土曜日の夜。夕食後、軽く翌日の課題練習をした後、疲れを持ち越さないために早く寝ないと、と早めにベッドに入った。けれど興奮していたのか、疲れ過ぎていたのか、とにかく全く寝付かれない。結局、日付を超えてからも延々と眠れず。ウトウトしたかと思ったら目覚ましをかけた時間より1時間以上前に目覚めてしまい、その後も眠れず。うーん、試験前夜の学生か、遠足前夜の小学生にでもなった気分である。
修了に際して、クラス全員からのSさんへ感謝のサプライズ企画があり、少し早めにスタジオに到着した。冷え込んではいるが、修了式に相応しい青空のいいお天気だ。更衣室には既にオリジナルで作った世界で24枚だけのTシャツが並んでおり、自分のサイズを頂いて、袖を通す。綺麗なペパーミントグリーンで、メンバーのTさんがパソコンで手書きしたという、スタジオ名がうまく取り入れられた素敵なオリジナルデザイン。
ご他聞に漏れず、高校時代、大学時代と部活等でお揃いのTシャツやらトレーナーを作った記憶もあるが、当時(既に35年以上の月日が経っていることに驚く。)と違って世の中、本当に便利になったものである。火曜日の夜にネット注文して土曜日の夜に届いたという。これを下に着た後、パーカーなど羽織物で全員がTシャツを隠してスタジオ入り。Sさんが出席を取り終えるや否や、企画委員のNaさんが立ち上がり、パッと前を開いたタイミングで、皆で一斉にTシャツ姿になる!というイベントである。
皆が胸を開いてTシャツを披露した時のSさんの驚きっぷりは本当にチャーミングだった。そんなこんなで、最終日は始まった。
出席を取るのも今日で最後、取る方も取られる方も感無量だ。Sさんも早速その場でプレゼントしたTシャツに着替えてくださる。
お揃いのTシャツに身を包んだ私たち1期生は、一体感を醸し出す中、Sさんのリードのもと、瞑想タイム。
最終実技テストは、自分が作ったペーパーを見るのはOKだけれど、見方に注意して、美しく見るようにという注意があった。そして、全ての障害物を取り除いてくださいますように、と祈りを込めてガネーシャ・キールタンを皆で歌う。
早速4チームがスタジオ内で分かれて準備スタート。午前の「集中力を高める」クラスを担当する私たちダーラナ(1点集中)チームは、午後の「リラックス」クラス担当チームと向き合って先生役と生徒役になる。指示された時間どおりレッスンがスタート。
時計で時間を測りながら、各々が自分の持ち時間を頭に入れる。最初は初めのマントラと智慧の話をSさんが、続いて完全呼吸法と帰命敬禮・五体投地をKiさんが、マントラ付き太陽礼拝をNaさんが、魚のポーズや偉大なるムドラーをKさんが。4人のパートがとても穏やかに進み、いよいよ私のパートに。
当初の予定より5分近く早い。これは瞑想にたっぷり時間を取れる!ということで、ゆっくりスタート。バストリカ呼吸法とプラーナヤーマ、ソーハム瞑想、シャヴァーサナと繋ぎ、最後の10分を残して、キールタンとクロージングはトップバッターを務めたSさんに手渡す。不思議なほど違和感なく、すんなりと5人でバトンタッチ出来たという確かな手応えを感じる。タイムキーパーの音とともにジャスト90分で見事に終了。
レッスン終了後、すぐにフィードバックに入る。まずは先生役の反省から。リーダーのKiさんから各レッスン担当が感想を述べ、続いて生徒役チームのリーダー、実際にインストラクターをされているTさんから順に感想を言って頂く。
スタジオの反対側半分では、もうひとつのチームが同じように90分のクラス、フィードバックを行っている。声や話は聞こえているが、不思議なくらい今の自分に集中していた。
Sさんから講評は、「総じて良かった。時間を守れるのはインストラクターのスキルのひとつだから、両チーム時間ピッタリに終わったことは素晴らしい。先生役は存在自体が愛を感じる良い人たちであり、生徒役も優しく無心に参加しており、良かった。態度の悪い生徒はいい先生にはなれない、なぜなら、そういう人は先生になってもクラスでいい雰囲気を作り出すことができないからだ。良い先生は良い生徒だ、ということだ。喋りすぎず、瞑想ヨーガのクラスに必要な無言の時間が無意識に持てていたのが評価出来る。」というお褒めの言葉を頂戴した後、これから実際にインストラクターとしてステップアップして行くための段階をお話された。
