いまだ帰省しない息子のこと。
夏休みに短期アルバイトをする!ということで初めてタウンワークを見て申し込みをし、面接に行ってきたという。
何をするのか、と訊けば、3時間5,000円という時給の高さに惹かれて、なんと力仕事(内装資材搬入)なのだ、と。一番不向きではないか!鍛えてもいないのにいきなり怪我でもしては・・・と、過保護にも心配していたのだけれど、これも本人の為ということで、とりあえず夫と2人、グッと黙っていた。
昨日午後、面接が終わって、本人からLINEで報告がきた。
「ちょっと勤務は無理そう」という。「日程が合わないのか、きつそうなのか」と尋ねると、「朝6時に京都駅に集合で、防護靴等揃えるため初期投資に8,000円もかかる」と言われ、自分から保留にしてきたそうだ。
朝が弱いのは自分が一番判っているし、その時間に集合場所まで行くとなると、会館で朝食すら摂っていけない。
まあ、焦らず近所で探すように、と言ったところ「そうする」との答えだった。
結局、面接場所迄の地下鉄代往復520円は自腹で(当然だが)、本人、18歳にして初めての社会勉強となったようだ。
夏休み中に無計画にお小遣いを使い過ぎて、しかも下宿の食事も大学生協もお盆中はお休みで・・・ということで、かなり切羽詰まっていたようだ。けれど、「時給が良い=キツい、大変」という現実を垣間見ることが出来たなら、良かったことだ。
思えば、私も大学1年の夏休み、友人の紹介で富士五湖周辺の合宿所で住み込みのアルバイトをしたことがある。
旅館やホテルと違って夕食・朝食の2食だけでなく、昼食も含めて3食提供する宿だったので、地元の高校生や、もしかしたら湖で遊べるかも、と東京から安易に考えてやってきた大学生アルバイトたちは、朝早くから100人分くらいの朝食の支度。片付けが終わればそのまま昼食の仕込み、片付け、さらに夕食の支度、片付け。
大広間、見渡す限りに並ぶお膳にひたすら食器を並べ、肉を焼き、野菜を切り・・・。食事はお客さんたちの後に余り物。おかずが足りなくてふりかけだけ、などということもザラだった。ヨレヨレになって一日の仕事が終わって、蚕棚のような二段ベッドに入る前に宿泊客が入った後の浴場で入浴するのだが、もうお湯は少ないし、汚れているし・・・、でかなり悲惨なものだった。
午後少し休憩があったと記憶しているけれど、遊びに行く元気など全くと言っていいほどなく、ひたすらベッドで休息、だった。一体何時間労働だったのだろう。12時間は優に超えていたと思う。まさに女工哀史の世界、時給に換算したら一体いくらだったのだろう。
体力勝負の仕事だというのに寝不足に加え、軟弱な私は何度も貧血で倒れたり、指を切ったり・・・と、それはそれは不向き極まりない申し訳ない劣等生アルバイトだった。
けれど、その時に頂いた7万円ほど(最低2週間だったか、もっと長くと言われたけれど、ほうほうの体で友人と引き揚げてきた。)はあまりにもったいなくて、長いこと手を付ける事が出来なかった。
その後、ファーストフードやら、洋服店の店員やら、宛名書きやら、翻訳やら家庭教師やら・・・と、社会勉強と称してひと通りやらせて頂いたが、やっぱり身体を使う仕事は不向きだな、ということは実感した次第である。
これから息子がどんなアルバイトを経験するのかわからないけれど、こうしてだんだん働くということ、社会の厳しさを実感していくのだと思う。
ところで、先月、取材を受けた新聞記者の方から、今日から始まった6回シリーズの2回目として、明日掲載するという連絡を頂いた。
毎日新聞・くらしナビで「がん・ステージ4を生きる:笑顔で過ごしたい」というもの。
明日20日の毎日新聞朝刊、よろしければどうぞご覧ください。
