い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

大型連休は風邪でした

2015年09月29日 19時17分05秒 | 鉄道員の愚痴
今年の夏は前半が猛暑で、後半は涼しく比較的過ごしやすかったですね。そのまま季節が進みました。
厳しい残暑がなくとも季節の変わりは体調を崩しやすいようで、シルバーウィークと呼ばれる大型連休にあわせて風邪を引いてしまいました。

風邪を引くと喉の痛みだけということが多いのですが、今回は倦怠感とともに38度の熱も出てしまいました。連休のため病院にも行けず、市販の風邪薬と手元に残っていた解熱剤でなんとか連休を乗り切りました。
乗り切ったということは、休まず仕事をしていたということです。カレンダー通りの勤務なら病院に行けずとも家でしっかり休めたことでしょう。どうして大型連休のときなのか、不規則勤務の辛いところです。

連休明けの24日にやっと病院に行けましたが、大混雑で1時間以上待つことに。やっと薬をもらい、今日になって本調子に戻りました。
まだ病み上がりですから油断は禁物ですね。しばらくはあまり無理はしないようにしたいと思います。
みなさまも季節の変わり目、お身体に気をつけてください。

JR不審火の容疑者逮捕

2015年09月22日 07時12分22秒 | 鉄道員の愚痴
相変わらず、リアルタイムな更新ができていませんが、お許しください。

東京のJRで連続発生していた不審火について15日、容疑者が捕まりました。逮捕容疑は品川区の変電所の事件で威力業務妨害で、他の不審火も関与を認める供述をしているとのこと。
一時は社員や関係者の仕業か?とも報じられていましたが、容疑者の逮捕でその可能性もなさそうでホッとしています。

一連の不審火は、電力ケーブルや変電所を狙っており鉄道会社や利用者に与える影響は大きく、いたずらでは済まされません。
社会的影響や世間の関心も高く、逮捕後多くのメディアが取り上げました。まだ明確になっていない部分もありますが、容疑者には事の重大さをしっかり認識に反省してもらわなくてはなりません。

調べてみたところ威力業務妨害は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金だそうです。

鉄道の運行そのものに直接影響を与える行為であり、素人ながら往来妨害と往来危険罪の適用も考えられるのでは思い、こちらも刑罰について調べてみました。
・往来妨害罪は、2年以下の懲役または20円以下の罰金
・往来危険罪は、2年以上の有期懲役
だそうです。
往来妨害だと威力業務妨害よりも軽くなる可能性が高いですが、往来危険となればかなり重たいものとなる可能性があります。

往来危険罪は、『鉄道もしくはその標識を破壊し、またはその他の方法により、汽車または電車の往来の危険を生じさせた者』とあり、列車往来危険とは『列車の脱線、転覆、衝突が生じるおそれのある状態』です。
放火が『列車の脱線、転覆、衝突が生じるおそれのある状態』と認められるかどうかですが、レール上への置き石では往来危険罪が適用されています。
鉄道の事故は大変多くの人の生命や安全が脅かされますので刑罰も重くなります。

我々鉄道員は、安全を第一に業務しておりますが、一歩間違えれば大変多くの犠牲を出す可能性があり、業務上過失致死など法的責任を追及されることも十分にあり得る話です。
運転操縦やドアの開閉、信号操作など、鉄道には安全に直結する業務が日常でたくさんあります。車掌でいえばドアにお客さまを挟んだまま列車を発車させ死亡させるようなことがあってはなりません。このような危険が身近に起こり得る仕事ですから気を抜くことは許されません。

豪雨災害から考える鉄路復旧

2015年09月16日 08時34分42秒 | 鉄道員の愚痴
先週は台風と元台風の低気圧による大雨で大変な被害が出ました。台風が直撃しなかったにも関わらず関東地方は激しい雨雲のエリアになり、長時間に渡り大量の雨が降り続けました。
茨城県の鬼怒川と宮城県の渋井川で堤防が決壊し、街中が浸水しました。被害に遭われたみなさまは見舞い申し上げます。

ニュースで空撮の映像を見ていると、かなり深くまで浸水し流出する家屋は東日本大震災の津波を思い出してしまいます。

鉄道にも多くの被害が出ております。
関東鉄道常総線は、冠水
東武日光線は、土砂流入と盛土流出による電柱倒壊
東武鬼怒川線は、盛土流出とバラスト流出
東武宇都宮線は、橋台橋桁流失

関東鉄道は、水没により車両が壊れているでしょうし、線路や設備の被害もあるようなので完全復旧には時間がかかりそうです。
東武鉄道は、宇都宮線は橋梁が流されているので1年以上はかかりそうですが、その他は1週間程度と公表されているので今度の大型連休に間に合うでしょうか。

こうした災害のたびに被害に遭われた方を心配することはもちろんですが、どうしても鉄道のことも心配してしまいます。
世間からすれば一流企業で儲かっているJRでさえ、災害にあったローカル線を復旧させない時代になってしまいました。となると今後、災害のたびに鉄路が失われていく気がしてなりません。
毎回問題となるのが膨大な復旧費用です。毎日やっていくのが“やっと”の路線で、一年間の収入では到底足りない額を出すのが無理なのも理解できます。

鉄道は公共性が高いとか社会インフラとか言われますが、自然災害で瀕死の状態になっても基本的に誰も助けてくれず、すべで自前で直さなくていけないのですが費用の問題で失われていきます。
対して道路や電気水道はどんなに人口が減っても住民がいるならば直します。インフラであるならば、費用対効果とかではなく必要とする人がいるですから元に戻すのがスジではないでしょうか。
そこに立ちはだかる費用の壁を壊すには、復旧を事業者任せにするのではなく、国・県・自治体・地域住民が一体となって負担する仕組みが必要だと思います。
うまく説明できないですが、災害によって鉄道の生死を分けてしまうのは間違っているのではないでしょうか。

関東鉄道も東武鉄道も復旧に向けて取り組んでいるので、今回被害にあった路線はまた走り出しますが、次もまた復旧するとは言い切れません。
鉄道は地域の宝であり、簡単に切り捨ててよいものではありませんし、バスに転換すれば解決するものでもありません。
みなさまの生活の復旧復興と鉄道事業者任せにしない仕組みと強く願っています。