ステップ1は曖昧な部分を覚えてから教えること、ステップ2は目配り、気配りすること、ステップ3は話す言葉とペースを意図的に選ぶこと、この3つがインストラクターのベース。ここまで出来たと思ったら、対価の支払いのあるクラスを持っても良いとのこと。プラスアルファのステップ4は、より良いインストラクターになるため、無言の時間に生徒の感覚が進化するような指導をを入れていくことだという。
いや~、自分を顧みればまだまだ堂々のステップ1で、とてもではない。道は果てしなく遠いが、それでも実に勉強になるお言葉である。
その他、具体的なアーサナの講評もあり、短い時間で実に厳しく暖かく観察しておられることに今更ながら舌を巻いた。
さて、午前の部が終わり、ランチタイム。今日で最後ということで、少し待ってもいいから、とタイ料理レストランを目指す。いつもご一緒するNさんに加えて、Hさん、Kmさん、Kiさんと5人で同じテーブルに座ることが出来た。ラッキーだ。偶然にも5人とも午前・午後と同じ側のスタジオ半分のメンバーだ。
そそくさと食事を済ませ、早めに戻って、修了式後にお渡しするサプライズのアルバムに貼る寄せ書きを渡したり、サインしたりしているうちにあっという間に昼休み終了。
午後も予告時間通りに、2つのチームによるリラックスクラスが始まった。今度は私たち5人チームが生徒役。午後の柔らかい日差しの中で気持ちよい90分を過ごすことが出来た。リラックスチームの先生役は、既にインストラクターをしているTさんがリーダー、自主的にワークショップを開催している方が2人、本当に大したものである。と同時に、そんな方たちの中に私なんぞが良くぞ入れて頂けているものよ、と改めてちょっと俯いてしまう。
もう半分の側のチームでは、終わると同時に感極まって涙、涙の方も。続いてSさんから全体の講評が。「全体として良かった。皆さん一人ひとりの人としての存在感がよく、生徒役もマントラがどんどん大きな声になり、満喫していた」とのこと。「初めてのポーズにチャレンジしたチームも素晴らしい。今回は1人でガイドしたのではなく、5人で行ったことで、上手くスイッチ出来るかどうか難しい部分もあったが、実際に1人でクラスを持つとき、“眼を閉じる”というリードをどのタイミングで入れるかが重要だというコメントがあった。
確かに1人でガイドをしていれば、既に目を瞑って行っている呼吸法の後、瞑想に入るときに敢えて、わざわざ目を開けてもらってから、もう一度眼を瞑ってとは言わないなあと思う。
こうして普段Sさんのクラスを受けながら、何の気なしに見聞きしていたことに一つ一つどれほど気配りがあり、意図をもってのことだったのか、あの状況でこんな所あんな所も見ておられたのだ、ということが判る。改めて感嘆するばかりだ。
そしていよいよ最後の1時間。まとめの課題である。
プリントが配布され、その場で自分の考えをまとめるようにとのこと。自分がヨーガをする理由、ヨーガを通じて伝えたいこと、どんな人たちのどんな役に立ったら嬉しいか、コースを受講して自分が得たもの、自分自身に起こった変化について、である。
記入後は、今日共にレッスンを行ったチームのメンバーに自分が書いたことを1分スピーチし、聞き手の4人からは自分の良い所、優れた所を言ってもらい、それを書き留める。悪い所を言われたときは一生忘れないものだが、良い所を言われても忘れてしまうので、必ず書き留めること、きちんと褒めてもらうこと、というお達しだ。
皆、とても個性豊かで、それぞれ凄い方たちだった。その観察眼、暖かな眼差しには今回本当に救われた。私も沢山褒めて頂き、こそばゆくも幸せな時間を過ごすことが出来た。