夏休みに短期アルバイトをする!ということで初めてタウンワークを見て申し込みをし、面接に行ってきたという。
何をするのか、と訊けば、3時間5,000円という時給の高さに惹かれて、なんと力仕事(内装資材搬入)なのだ、と。一番不向きではないか!鍛えてもいないのにいきなり怪我でもしては・・・と、過保護にも心配していたのだけれど、これも本人の為ということで、とりあえず夫と2人、グッと黙っていた。
昨日午後、面接が終わって、本人からLINEで報告がきた。
「ちょっと勤務は無理そう」という。「日程が合わないのか、きつそうなのか」と尋ねると、「朝6時に京都駅に集合で、防護靴等揃えるため初期投資に8,000円もかかる」と言われ、自分から保留にしてきたそうだ。
朝が弱いのは自分が一番判っているし、その時間に集合場所まで行くとなると、会館で朝食すら摂っていけない。
まあ、焦らず近所で探すように、と言ったところ「そうする」との答えだった。
結局、面接場所迄の地下鉄代往復520円は自腹で(当然だが)、本人、18歳にして初めての社会勉強となったようだ。
夏休み中に無計画にお小遣いを使い過ぎて、しかも下宿の食事も大学生協もお盆中はお休みで・・・ということで、かなり切羽詰まっていたようだ。けれど、「時給が良い=キツい、大変」という現実を垣間見ることが出来たなら、良かったことだ。
思えば、私も大学1年の夏休み、友人の紹介で富士五湖周辺の合宿所で住み込みのアルバイトをしたことがある。
旅館やホテルと違って夕食・朝食の2食だけでなく、昼食も含めて3食提供する宿だったので、地元の高校生や、もしかしたら湖で遊べるかも、と東京から安易に考えてやってきた大学生アルバイトたちは、朝早くから100人分くらいの朝食の支度。片付けが終わればそのまま昼食の仕込み、片付け、さらに夕食の支度、片付け。
大広間、見渡す限りに並ぶお膳にひたすら食器を並べ、肉を焼き、野菜を切り・・・。食事はお客さんたちの後に余り物。おかずが足りなくてふりかけだけ、などということもザラだった。ヨレヨレになって一日の仕事が終わって、蚕棚のような二段ベッドに入る前に宿泊客が入った後の浴場で入浴するのだが、もうお湯は少ないし、汚れているし・・・、でかなり悲惨なものだった。
午後少し休憩があったと記憶しているけれど、遊びに行く元気など全くと言っていいほどなく、ひたすらベッドで休息、だった。一体何時間労働だったのだろう。12時間は優に超えていたと思う。まさに女工哀史の世界、時給に換算したら一体いくらだったのだろう。
体力勝負の仕事だというのに寝不足に加え、軟弱な私は何度も貧血で倒れたり、指を切ったり・・・と、それはそれは不向き極まりない申し訳ない劣等生アルバイトだった。
けれど、その時に頂いた7万円ほど(最低2週間だったか、もっと長くと言われたけれど、ほうほうの体で友人と引き揚げてきた。)はあまりにもったいなくて、長いこと手を付ける事が出来なかった。
その後、ファーストフードやら、洋服店の店員やら、宛名書きやら、翻訳やら家庭教師やら・・・と、社会勉強と称してひと通りやらせて頂いたが、やっぱり身体を使う仕事は不向きだな、ということは実感した次第である。
これから息子がどんなアルバイトを経験するのかわからないけれど、こうしてだんだん働くということ、社会の厳しさを実感していくのだと思う。
ところで、先月、取材を受けた新聞記者の方から、今日から始まった6回シリーズの2回目として、明日掲載するという連絡を頂いた。
毎日新聞・くらしナビで「がん・ステージ4を生きる:笑顔で過ごしたい」というもの。
明日20日の毎日新聞朝刊、よろしければどうぞご覧ください。