佐知子さんを追悼するつどい
矢臼別になくてはならない人であった。
その人が川瀬さんのもとへ旅だった。
遺影は野の花にかこまれていた。矢臼別の
豊かな大地につつまれるように。
一人の女性が演習場のどまんなかで暮らす。
毎日毎日、りゅう弾砲の轟音のもとで。
そこはまさに戦場のどまんなかである。
高遠菜穂子さんから弔文が届いていた。
「私はイラクで、彼女は矢臼別で、それぞ
れの地に響く砲弾の音を、お互いに背負い
ながら。」(弔文の一部から)
砲弾から生み出されるものは、破壊と死だ。
イラクで、世界で、どれほどの苦しみを生
み出してきたか。
渡部佐知子さんの「想い」は矢臼別の風に
なって、千の風になって、私たちに届いて
いる。