ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2013.5.21 日々是進歩、切らずに完治?

2013-05-21 19:35:48 | 日記
 再発転移が判った時、いつだったか夫が重粒子線治療というのはどうだろう、と話をもちかけてきたことがあった。当時、重粒子線治療はピンポイントで病巣を狙うので、多発転移ではダメだし、乳腺は適応外だと思う、と答えたように記憶している。
 引き続き私自身は適応外だけれど、昨日、朝日新聞の医療サイトアピタルで、重粒子線治療について新しい話題が目に飛び込んできた。既にお読みになった方も多いとは思うが、以下転載させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)

乳がんでも重粒子線治療 体の負担少なく、臨床研究へ(2013年5月20日)【下司佳代子】

 がんの病巣だけを狙い撃ちする重粒子線治療による早期乳がん患者を対象にした臨床研究を、千葉市の放射線医学総合研究所(放医研)が実施する。20日、患者の募集を始めた。手術中心の従来の方法より治療期間が短く、体への負担も少ないという。
 放医研は1994年から、従来の方法では治療が難しい患者を中心に、前立腺がんや肺がんなどの約7300人に、重粒子線治療を実施してきた。
 様々ながんへの臨床研究を実施した結果、病巣に集中的に照射することで正常な組織へのダメージを最小限に抑えられ、1回の照射量を従来の放射線治療より増やせ、がんの増殖を抑える効果もより大きいことがわかった。肺がんの臨床研究では、2センチ以下の腫瘍(しゅよう)を安全で有効に治療できる線量が確認されている。
 乳がんは早期発見が多く5年生存率は約90%と高い。乳房の温存手術後、転移や再発を防ぐため、乳房全体への放射線治療や全身の薬物療法を組み合わせるのが一般的だ。治療成績がよいことなどから重粒子線治療の対象外だった。
 ただ、体への負担がより少ない治療を望む声が高まっていることから、今回は、乳房全体ではなく腫瘍だけの部分照射でも根治が期待できるタイプの患者に限って臨床研究を始めることにした。
 これまで治療を受けたことがない60歳以上の早期乳がん患者約20人が対象。腫瘍は大きさが2センチ以下で皮膚から5ミリ以上深い所にあり、転移がないことなどが条件になる。1日1回、4日間の治療で根治を目指す。原則として3カ月後に病巣を切って病理検査をする。数週間の通院が必要な従来の放射線治療に比べ、期間が短い。
 先進医療でも、早期乳がんと一部の再発乳がんを対象にした重粒子線治療を行う。対象となるのは、閉経後で、合併症で標準治療ができないなどの早期乳がん患者。再発乳がんは、転移が1カ所で薬物療法でも腫瘍がなくならなかった人などが対象。臨床研究と異なり、重粒子線治療の費用314万円は自己負担だが、入院や診察にかかわる費用には保険が適用される。
 いずれも主治医の紹介状が必要。詳しい条件などは放医研重粒子医科学センター病院のウェブサイト(http://www.nirs.go.jp/hospital/index.shtml)で確認できる。

(転載終了)※  ※  ※

 手術、放射線、化学療法が3大治療というけれど、そのうち本当に手術はしないで切らずに治す時代が来るのかな、と思う。早期で見つけることが出来れば、これまで温存手術後の補助療法として2グレイ×25回だった放射線治療が、たった4回の重粒子治療で済むのである。放射線治療それ自体は痛みもないし、10分寝ているだけという楽なものだけれど、それでも術後の体で、内服のホルモン剤を飲みながら週5日、5週間連続で毎日電車とバスを乗り継いで病院に通い続けるのはそれなりに負担だった。これが火曜から金曜の通院1回で済み、完治するとなれば本当に有難いことだろう。

 さらに多発転移でなければ再発乳がんさえも対象になるという。上記のウェブサイトを見ると、限局性再発乳がんでも薬物療法に抵抗性があり、(原則単発病巣が適応だが、)多発病巣でも同一照射野に含まれればOKのようだ。この治療を受けることで複数の臓器等に遠隔転移を認めない患者さんにとって、1か所しかない再発転移巣を消すことが出来れば、長期の予後が期待出来ることになるだろう。

 重粒子線医療は適応外、と諦めていた方たちが適応になるかもしれない。もちろん先進医療だから自費で300万以上がかかるとのこと。そうそう誰もが右から左に支払える額ではないけれど・・・。エビデンスのない民間療法や色々なサプリ等の出費も、何年も続ければ決して小さなものではない。この治療をすれば治るというなら、これに賭ける人も少なくないのでは、と思う。

 いずれにせよ、やはり諦めずに粘って治療を続けてれば、きっといいことがあるに違いない。そう信じて痛みにめげずにしぶとく生きなければ、と思う。

 今日は昨日の雨模様と打って変って夏日になった。裏地のあるジャケットを着て行ったため、暑いこと暑いこと。日傘はあったが、すっかり汗をかいてしまった。
 今日は、3年に1度、必ず受講しなければならない人権問題研修に参加。午前中会議の後、本庁まで出張した。このことについてはまた後日書きたいと思う。
 一方、息子は今日から週末まで4日間前期の中間試験。こうして学校の定期試験も残すところ前期期末、後期中間だけである。
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