄道会社に入りました。駅員、車掌と経験し、今年は見習いの車掌の指導を担当するようになりました。入社同期の仲間は運転士やさらにその先のステップに進んでいます。

結婚のけの字とも無縁で相変わらず私は自由きままな生き方をしていますが、昔のブログを見返すと大変恥ずかしい限りです。
細々とマイペースなブログゆえあまりお役に立てておりませんが、コメントを下さる方もおりますしこの先もgooブログサービスが廃止されない限りは継続していくつもりです。

昨今、鉄道会社社員の不祥事が数多く報道されており、世間の目もより一層厳しくなっています。
中の人として思うことは多々ありますが、それは「我々の常識は世間の非常識」ですから簡単に通用するものではありません。
好きでこの業界に入り、好きな仕事をやっているわけですから誇りをもっています。ですから外から見て指摘されるような仕事はしたくありません。
コンプライアンスなどもありますが、今後も問題のない範囲で仕事のことやプライベートの様子をご紹介していきます。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたしす。
簡単ながら開設4000日のお礼とさせていただきます。

JR北海道の存続問題から考える鉄道の役割

2016年10月17日 18時26分29秒 | 鉄道員の愚痴
明治5年、新橋〜横浜間に日本初の鉄道が開業してから144年。線路は全国に広がりましたが、無くなった線路が多数あるのも紛れもない事実であり歴史です。
いまJR北海道において存続が危ぶまれている線路があります。営利を目的とする民間企業には限界があるのかもしれませんが、線路の存続・廃止を黒字/赤字という単なる収支だけで結論を出すものではないと思っています。

私は鉄道がその赤字額よりも鉄道があることで地域が恩恵を受ける額が大きいのであれば、残すべきと考えます。
『赤字<受益』ならばトータルでみれば利益が上回るわけです。

これは、いすみ鉄道の鳥塚社長がよくおっしゃっていることですが、鉄道が地域の広告塔となり、地域そのものを売り込む。たとえ鉄道を乗らずに車であっても地域に訪れる人が増えれば地域が元気になるというものです。

富山では行政がコンパクトシティに力を入れており、ライトレールなど地域の足を整備してきました。するといままで外出しなかった人がライトレールをきっかけに外出するようになり、地域の賑わいが創出されただけでなく、健康増進にも繋がっているそうです。
ライトレール自体は赤字ですが、その赤字額を普段しても街の活性化や健康にもなり、その効果からすれば赤字額の負担はむしろ安いということです。
ライトレールという路面電車がまちのづくりの重要な核を担っているわけです。JRのローカル線を廃止した上で整備したライトレールを不要・廃止しようという動きはまったくありません。

赤字額を誰がどのように負担するかという部分には十分な議論と理解が必要ではありますが、単に赤字でお荷物だから廃止という考えはあまりにも安易で短絡的なわけです。
JR北海道がまもなく発表するであろう廃止候補の路線もすべてが存続することはムリかもしれませんが、行政や自治体がJRにだけに押し付けるのもであればそれは単なるわがままでしかありません。鉄道を残して活用するためにJR・行政・地域住民がどのように協力していくかです。
人口密度や利用者数や極寒で厳しい環境を考えれば、JR北海道がどんなに経営努力をしても自力でやっていくには限界がきていることは明らかです。でも必要としている人がいます。道民でも冬季はJRを頼りにしている方は少なくありません。鉄道も道路と同じインフラであり企業が単独で経営する限界を越えた場合はしっかり支えていく仕組みづくりが求められています。

同様の問題はJR北海道以外でも今後各地で出てくることは充分に考えられます。日本の鉄道がこの先どんな歴史を歩むのか、身勝手な押し付けでは後世に胸を張って残す結果にはなるはずがありません。国外から笑われるような未来にならないといいのですが…

新人車掌

2016年10月14日 20時06分43秒 | 鉄道員の愚痴
今日10月14日は、鉄道の日です。
日本で初の鉄道が開業した日であることから制定されました。鉄道の日の知名度も近年は少しずつ上がっているように感じます。

さて、鉄道の日の今日は車掌の見習いについてです。

新人社員の研修が終わり各現場に配属されるとほどなくして新人車掌の養成が始まります。新人車掌は机上研修が終わると見習いとして指導者と一緒に乗務しながら担当線区の取り扱いを修得します。
指導者は師匠とも呼ばれ、見習い中は基本的にずっと同じ人で変わることはありません。1ヶ月以上も狭い乗務員室で一緒に居るわけですから師弟関係は非常に重要です。見習いは指導者の影響を大きく受けますし、列車の運行に直接携わり安全を担う車掌を一人前に育てるのですから指導者の責任は大きいわけです。

実は私、今年の新人車掌の養成で指導者を命じられました。
車掌経験8年で指導者の任命は決して早い方ではありませんが、素直に嬉しい反面、責任の重さに不安があったことは事実です。見習い車掌がどのように育つか、出来の良し悪しは指導者次第ですし、単に仕事を教えるだけでなく職場のルールや風習など、あらゆることまで面倒をみなくてはいけません。
初めての指導者で、私自身も手探りな部分もあり不十分な点も多々ありますが、見習いを育てあげなくてはなりません。子が親を選べないように、弟子は師匠を選ぶことはできません。
育成に妥協や手抜きは許されません。見習いの養成に私自身が奮闘し、見習いと一緒に成長していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

内定式

2016年10月12日 00時20分05秒 | 鉄道員の愚痴
関東地方は心配された台風18号の大きな影響もなくホッとしています。18号の通過後、やっと涼しくなり秋が深まってきたことを実感しています。この時期は朝晩と日中の寒暖差があり体調に注意が必要ですし、お腹の弱い私にとっては冬よりも注意が必要です。
行楽の秋でもありますから近場お出かけの際は一部だけでも鉄道をご利用頂けるとうれしいですね。

10月といえば内定式があります。
9月いっぱいで一番遅い高校生の採用試験が終わり、例年、10月1日に行いますが今年は土曜日でしたから3日に行った企業が多いようです。
(まだ2次募集・3次募集など、採用試験が続いている会社ももちろんありますが…)

3日はちょうど仕事で、各地で内定式であろう集団を見かけました。
4月もそうですが、新社会人というのは見た目でわかってしまうもので、自分のときを思い出してしまいます。

来年4月から新社会人となるみなさん
内定おめでとうございます。
残り半年の学生生活は、一番自由に遊べる時期でもあります。ぜひ長期の旅行など思い出を作るとともに友達との絆を深めてくださいね。
面白いこと、楽しいことを求めてバカだけど本気で遊ぶって社会人になるとなかなか出来なくなります。でも何事も本気って必要なんです。
また内定者同士の輪もいまのうちから大切に築いてください。本音で語ったり気兼ねなく愚痴を言えるのは同期しか居ませんよ。

こんなことをブログに書くようでは私ももう若くないんだな〜と思っています。ギリギリの20代とはいえ、来年で12年目ですからね。