ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.8.27旅行2日目 デリー観光、3つの世界遺産制覇、ジャイプール憧れの宮殿ホテルへ

2016-08-28 02:56:52 | 
 昨日のフライトは予定通りの離陸で順調。席はびっくりするほどガラガラで半分ほどしか埋まっていない。こんなに空いた飛行機に乗ったのは久しぶり。遅めのディナーを済ませた後は、映画を観る元気もなく、アイマスクとマスクでちょっと不審人物に見えるかも、と思いつつも少しでも眠る努力をする。フルフラットと160度の差を思った以上に感じ、足が重く、だるい。

 インディラ・ガンジー国際空港に到着。イミグレーションまで遠いこと遠いこと。荷物を持って延々と動く歩道を歩く。パスポートコントロールが終わると現地時間で日付が変わってしまった。お迎えのガイドさんに見つけてもらってツアーの方々とご対面。私たち夫婦以外に60代と思われるご夫婦が2組。6人で全員集合だ。

 空港の外に出ると、まとわりつくような湿気。暑い。夜中で29度だという。文字通り熱帯夜である。ドライバーさんとアシスタントさんを含め20人乗りのバスには総勢9名だ。空港を出て宿泊するホテルを目指す。

 ホテルでは空港さながらのセキュリティチェック。チェックインして部屋に入れたのは1時を回っていた。デザイナーズホテルと思しき洒落た部屋の作り。窓も天井も斜めになっており、遊び心いっぱいだが、そんな面白さに浸っている余裕もない。時差は3時間半だから日本時間では4時半。

 完徹状態ゆえ殆どよれよれの中、荷物整理をし、さて充電を、と変換プラグを出したらいきなりヒューズが飛んで、旅行中充電が出来ないかもという非常事態発生。真夜中だしフロントに問い合わせてもプラグの貸し出しはないとのこと。夫が必死に工作してなんとか事なきを得る。そんなこんなで、入浴後ベッドに入ってからチェックアウトまで僅か6時間もなかった。

 結局殆ど眠れずじまいでモーニングコールより早めに起き出す。足湯をする余裕もなく、そのまま朝食レストランへ向かう。
 初日からお腹を壊しては大変ということで、生野菜や果物などは我慢してすべて火の通ったものを少な目にチョイス。水分だけはたっぷり摂っていざ出発だ。

 今日の予定は午前ニューデリー観光の後、午後はジャイプールへの移動だ。ガイドのBさんは3年間日本大使館に勤めて日本語を学んだという、この道29年のベテランさん。日本人専門だそうで、流暢な日本語を操り、親父ギャグまで飛び出す。

 ホテルは空港近くだったが、街の中に入った途端、あまりの喧騒に驚く。車、バイク、オートリキシャと言われる黄色と緑のいわゆるオート三輪などで道路が溢れかえっている。さすが人口13億3千万の国だ。バスの中で、なぜインドに?と問われ皆口々に、世界遺産を見たかった、タージマハールを見たかったなどの声が上がる。いわく、インドに来る人は魂に呼ばれるがごとく、かつ(他の旅行が中止になったりして)突然決まるとのこと。

 わが身を振り返り、本当にそうだ、と驚く。実際同じツアーでもヨーロッパの予定がテロで変更という方もいらした。私も、こうしてインドに来るなどとは直前まで思ってもみなかったのだから。さらに驚いたことにガイドさんはヨガの先生でもあるという。うーん、やはり訪れるべくして訪れたのだろうか。

 小一時間して最初の観光地、レッド・フォートへ到着。赤い城またはラール・キラーと呼ばれているムガール帝国時代の城塞である。まだ朝早いせいか、殆ど誰もいない。写真を撮るだけの短い時間だったけれど、他に観光客がいないので、世界遺産も私たちだけの貸し切り状態だ。

 続いて同じく世界遺産のフマユーン廟へ。ムガール帝国の第2代皇帝フマユーンの墓廟だ。左右対称なシルエットが美しい、インド・イスラーム建築の精華のひとつと評され、その建築スタイルはタージ・マハルにも影響を与えたといわれているそうだ。赤土の壁と大理石のドームの組み合わせは、夕日に照らされると一味違うロマンチックな印象だというが、残念ながら今回は午前中の訪問。

 西門から入るが、お墓は南から入らないといけないということで、周囲をぐるりと回る。白い大理石で作られた墓石は仮のもので、真下にフマユーンや彼の妻など150人がともに眠っているという。庭園も緑が美しく、ピクニックやデートの人たちでそこそこ賑わっている。現地の方たちと私たちツーリストの入園料の余りの差にちょっとびっくり。

