- 2 釣りの休止時期と再開
Episode2 小鯖釣り
それからはスポーツ新聞の釣り欄が気になりだした。すると当時深日港でサバが釣れていると掲載されていた。当時、車もないし免許も持っていない。堺から電車で行ける範囲の深日港は行けると思った。早速延べ竿をもって一人で深日港迄釣りに行った。寒い時期だったが行ってみて大変驚いた。なんと釣り場の堤防に100人くらいの釣り人が竿を出していた。これは釣れているんだなと思い聞いてみたら今日はまだ誰も釣ってないという。みんな退屈していたようだ。しかしここまで来てすぐ帰るのも残念過ぎると思い割り込んで竿をだした。が、釣れない。みんながボチボチ帰りだした。だめかーと思っていたその時なんだかウキに変化が出たような気がした。
そして集中しているとやがてウキが水中に。竿を立てたら大きく曲がってみんなの注目の中、その日ただ一匹のサバを釣り上げた。あんなに興奮し嬉しかったことはない。その後の人生で大きな魚を釣ったりもしたが最もうれしかった一匹である。もちろん今なら捨てて帰るし、そもそもサバを釣りに行かない。しかしそのサバを食べて体調がよくなり、それだけでなく忘れていた釣りという遊びにのめり込んでいった貴重な魚である。