佐藤功の釣ったろ釣られたろ日誌

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ダボ鯊の戯言

2020-11-04 20:13:03 | 釣り

だぼ鯊の戯言(たわごと)八木禧昌

ガッチョ讃歌

 

 夏も近づく八十八夜~~~5月ともなりますと、いよいよ「磯の魚」の動きも活発になります。「磯の魚」といえば、本格派は荒磯の大物、イシダイやグレでしょうが、だぼ鯊のような小物派で少しへそ曲がりは、小物の外道についつい目が行ってしまいます。

それも、食べておいしい小物の外道。今回はそんな日陰の人気者にスポットを当ててみましょう。

 

 ガッチョ讃歌

   純天然が魅力

 

 初夏の海の小物と言えば、ポピュラーな投げ釣りで子供達にも人気のキスやベラが真っ先に思い浮かびます。

 キスやベラを投げ釣りで釣っていて掛ってくるのがガッチョです。ガッチョは砂浜があればどこでもいて、投げ釣りの定番仕掛けならハリの数だけ掛ることで知られますが、釣れても「招かれざる客」として嫌な顔をされるのがオチで、舌打ちされ捨てられ、干からびる運命です。

 ガッチョの正体は、少し前までは「ノドクサリ」という奇妙な名前でした。明石付近では「テンコチ」です。現在は「ネズミゴチ」が正式名で、戸籍は「スズキ目ネズッポ科ネズッポ属」です。それにしても、「ノド腐り」「鼠ゴチ」など、なぜ、いかにも「うすぎたない」名前がついているのか。だぼ鯊には理解出来ません。

 そんな、暖かい季節によく観察すると、内湾の潮だまりなどで、ランデブーしながら泳いでいるしなやかで美しい姿を見かけることがありますが、名付け親の学者先生にはまあ、縁遠いシーンでしょうね。

しかし、考えてみると体はネバネバで、押さえるタオルもその粘液でズルズル。気温が高くなるととても臭いし、おまけにあのエラブタの厄介なトゲに絡まると、もう、どうしようもありませんね。グチャグチャの世界、と表現した人がいましたっけ。

 ただ、獲物のサイズによっては得点やバッジがもらえるルールのある釣りクラブのメンバーはこの魚を粗末には扱いません。だぼ鯊も、もちろん粗末には扱いませんが、それは得点などの為ではなく、もっぱら「食味」の魅力の為です。

 食べられる部分は、イラストで示すように、いかにも少ないですが、白身で煮付けにするとその味たるや天下一品。運動が足っている下半身だからでしょうね。コクのある味なのです。

 作り方は塩水で洗ってヌル(ヌメリ)をよ~く取り去り、トゲ、頭、腸(ワタ=内臓)ヒレ、尾っぽを除去、皮も剥き胴体だけにします。これを鍋に入れ、しょうゆ、砂糖、酒を好みの分量加えて煮立てます。サンショウの実、ショウガなど薬味を加えるといっそう味が引き立ちます。

 もちろん、天ぷらやから揚げもグッド。

 ガッチョ料理が最高なのは、なんといっても「純天然」だからです。しかも、商いのために、人工増殖の研究など一切されていない。間違っても「近大ガッチョ」などが新聞を飾ることはありません。そうです「日陰の存在」がじつは一番幸せかも。だって、煩わしさがないわけですから…。

 でもね、最近、明石の「魚の棚(うぉんたな)」や泉佐野の「青空市場」で、ガッチョが一盛ナンボで売られていたのを目の当たりにしただぼ鯊は、サブタイトルに「売ってないのが魅力」と書いて、ひとり悦に入っていたのを、しぶしぶ「純天然が魅力」に変更せざるを得ない羽目になってしまいました。ハイ。(イラストも・からくさ文庫主宰)

 

 佐藤の一言

 このガッチョ私も今から数十年前高校生の頃今は消えてしまった諏訪ノ森の海水浴場にてバケツに一杯釣り帰り母親に叱られたのを覚えていますが、今は貴重な魚のようです。

 

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