い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

車掌に必要なこと

2017年06月26日 22時55分44秒 | 鉄道員の愚痴
梅雨らしく雨が続きジメジメした日が続いています。
まだ暑さにもなれず体調の崩しやすい時期ですから気をつけていきたいところです。


今日は車掌に必要なことについてです。

車掌や運転士の仕事は、いわゆるデスクワークのサラリーマンとは大きく異なります。列車という移動する空間において1人で仕事をしなくてはなりません。すぐそばに相談したりする上司や同僚がいるわけではありません。
さらに常に判断の連続です。ドアを閉めるタイミングひとつをとってみても乗り降りが終わったことを確認しても駆け込み乗車に注意を怠ることはできません。

そんな特集な環境で仕事をする車掌に必要なこととはなんでしょうか。
(運転士にも共通して言えることも多くありますが、あくまで車掌という視点でご紹介します)


まずは『観察力』です。
いつもと違う状況を早期にかつ確実に気づくことができるかです。
たとえば、ドアを閉めた際に荷物やお客さまが挟まったまま列車を発車させることがあってはなりません。過去に気づかずお客さまが死亡する事故も実際に発生しています。
ほかにもお客さまが呼んでいたり、直接呼び止めなくても目でサインを送ってくる場合もあります。そういったお客さまに気づけることも意外と必要なことです。(急病人発生や問い合わせをしたいときなど)
事故やトラブルの予兆としていつもと違う状況が必ずあります。早い段階で気づければ事態が大きくなる前に対処できます。(車両や設備の不具合など)

次に『判断力』です。
状況を把握したらそれに対してどのように対処・対応するのか、迅速かつ的確に判断する力です。冒頭にも書きましたがドアの開け閉め一つにしても判断力が必要です。
ほかにもトラブルや異常を発見した場合、どうするのか?関係箇所に報告連絡すればいいのか、直ちに列車を止める必要はあるのか。
事故が発生した場合に他の列車を止める列車防護こそが車掌の仕事であり、列車を止めることに躊躇するようでは務まりません。

最後に『自己管理能力』です。
出勤時刻や終了時刻が毎日異なりますし、平日と休日でも変わります。
勤務時間は1分単位ですし、列車の運行は5秒/10秒/15秒単位です。(会社や路線により変わります。)
乗務員は駅員とはまったく異なる勤務体系ですし、トイレも自由に行けません。
自らの身体を高いレベルで管理できないと痛い目にあうことになります。自分自身のことは自分でしかコントロールできません。


車掌に必要なこととして、観察力、判断力、自己管理能力の3つは必要不可欠です。
乗務員になりたいとう方は是非この3つの能力を磨いていってください。

嬉しい報告が2つ

2017年06月12日 17時38分06秒 | 鉄道員の愚痴
日中は半袖で過ごしやすい天気ですがまだ朝晩は気温が下がり油断できません。
今朝は上着を忘れて大失敗でした。乗務員室だけは暖房を入れたのはここだけの話です。


さて、ここ数日のうちに嬉しい報告が2つ続けてありましたのでご紹介します。

1つ目は「鉄道会社への内定」です。
2年前からお付き合いのある方が鉄道会社に内定しました。
一時期鉄道以外のみちを進もうと考えていましたが、鉄道の夢を捨てきれず迷ったこともありました。悩んだ末、鉄道を目指し就職活動を頑張っていました。
第一志望の会社に内定したようで、本人も喜んでおりますし報告をきいた私も大変うれしくなりました。

就職の希望が2つあることは素晴らしいですが、進めるのは1つだけですし、この先長い人生を決めるわけですから簡単に決められる話ではありません。
相談を受け、鉄道業界の内情もお話したところ幼い頃の夢を実現したいということになりました。
鉄道ではないもう一つの希望はコンピューター関係で、もしかしたら将来鉄道会社でも役に立つ機会があるかもしれません。

会社名は明かしませんが、内定おめでとうございます。
残りの学生生活は内定取り消しにならないよう注意しつつも十分楽しんでくださいね。

2つ目の嬉しい報告は「車掌養成」です。
以前から私のブログを見てくださっており、駅員として活躍している方からで、車掌養成の研修に入ることになったそうです。
おめでとうございます!

これから研修所で学科を学び、その後師匠のもとについて実際の列車に乗務員し見習いをします。

私も昨年、はじめて見習いを受け持った身ですから自分の弟子のように嬉しい報告です。
駅と乗務員では、鉄道会社のなかでも立場がまるっきり変わります。
なんといっても自分自身で状況を把握し判断しなければならない場面が拡大に増えることです。それも安全に直結することばかりです。
ぜひ見習い期間中に師匠からたくさんのことを学んでくださいね。


お二方から相次いで連絡があったのは単なる偶然ではありますが、私もとても幸せな気分になりました。
ひとりがハッピーになるとその周りの人にも伝わります。沈んだり悲しい気持ちも同じく周りに伝わってしまいます。
私も周りにいい報告や明るい話題を提供できるようにしなきゃいけませんね。

朝の遅延 荷物挟まり編

2017年06月08日 04時39分18秒 | 鉄道員の愚痴
おはようございます。
昨日関東地方も梅雨入りしました。ジメジメと嫌なシーズンがやってきました。

前回、朝の遅延原因で多い体調を崩されるお客さまについてお伝えしました。
「無理せず降りて休む」、「見かけたら知らせる」の2つをお願いしますという内容でした。

今日はよくある遅延のもう一つについてお伝えします。
それはドアに荷物や傘が挟まることです。

駆け込み乗車のお客さまが閉まりかけたドアに鞄などを差し込んで挟むほか、混雑のためドア付近に立っているお客さまの荷物が挟まることがあります。
ほとんどの場合でもう一度ドアを開け閉めして対応しますが、1回あたり30秒前後は掛かってしまいます。これも複数の駅で連続して発生すると10分以上の遅れになることもあります。

ドアには閉扉を検知するセンサーがあります。荷物が挟まるとそのセンサーにより電車は発車できない構造です。
荷物が挟まったまま電車が動きだすことは有り得ないはずなのですが、傘や鞄の紐のなど細いものが挟まった場合はセンサーが検知できないことがあります。

車掌は、ドアを閉めるタイミングはとても神経を使っていますが、混雑したホームでは見通しが悪くとても気づきづらい状況です。ラッシュ時は駅員との連携が欠かせません。
センターが検知できるような大きなものであれば、車掌はドアを再度開けずに駅員の押し込みに任せます。絶妙なタイミングと連携でドアを閉めて、閉扉状況を確認します。

ラッシュ時間帯は荷物が挟まるのは必ずしも駆け込み乗車というわけではなく、お客さまを一方的に責めたり悪く言うことはできません。
小さなことが重なり大きな遅れにつながるのもまた事実です。

ドア付近のお客さまは、ドアが閉まる際は荷物や衣類にご注意ください。
万が一、挟まったまま動きだした場合は直ちに非常停止ボタンを押してください。この場合も遠慮や迷い、躊躇は不要です。
どうぞよろしくお願いします。