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ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2009.11.10 ハーセプチン67回目、ゾメタ27回目 

2009-11-11 19:55:55 | 治療日記
 診察までに1時間待つ。「特に変わったこともなく、胸の痛みはあいかわらず、指のこわばりは少しよくなったように思います。」とご報告。「(指のほうは)慣れたのかもしれませんね。」とのこと。先週の採血による腫瘍マーカーの結果はまたまた上昇していた。3ヶ月連続だ。まだ正常範囲内ではあるが。原因はわからないので、治療を続けていくほかないが、「前回CTで画像上は特に変化なしだったし、症状も特に変わっていないのに、こういうことはあるのでしょうか。」と質問したところ、「まれにあります。骨の場合が多い。」とのこと。卵巣がんは腫瘍マーカーの上昇と症状等の相関度が高いが、乳がんはそれほどでもないそうだ。このままどんどん上昇するなら治療薬を変えるのもやぶさかではない、とのこと。ただ骨の悪化ということなら、痛みや骨折ということがなければ、即、命にかかわるわけではないので緊急にどうこうすることはないようだ。骨シンチで骨の悪化がわかっても、特に何か変える必要もないとのこと。タモキシフェン(ノルバデックス)は再発前に3年近く服用しているし、フェマーラも既に使っている。そのため、ホルモン剤のアロマシンをヒスロンに変更するかどうかは(前にも書いたことがあるが、いい薬だけれど食欲がとても出て間食が止まらなくなるとのこと、肌はつやつやになるのだが、あまり変えたくない、と先生もおっしゃる。)、もし正常範囲を超えるようになったら考えましょう、ということになった。最初にパソコンのマーカー推移グラフを見せて頂いたときは、殆ど正比例でぎょっとしたけれど、目盛りを調整してくださってカーブが少し緩やかになった。いずれにせよこのままのスピードで上昇すれば、年内に正常範囲を超える。気にならないといえば嘘になるが、気に病んでも仕方ない。次回の採血結果まで現在の治療続行となる。

 処置室に移ったが、点滴椅子が満席で30分ほど待つ。さらに今日は先週が祝日だったせいかかなり混んでおり、薬が届くまで1時間以上かかった。ようやく昼過ぎから4本の点滴。

 たっぷり時間があったので、今日の読書は2冊。1冊目は柳田邦男さんの『人の痛みを感じる国家』(新潮文庫)。「壊れる日本人-ケータイ・ネット依存症への告別―」、「壊れる日本人 再生編」に続く第3弾。匿名で中傷や攻撃を繰り返す人々、ゲームに汚染され心の発達が止まった子どもたちの話にあらためてぞっとする。また“他人の痛みは何年でも耐えられる、今、自分が毎日襲ってくる痛みをかかえるようになって、そのことを身に沁みて感じるようになった”という末期がんを患う精神科医の言葉が鮮烈。さらに、自分も息子に対して勉強も習い事もダブル・バインドをしてきたのでは、と反省。堀田力さんの解説もすばらしかった。
 2冊目は岡本裕一朗さんの『12歳からの現代思想』(ちくま新書)。これも息子対策で購入したが、コピペの話などもなかなかわかりやすく面白く読んだ。また私自身も、休職中外に本を買いに出られなかったときにネットで注文していたのだが、その後何かあると関連の書籍をメールでお知らせしてくれる、ということを経験するにつけ、“監視される生き方”には合点がいった。難しくないので息子も読んでくれるとよいのだが・・・。

 さすがに今日は朝の受付から会計を済ませた夕方まで長時間の病院滞在時間となり、昼食も点滴椅子でサンドイッチをかじることになった。かなり疲れた。

 おまけに、翌日は都内東部で朝いちの会議に出席する必要があったので、いったん帰宅して簡単に家族の食事の準備をした後、都心のビジネスホテルに前泊するために再度出かけた。すでに雨の予報が出ていたので、早朝、自宅から雨の中、2時間半通勤電車に立っていく元気がとてもなかったためだ。贅沢かもしれないけれど、これも現在の私の体調で、細く長く仕事を続けていくための自己防衛策である。
コメント
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