格好をつけて言わせて頂ければ、と前置きをして、健康な方たちと一緒にここまでこられることが出来て、仕事も治療も続けながら体調管理が出来たことが大きな自信になった。病人扱いせずに、ごく普通に仲間として対応してくださったことがとても嬉しかった。たとえ自分の命が明日で消えようとも、私は今日リンゴの木を植えるという気分だ。細く長くしぶとく生きて、これからもチャレンジを続けたいと思う、と感謝をお伝えした。
これで実技テスト、まとめテスト全て終了。20名全員が揃って無事修了ということに。
マットがスタジオ中央に2列に並べられ、10人ずつが向かい合って座って修了式。半年も一緒にいた仲間たち。言葉は要らないので、と静謐な中で、手を取り合いながら、少しずつ場所を移動していく。相手の幸せ、相手の大切な人たちの幸せを祈り、相手の瞳に映る自分の姿に一点集中しながら、ぐるりと一周して全員が修了証書を頂いた。
前期の修了証も併せて入れられるホルダーには、一人ひとり皆違うインドの神様のカードとSさんからの素敵なメッセージが添えられていた。なんと私は大好きなガネーシャ神だった。
気づけば、終了時間を30分ほどオーバーして修了式が終わり、そのままSさんにブーケや寄せ書き集などをプレゼント。ソフトドリンクで乾杯し、皆が差し入れてくれた沢山のお菓子で軽く打ち上げをした。
名残は尽きず、Sさんとガネーシャ像を抱っこしてツーショットで写真を撮って頂き、ここまで連れてきて頂いて感無量である、とご挨拶しながら言葉がうまく出てこなかった。Sさんからは「本当に素晴らしかったですね。この後の活動について、何か考えていますか」と問われ、「患者会の親しい人たちに、ボランティアで呼吸や瞑想を伝えられたら・・・」と口に出していた。
スタジオを後にし、自宅へと向った。
夫が最寄り駅まで迎えに来てくれて駅前で遅い夕食を摂った。打ち上げでのお菓子が効いたのかあまり食欲もなく、草臥れ果てて言葉が出ない。自分で好きなことをやってきたくせにテンションが低くて申し訳ないが、文字通り精も魂も尽き果てたバーンアウトといった感じ。
そんなわけで、帰宅後は「今日までありがとう、おかげ様で」というのが精一杯で、ろくに口を利くことすら出来ず、夫に呆れられた。最低限の片付けだけして、入浴後、早々にベッドに入った。
そしてまた新しい1週間が始まった。金曜日に休んだこともあり、朝から大車輪。今日も早く休みたい。
修了に際して、クラス全員からのSさんへ感謝のサプライズ企画があり、少し早めにスタジオに到着した。冷え込んではいるが、修了式に相応しい青空のいいお天気だ。更衣室には既にオリジナルで作った世界で24枚だけのTシャツが並んでおり、自分のサイズを頂いて、袖を通す。綺麗なペパーミントグリーンで、メンバーのTさんがパソコンで手書きしたという、スタジオ名がうまく取り入れられた素敵なオリジナルデザイン。
ご他聞に漏れず、高校時代、大学時代と部活等でお揃いのTシャツやらトレーナーを作った記憶もあるが、当時(既に35年以上の月日が経っていることに驚く。)と違って世の中、本当に便利になったものである。火曜日の夜にネット注文して土曜日の夜に届いたという。これを下に着た後、パーカーなど羽織物で全員がTシャツを隠してスタジオ入り。Sさんが出席を取り終えるや否や、企画委員のNaさんが立ち上がり、パッと前を開いたタイミングで、皆で一斉にTシャツ姿になる!というイベントである。
皆が胸を開いてTシャツを披露した時のSさんの驚きっぷりは本当にチャーミングだった。そんなこんなで、最終日は始まった。
出席を取るのも今日で最後、取る方も取られる方も感無量だ。Sさんも早速その場でプレゼントしたTシャツに着替えてくださる。
お揃いのTシャツに身を包んだ私たち1期生は、一体感を醸し出す中、Sさんのリードのもと、瞑想タイム。
最終実技テストは、自分が作ったペーパーを見るのはOKだけれど、見方に注意して、美しく見るようにという注意があった。そして、全ての障害物を取り除いてくださいますように、と祈りを込めてガネーシャ・キールタンを皆で歌う。
早速4チームがスタジオ内で分かれて準備スタート。午前の「集中力を高める」クラスを担当する私たちダーラナ(1点集中)チームは、午後の「リラックス」クラス担当チームと向き合って先生役と生徒役になる。指示された時間どおりレッスンがスタート。
