長き釣り友の歴史1１

Episode５　ヘラブナ釣り

33歳の時、多忙のため私は一度も新居を観ることなく４歳の娘と０歳の坊主を連れて明石の住宅に転居した。改めて周辺を自転車で回ったらため池が所々にあり休みにはブラっとヘラブナ釣りに行っていた。どこにでも好きな人がいるものでそのうちに色んな話ができるようになってきた。同じ住宅の釣り好きの人と山のため池に行った時のこと。春のヘラブナが乗っ込みに入ろうとしていたころで蛇が冬眠から覚めるころでもある。その方は極端な蛇の怖がり屋さんで丁度その時尿意を催し釣り場を離れて椿の木の下で放尿しようとしたところ、そこにはややこしい色をした蛇が死んでいた。蛮勇を振るってその死骸に向けて放尿したところ突然動き出しギャーというものすごい声が山中に響き渡った。飛んでいってみるとどうやら温かい放尿で冬眠から覚めて動き出したらしい。それからは釣りにならず、その後何回誘ってもヘラブナ釣りにはいかなくなってしまった。