い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

福知山線脱線事故から15年

2020年04月26日 02時43分44秒 | 鉄道員の愚痴

日付が変わり深夜の投稿となりました。
4月25日は鉄道員として忘れてはならない日のひとつです。
福知山線脱線事故から15年が経ちました。
107名の尊い命が失われました。改めてご冥福とお見舞い申し上げます。

15年前は、私は高校3年生でした。休み時間に誰かが「大阪のほうで電車が脱線したみたい」と言いました。
みんな携帯電話は持っていましたが、スマホではなくガラケです。Twitterもなかったので、詳しい状況はわかりません。
そのうち横転しマンションに激突し原型をとどめていない画像が入ってきましたが、それ以上のことはわかりません。
家に帰れば、テレビは脱線事故ばかりで、いまの新型コロナウイルスのようです。それが数日は続いたと記憶しています。

9月に鉄道会社の入社試験を受けようとしていた私は衝撃を受けました。
安全なはずの鉄道がなぜ。自分はその鉄道業界を目指そうとしている。大丈夫なのか。とても不安になりました。
試験はなんとか通り、内定を頂くことができました。
新入社員研修では安全について一番厳しく教わりました。福知山線の事故があった直後であり別の会社とはいえ会社側もより一層力を入れていたんだと思います。

脱線事故の現場にはいままで何度か足を運んだことがあります。
今年も3月下旬に訪れてきました。祈りの杜として整備されてからは初めてです。
尼崎駅を降りて近づくほどなんだか重たい空気を感じます。到着すると自然と涙が出てきました。
まずは慰霊碑に献花をし、事故の痕跡が残るマンションの駐車場へ。そのあと当時の概要や資料が展示されている追悼の空間へ。
当時の新聞記事や事故報告書などを閲覧することができ、1時間ほでは足りませんでした。

どんなに保安装置が整備されても凄惨な事故は防ぐことはできません。
鉄道員としてお客さまの命を預かるということ、安全について意識を引き締めるうえで今後も訪れます。鉄道で働く人はぜひ訪れてください。


【休業要請】乗務員にも困ります

2020年04月10日 18時50分21秒 | 鉄道員の愚痴
新型コロナウイルスの緊急事態宣言を受けた休業要請の対象施設について、本日(4月10日)小池都知事が会見で発表しました。

通常通りの列車運行を行っている鉄道員として気になるのは食事事情です。
ニュース報道によると、飲食店は5時~20時に営業時間短縮を求めるとのことです。

特に乗務員は列車に合わせて勤務が作られており、出勤退勤時刻も休憩時間もバラバラです。決まった時間にみんなで一斉に食事をとることはできません。
5時~20時では遅い夕食休憩には間に合わないことが予想されます。

社会生活を維持する上で必要としてスーパー、コンビニ、飲食店でも持ち帰りは対象外のようです。
あいにく20時以降になったときはスーパーかコンビニ弁当で済ませることになりそうです。

昨年の台風のときはコンビニを含めて軒並み閉店しており、食事の確保が困難だったことに比べては十分マシですが。
また職場では、各店舗の営業の一覧をみんなで協力して作ることになりそうです。

利用者が激減しても社会生活を維持する上で必要なインフラとして鉄道はいつもの日常のままです。
医療関係の方の苦労に比べれば足元にも及びませんが、苦労されているみなさま、どうがこの危機を乗りきってみせまよう。

入社15年目最大の危機です

2020年04月09日 22時20分21秒 | 鉄道員の愚痴
この4月で鉄道会社に入り15年目を迎えました。
高校を卒業して入社し、駅員を2年、前の職場で車掌を10年近く、そしていまの職場でまもなく2年が経とうとしています。

この間の経営に大きな影響を与える出来事といえば、リーマンショックと東日本大震災がありました。
どれも直後は利用者が減りましたが、首都圏から離れたところで発生したことで、経営に大打撃ではありませんでした。

いま日本中、いや世界中を震撼かせている新型コロナウイルスは、とうとう緊急事態宣言が出るまでになりました。在宅勤務の推奨や外出自粛があり、人の動きが停滞しています。
私の体感では、朝のラッシュ時で20~30%減、日中は半分を下回っています。土日はさらにひどく80%減です。

東海道新幹線や観光列車などでは運休がでているものの通勤電車はいつも通りの本数で運行しています。車内はガラガラで、いつもは込み合う都心部でも空席があるほどです。
お客さまが激減しているわけで、4月に入っても定期を買う人も減っています。会社の収入も大きく減っています。
これは、外出自粛の要請に多くの人が従っている証ではありますが、固定費率の高い鉄道においてこの状態が長引けばかなりの影響がでることは確実です。

いままでの日常がすっかり失われ、仕事のほかは自宅に引きこもる日々です。
いつまで続くかわからず先行きのわからないことで不安はつきません。

感染拡大防止に一人ひとりが確実に取り組み、落ち着く日を待つしかありません。
会社の誰もがこんなことは初めてだと語っています。

私たちは交通インフラを担うものとして出勤して列車を走らせるしかありません。
会社の対策はマスクの支給とアルコール消毒の設置しかありません。
会社で感染が広がれば列車の運行が止まる可能性もあります。そうならないことを祈っています。

みんな不安でいっぱいです。
でもこんなときこそ、みんなで乗りきっていきましょう!

4月 コロナの収束は??

2020年04月03日 10時44分58秒 | 日記
気づけばもう4月。3月にはブログを書けませんでしたが、東京では観測史上最速の3月14日に桜か開花しました。
例年であればお花見の様子がテレビに映されるところですが、今年は皆無でした。

新型コロナウイルス(COVID-19)の猛威が収まる兆しがみえません。世界の全業種が経営に影響がでていると言って差し支えのない状況です。
鉄道においても例外ではなく、テレワークや不要不急の外出自粛要請を受けて通勤時間帯は2割程度、それ以外では半分以下にまで減っています。

JRでは利用者減を受けて特急や新幹線で運休をはじめています。経営的には焼け石に水かもしれませんが、いままでにない事態です。
わが社でも仕事中のマスク着用とアルコール消毒の徹底が指示されております。本社勤務者のテレワークも始まっています。
直接列車運行に関わる駅や乗務員といった現業職場ではテレワークは難しいですが、今後運休という話があれば自宅待機という話も出てくるかもしれません。
収入も前年を大きく下回っており、ボーナスも期待できないでしょう。出れば有りがたいと思っています。

新型コロナが日本で広がりはじめて2ヶ月が経ちますが、街中のマスク不足の解消はまだのようです。
仕事では会社からマスクが支給されますが、買えないので休みの日は着けたくてもつけられません。
先行きはまったく見えませんが、一日も早く日常が戻ってほしいものです。