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「じぇんごたれ」遠野徒然草

がんばろう岩手!

きっつ

2006-02-14 10:54:32 | 遠野
 春先のような気候、昨夜からの雨とプラスの気温で、だいぶ雪も融けたようでもある。
 しかし、まだ2月、これで直ぐに春が来るものでもないっ、あと数回は寒波と大雪もありそうな予感・・・・。

 さて、恥ずかしながら我家の小屋を画像にてご紹介いたします。
 昭和初年の築で、屋根は萱葺、外壁は土壁でありましたが、私が小学高学年の頃、今は亡き親父が真っ赤な顔をして憤慨している光景が思い浮かばれます。



 近所の知人達に「みやほらの○○、小屋もたでれねば、屋根もふげねえんだがありゃ・・」(宮洞の○○(親父の名)、小屋の建替もできなければ、屋根も葺けないぞ・・)と何かの会合で馬鹿にされたとかで、凄く悔しがっておりましたが、一念発起して萱葺屋根をマンサードのトタン葺に改装、数年後には黄土色で萱等がむき出しになっていた土壁を白壁に塗り替えた経緯があり、現在に至っております。

 

 あまりにもみすぼらしく汚い我家の小屋ですが、画像の部分は昔は馬屋(まや)部分でして、馬が居たとは聞いたことがございませんが、牛が入っていたとか・・。
 南部曲屋に関しては私の小学生時代、あるにはありましたが、ほとんど建替えのピークでして、地域からだいぶ消えておりましたし、残されていても屋根はトタン葺に改装といったことも結構ございました。
 曲屋はいわば富裕な農家、農地等を沢山持っている農家といった印象が私にはございます。無論、全部当てはまることではないかもしれませんが、我家のように小屋や馬屋は別棟にある・・・しかも曲屋のお宅は別棟に大きな小屋も、さらに蔵もあるといった印象でもあります。

 昭和はじめに建てられた我家の小屋、当時は曲屋も随分とあった聞きますが、小規模農家は我家のようなスタイルだったようです。

 

 これまた「ふっつらがってますが」(散らかってますが)小屋の内部・・・壁面には祖父が造ったといわれる「きっつ」がございます。
 幅3間・・・板には七福神が全て描かれておりますが、物置と化した内部、全部直ぐにみることはできません・・・汗

 

 板に漢数字とひらがながございますが、これは板を上から入れる順番を表しているものです。
 上から板を抜いていく、無論中は精米前の米が今も昔も納められております。

 当然ながら板の順を間違えると絶対板は入りません・・・。
 昔の人の技術と知恵、単純ではあるかもしれませんが、凄いと思います。

 それにしても、そろそろ小屋を取り壊して車庫兼簡易な農作業小屋を建てなければと思うも、この「きっつ」壊すにはもったいないと考えております。


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10 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
見事です。 (romi)
2006-02-14 13:23:31
おお、コレは見事な「きっつ」ですなぁ~

なかなかの物と思います。

祖父の人格が伝わってきそうです。
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きっつ? (睦月庵)
2006-02-14 19:33:31
とらねこさんの家の歴史が凝縮された建物という感じでしょうか、何ともうらやましい感じがします。

ところで、きっつとは、この壁画のことですか?



よそ者が失礼しました。
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きっつ (とらねこ)
2006-02-14 20:14:02
romiさん

我家の「きっつ」・・大工だった祖父が造ったものと伝えられております。

絵は誰が描いたかは不明ですが、きっつそのものは現役で稼動中です。現代社会においても農家は必要不可欠なものと思います。



睦月庵さん

昔から「きっつ」と言ってましたので正式にはなんていうか恥ずかしながらわかりません。

米備蓄収納庫のようなもので、奥行き半軒ほどの空間があり、中央も縦に仕切り板によって区切られております。

下部には籾取り出し口があって、そこから籾をかき出す仕組みです。

現在は籾そのものを入れておくことは無く、精米前の籾を入れた袋を積み上げて収納しております。

前面の壁画があるから「きっつ」というものではありませんが、単なる板では味気ないということで、各家々、色々と絵等を施しているものです。



造られて75年が経過してますが、他のお宅に比べれば新しい方かもしれませんし、農家規模からしても小さい方かもしれません。
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めずらすぃ (tama千代)
2006-02-15 20:12:15
「昨日は、アクセスが集中して云々」だったみたいです。



背景が次々と変わって見応えがあります(笑)。gooさんの、可愛いのが一杯あるんですよね。あのドラえもんみたいなのも良かったですよ。



小屋を本当に立て替えるとは、負けず嫌いのお方だったんですね。屋根が、洒落ていますね。いい味出していますよ。

馬小屋の名残といい、壁画といい。この絵、いいですね。縁起物って感じです。



利便性を考えると確かに新しい方がいいけど、これを壊すとなると「いだますぃ」気持ちになるのも無理はございません。
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いだますねえ (とらねこ)
2006-02-15 21:34:33
仰せのとおり、もったいない気も重々承知しております。

まだ建替えは先のことと今は考えております。まだまだ小屋自体、「ビン」としてますからね・・。
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もったいない! (アルエン)
2006-02-16 08:18:35
こんな素敵な小屋を壊さないで下さい。可能なら増築するとか内装や外装変えるとかパンやお菓子の作れる素敵なシステムキッチンにするとか・・・(笑)



「きっつ」ですか。名前を知らなかったです。 確かにスゴイシステム。昔の人には頭下がりっぱなしです。

でも私の知っている「きっつ」には絵がありませんでした。本当に素敵な七福神ですね。



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ありがとうございます (とらねこ)
2006-02-17 09:52:26
アルエンさん、少しご無沙汰でした。

もったいないと私も考えております。

いずれ建て替えはしなければならないことではありますが、なんとか残す手立ても考えてみたいと思ってます。



山ノ神さんのブログにもお越しいただきありがとうございます。

煎餅とか饅頭好きの私ですが、最近はパンやクッキーと洋物を多く食べている気がしております・・・笑・・・和物ももっと食べたいです・・笑
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訂正 (とらねこ)
2006-03-04 09:48:29
我家の「きっつ」は昭和はじめに建設、七福神の絵は福泉寺第二世宥然和尚の作で、全ての完成は昭和19年秋であるそうです。
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ありがとうございます (一人静)
2006-03-04 20:59:59
とらねこさん 早速に大きな画面にして頂きありがとうございます

お忙しい時間を私事で使わせてしまいました

昭和19年完成 60年ものあいだびくともしないで行き続けてきたんですね

・・寿老人・大黒様ほか 護り神様が住んでいるお宅 これからも繁栄間違いなしですよ

今日は長男の生まれた日です 

この大黒様ととらねこさんご夫妻にあやかって

いつまでも末永くシアワセに・・といいお祝いになりました

 お借りいたします
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おめでとうございます (とらねこ)
2006-03-04 21:50:24
ご子息のお誕生日、おめでとうございます。

画像、お役に立ちそうで何よりです。
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