時計で時間を測りながら、各々が自分の持ち時間を頭に入れる。最初は初めのマントラと智慧の話をSさんが、続いて完全呼吸法と帰命敬禮・五体投地をKiさんが、マントラ付き太陽礼拝をNaさんが、魚のポーズや偉大なるムドラーをKさんが。4人のパートがとても穏やかに進み、いよいよ私のパートに。
当初の予定より5分近く早い。これは瞑想にたっぷり時間を取れる!ということで、ゆっくりスタート。バストリカ呼吸法とプラーナヤーマ、ソーハム瞑想、シャヴァーサナと繋ぎ、最後の10分を残して、キールタンとクロージングはトップバッターを務めたSさんに手渡す。不思議なほど違和感なく、すんなりと5人でバトンタッチ出来たという確かな手応えを感じる。タイムキーパーの音とともにジャスト90分で見事に終了。
レッスン終了後、すぐにフィードバックに入る。まずは先生役の反省から。リーダーのKiさんから各レッスン担当が感想を述べ、続いて生徒役チームのリーダー、実際にインストラクターをされているTさんから順に感想を言って頂く。
スタジオの反対側半分では、もうひとつのチームが同じように90分のクラス、フィードバックを行っている。声や話は聞こえているが、不思議なくらい今の自分に集中していた。
Sさんから講評は、「総じて良かった。時間を守れるのはインストラクターのスキルのひとつだから、両チーム時間ピッタリに終わったことは素晴らしい。先生役は存在自体が愛を感じる良い人たちであり、生徒役も優しく無心に参加しており、良かった。態度の悪い生徒はいい先生にはなれない、なぜなら、そういう人は先生になってもクラスでいい雰囲気を作り出すことができないからだ。良い先生は良い生徒だ、ということだ。喋りすぎず、瞑想ヨーガのクラスに必要な無言の時間が無意識に持てていたのが評価出来る。」というお褒めの言葉を頂戴した後、これから実際にインストラクターとしてステップアップして行くための段階をお話された。
ステップ1は曖昧な部分を覚えてから教えること、ステップ2は目配り、気配りすること、ステップ3は話す言葉とペースを意図的に選ぶこと、この3つがインストラクターのベース。ここまで出来たと思ったら、対価の支払いのあるクラスを持っても良いとのこと。プラスアルファのステップ4は、より良いインストラクターになるため、無言の時間に生徒の感覚が進化するような指導をを入れていくことだという。
いや~、自分を顧みればまだまだ堂々のステップ1で、とてもではない。道は果てしなく遠いが、それでも実に勉強になるお言葉である。
その他、具体的なアーサナの講評もあり、短い時間で実に厳しく暖かく観察しておられることに今更ながら舌を巻いた。
さて、午前の部が終わり、ランチタイム。今日で最後ということで、少し待ってもいいから、とタイ料理レストランを目指す。いつもご一緒するNさんに加えて、Hさん、Kmさん、Kiさんと5人で同じテーブルに座ることが出来た。ラッキーだ。偶然にも5人とも午前・午後と同じ側のスタジオ半分のメンバーだ。
そそくさと食事を済ませ、早めに戻って、修了式後にお渡しするサプライズのアルバムに貼る寄せ書きを渡したり、サインしたりしているうちにあっという間に昼休み終了。
午後も予告時間通りに、2つのチームによるリラックスクラスが始まった。今度は私たち5人チームが生徒役。午後の柔らかい日差しの中で気持ちよい90分を過ごすことが出来た。リラックスチームの先生役は、既にインストラクターをしているTさんがリーダー、自主的にワークショップを開催している方が2人、本当に大したものである。と同時に、そんな方たちの中に私なんぞが良くぞ入れて頂けているものよ、と改めてちょっと俯いてしまう。