 そして、最後の観光ポイントはサウスデリーの端っこにあるクトゥブミナール。レンガ造りでは世界最高、高さ72.5メートルのミナレット(尖塔)。 1200年頃に奴隷王朝の建国者であるクトゥブッディーン・アイバクによって、クワットゥル・イスラーム・モスクに付属して建てられたという。鉄柱をぐるりと囲むモスクは27のものヒンドゥー寺院を壊して作ったものだそう。

 塔の壁面にはイスラムのモチーフとコーランが細かく刻まれており、その細かな仕事に感嘆する。0.3度ほど傾いているそうで、さしずめインドのピサの斜塔か。思わず支えるポーズをとって記念写真を撮影してきた。園内は緑豊かで色とりどりのサリーを身にまとった女性たちの姿も美しい。

 世界遺産3か所を回って3時間半が経過。ランチタイムは街のレストランでタンドリー料理を頂く。さすがに美味しい。数種類のカレーやお野菜たっぷり、チャパティや長粒米のご飯がとても美味。夫がよく食べてガイドさんから「○○さんは、インドに住めるね」と言われる。

 お腹一杯になったところで、バスは一路、またの名をピンクシティ、ジャイプールへ移動する。260Kmで6時間かかるという。昨夜からの寝不足と疲れで皆、あっという間に舟を漕ぎ出す。高速道路とはいえ、バスのクッションが良くないせいか、舗装が良くないせいかよく揺れる。

 そして、何よりクラクションの騒音が凄い。追い越すときには必ず鳴らすという決まりだそうだが、そこまで鳴らさなくても・・・といった感じ。目が覚めてしまう。驚くことに高速道路には何の柵も塀もなく、人が歩き、露店まで出ている。何より牛が道路を横切り、逆走しているが、どの車も避けながら進んでいる。

 牛だけではない。犬もヤギも羊も馬もラクダまで歩いている。もう日本の価値観などどこかへ飛んで行ってしまう。バイクも2人乗りは当たり前、3人乗りも珍しくなく、4人乗りも結構いた。小さな幌につかまって、明らかに重量オーバーでしなっている軽トラックも見た。凄いバイタリティというか圧倒的な存在感だ。さすが13億人。

 3時間走ったところでお手洗い休憩。ここでマサラチャイを頂く。暑い中、スパイシーな熱いお茶の美味しかったこと。バスの中で縮こまった手足を伸ばして少し元気になる。「午前中は涼しいので」とのことだったけれど、十分暑いではないか、と思ったけれど、やはり午後はとんでもなく暑い。だからこうして午前中に観光を済ませ、午後はひたすらエアコン付きのバスで移動するのが理に適っているのだろうとは思うけれど、さすがに強行軍だ。
 あと半分と言われ、再び3時間のバス旅だ。どんな動物が高速のきわを歩いていようが、挙句の果てはサルまで出てきたが、それさえもだんだん気にならなくなってくる。

 ようやくジャイプールの街並に入った。圧倒的な人の多さと滅茶苦茶な運転とクラクションの嵐。このワチャワチャした雰囲気に呑まれる。バスの中から彫りの深い方たちと目が合って、思わず構えたカメラを隠す。ガイドさんが言う通り、日が暮れると女性たちは姿を消し、男性ばかりになる。暗くなってからの女性の外出はかなり危険だという。同じアジアとはいえ、東南アジアとはやはり一線を画していると思う。
  
 6時間半近くかかってようやくホテルにチェックイン。今朝のチェックアウトから11時間半経過して、ようやく到着した憧れの宮殿ホテルである。セキュリティチェックを済ませると、笑顔の女性たちが香り豊かな生花のレイをかけてくれる。もうお姫様扱いである。冷たいおしぼりとウエルカムドリンクに癒される。
 ところが明日の出発時間を聞いてがっくり。今朝より1時間以上早く、ホテルには12時間もいられないのである。時間があえばヨガのクラスにもフリーで参加できると聞き、これまた残念なことこの上ない。


 最低限の荷物整理をしてから夕食へ。レストランも煌びやかで別世界。本当にさっきの街中と同じ国なのかと思ってしまう。ビュッフェディナーを頂き、ようやく部屋に戻ってきた。
 明日も早い。早く寝なくては、と思うけれど、思ったこと感じた事を今、書き留めておかなければどんどん忘れてしまうのがもったいなくて、こうして慌ててアップしている。
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