「じぇんごたれ」遠野徒然草

がんばろう岩手!

1万2千7百石

2008-02-06 22:01:59 | 遠野
 1万2千7百石・・・・・。
 
 これは江戸期における盛岡南部家臣である遠野南部家の知行石高である。
 遠野南部家(八戸家)は、盛岡南部藩の家臣であるが、別格諸家扱いで高知(藩士高禄の家)筆頭の家で、南部藩では万石を越える家臣は他に存在せず、さらに領地である遠野郷においては、司法権の独立が認められていた陪家では稀に見る武家でもありました。


鍋倉城跡



 さて、1万2千7百石・・・・。

 平成南部藩(南部藩ゆかりの市町で構成する現代版バーチャル藩)風の米価換算方式によれば・・・・

 1石を10万円と計算すれば10万円×12,700石は・・・

 12億7千万円

 すなわち12億7千万円が江戸期の遠野の米の生産高となり、遠野の予算と成り得るものでもある。

 ただし、これは現在の米の生産高に合せた内容で、江戸期はもっと生産性は低かったはずである。


 しからば・・・・

1石当り=10斗=2俵半=150㎏
米の買い上げ価格が30キロ当り大よそ5千5百円とすると150キロは・・・
27,500円

27,500円×12,700石=3億4千9百万円余ということになります。





 つまり遠野南部家所領の生産高は現代風の米買い上げ値に換算すると3億5千万円ということになります。
 これが遠野の当初予算というべき数値になりますが、1万2千7百石の内、8千石は現代の市職員というべく家臣の俸禄、3千石は役所費や兵具費、教育費等に充て、残りの1千5百石~1千7百石は遠野南部家当主の取分となっている。

 当主の年収入は約4千万強といったところで、市長、県知事なんて目じゃない相当な高禄ですが、しかし、出費が大きく、生活は大変だったようでもあります。


 2007年度の遠野市予算は約160億円・・・遠野南部家時代の江戸期に比べればかなり大きな金額ですが、地方交付金等お上からの補助や市の借金たる市債によるものが大きく、市税そのものは約20億円といったところです。


 ただし、江戸期においては、米だけの生産高ではなく、稗、粟、豆等の雑穀も合せた石高であり、さらに凶作などが頻発した時代であり農作物の生産高が毎年変化していたことも考慮しなくてはならない。

 さらに産金やら木材やら、別産業による生産性も含まなくては、しっかりとした数値は出てこないということでもあります。


 いずれ、今も昔も経済事情は厳しいということは変わりないが、便利な世の中に暮す我々現代人の方が恵まれているような・・・・昔は農産物が取れなければ飢え死にという厳しい現実に直面していた時代であった分、経済的には大変だったと私は思います。







 お知らせ


 遠野ぶれんどノモーゼカタローゼ新年会の開催について

 
 日時・・・2月9日(土)午後6時30分~
 場所・・・新穀町「魚っこや」弐階ぶれんどの間
 会費・・・一応3千円+α・・・女性はお安くします。
 
 やまねこ氏来遠のノモーゼ、今回は2次会は二の次、大いに語ろうをテーマとしております。

 
 プレぶれんど

 9日(土)、仙人峠の氷筍見学会を開催いたします。
 集合は午後12時30分、上郷地区センター集合(ラーメン食べる人)
 現地に直接行かれる方は旧道仙人トンネル遠野側駐車場に午後1時30分頃の集合となります。

 よろしくご参加をお願いします。
コメント (6)
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