JA6VQA 日々新たに

趣味のアマチュア無線で海外との交信や写真などを中心に、日々感じることを書き綴ってみます。
 

電磁波観測による地震予知

2013-07-07 17:19:28 | 読書
 市内のホテルで行われましたJYAN研究会の会議を
聞きに行きました。
 JYAN研究会(主宰JH6ARA 国廣秀光さん)は地震の
前兆現象として発生する電磁波の異常伝播を継続的に
観測する事により、地震予知を試みようとするグルー
プです。(HP http://jyan.jp/)
 国廣さんはすでに日本地震学会の会員にもなり、そ
の成果を学会で発表もされております。
 なにしろ地震学会では電磁波についてはほとんどの
先生が門外漢で、当初は何じゃそれは的な存在だった
ようです。
 しかし最近のSDR受信機を活用することにより、継
続的に長期にわたりDATAを保存することが出来るよう
になり、地震発生の後DATAを検討すると数日前から明
らかに電磁波の異常伝播が痕跡を残していることを
学会で発表することでかなりの注目をされるにいたっ
たようです。
 なにしろいろいろある前兆現象で記録に取ることが
出来るというのはこの電磁波の異常伝播以外はないに
等しいらしいです。
 阪神淡路大震災のあとその前兆現象をまとめた本が
出版され、動物の異常行動だの、自然現象の異常など
千を超える報告が纏められていますが、学会ではその
現象を前兆現象としては認められないようです。
 なかにはその本の表紙に使われた細い雲が一本立ち
上った写真は別に位置から3つ以上の報告があったと
いうことで認められたとのこと。

 いまJYAN研究会ではSDRを利用したFM放送の電波を
4波同時に受信できる機器を独自製作し、これにより
常時FM波を多くの地点で観測する方法でDATAの蓄積を
しているそうですが、まだ観測地点が少なく、多くの
アマチュア無線家の協力を希望しています。
 このFM波を利用した観測では観測DATAをLANでイン
ターネットに直接接続し、サーバーに集めてDATAを
蓄積し、常時1ヶ月なり、1年なりのFM放送波の電界
強度の変化をグラフで見ることが出来るようになって
いました。このあたりはHPに説明がありますので興味
のある方はごらんください。

 はたして震源が沖合いの海上の場合、その影響が事
前にどの程度FM波にあらわれるかわかりませんが、
たとえば宮崎と和歌山間で相互のFM放送波を観測して
その電波の強度変化を観測しておれば、もしかしたら
すでに地震が起きる確率が70%といわれる東南海
震の予知に役立つかもしれません。

 国廣さんの観測でおもしろいDATAを見せてもらいま
した。昨年 台風が四国沖から紀伊半島に近づく時
国廣さんの住んでいる大分県国東市で東京や水戸の
FM放送が強い信号で受信できたそうです。
 台風が愛知県沖に進んだときにはパタッと消えたそ
うで、台風がFM電波を曲げてしまうことを発見したと
のことです。これもちゃーんとグラフにその異常伝播
の痕跡が記録されておりました。
 継続して同じ帯域の電波を長時間観測することによ
る新しい発見もあるようです。
 プロは絶対にやらないこうした試みはやはりアマチ
ュアだからこそやれる研究なのでしょう。

 JYAN研究会の更なる研究がもしかしたら、新しい
地震予知につながるかもしれないと期待したいもので
す。

 国廣さんは今年も8月のハムフェアにブースを設ける
とのこと、また今月の関ハムにもはじめてブースを出
展するとのことですので、興味ある方はぜひ尋ねてみ
られたらいかがでしょう。
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