もう半分の側のチームでは、終わると同時に感極まって涙、涙の方も。続いてSさんから全体の講評が。「全体として良かった。皆さん一人ひとりの人としての存在感がよく、生徒役もマントラがどんどん大きな声になり、満喫していた」とのこと。「初めてのポーズにチャレンジしたチームも素晴らしい。今回は1人でガイドしたのではなく、5人で行ったことで、上手くスイッチ出来るかどうか難しい部分もあったが、実際に1人でクラスを持つとき、“眼を閉じる”というリードをどのタイミングで入れるかが重要だというコメントがあった。
確かに1人でガイドをしていれば、既に目を瞑って行っている呼吸法の後、瞑想に入るときに敢えて、わざわざ目を開けてもらってから、もう一度眼を瞑ってとは言わないなあと思う。
こうして普段Sさんのクラスを受けながら、何の気なしに見聞きしていたことに一つ一つどれほど気配りがあり、意図をもってのことだったのか、あの状況でこんな所あんな所も見ておられたのだ、ということが判る。改めて感嘆するばかりだ。
そしていよいよ最後の1時間。まとめの課題である。
プリントが配布され、その場で自分の考えをまとめるようにとのこと。自分がヨーガをする理由、ヨーガを通じて伝えたいこと、どんな人たちのどんな役に立ったら嬉しいか、コースを受講して自分が得たもの、自分自身に起こった変化について、である。
記入後は、今日共にレッスンを行ったチームのメンバーに自分が書いたことを1分スピーチし、聞き手の4人からは自分の良い所、優れた所を言ってもらい、それを書き留める。悪い所を言われたときは一生忘れないものだが、良い所を言われても忘れてしまうので、必ず書き留めること、きちんと褒めてもらうこと、というお達しだ。
皆、とても個性豊かで、それぞれ凄い方たちだった。その観察眼、暖かな眼差しには今回本当に救われた。私も沢山褒めて頂き、こそばゆくも幸せな時間を過ごすことが出来た。
格好をつけて言わせて頂ければ、と前置きをして、健康な方たちと一緒にここまでこられることが出来て、仕事も治療も続けながら体調管理が出来たことが大きな自信になった。病人扱いせずに、ごく普通に仲間として対応してくださったことがとても嬉しかった。たとえ自分の命が明日で消えようとも、私は今日リンゴの木を植えるという気分だ。細く長くしぶとく生きて、これからもチャレンジを続けたいと思う、と感謝をお伝えした。
これで実技テスト、まとめテスト全て終了。20名全員が揃って無事修了ということに。
マットがスタジオ中央に2列に並べられ、10人ずつが向かい合って座って修了式。半年も一緒にいた仲間たち。言葉は要らないので、と静謐な中で、手を取り合いながら、少しずつ場所を移動していく。相手の幸せ、相手の大切な人たちの幸せを祈り、相手の瞳に映る自分の姿に一点集中しながら、ぐるりと一周して全員が修了証書を頂いた。
前期の修了証も併せて入れられるホルダーには、一人ひとり皆違うインドの神様のカードとSさんからの素敵なメッセージが添えられていた。なんと私は大好きなガネーシャ神だった。
気づけば、終了時間を30分ほどオーバーして修了式が終わり、そのままSさんにブーケや寄せ書き集などをプレゼント。ソフトドリンクで乾杯し、皆が差し入れてくれた沢山のお菓子で軽く打ち上げをした。
名残は尽きず、Sさんとガネーシャ像を抱っこしてツーショットで写真を撮って頂き、ここまで連れてきて頂いて感無量である、とご挨拶しながら言葉がうまく出てこなかった。Sさんからは「本当に素晴らしかったですね。この後の活動について、何か考えていますか」と問われ、「患者会の親しい人たちに、ボランティアで呼吸や瞑想を伝えられたら・・・」と口に出していた。
スタジオを後にし、自宅へと向った。
夫が最寄り駅まで迎えに来てくれて駅前で遅い夕食を摂った。打ち上げでのお菓子が効いたのかあまり食欲もなく、草臥れ果てて言葉が出ない。自分で好きなことをやってきたくせにテンションが低くて申し訳ないが、文字通り精も魂も尽き果てたバーンアウトといった感じ。
そんなわけで、帰宅後は「今日までありがとう、おかげ様で」というのが精一杯で、ろくに口を利くことすら出来ず、夫に呆れられた。最低限の片付けだけして、入浴後、早々にベッドに入った。
そしてまた新しい1週間が始まった。金曜日に休んだこともあり、朝から大車輪。今日も早く休みたい。