「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

藻岩山のスミレ

2009-05-31 12:06:48 | 藻岩山
珍しく、午後から休日出勤。野歩きは午前中勝負なのに、朝からあいにくの雨模様。

そうだ!  きょうは藻岩山に「スミレ」を探しに行こう。

ミヤマスミレ、タチツボスミレ、オオタチツボスミレなど、スミレの仲間は数多い。

で、いままで見たことがないのが、なにも枕詞がつかない、ただのスミレ。

ごく普通のスミレだが、札幌周辺ではあまり見かけない。いろいろ調べたら、藻岩山では五月末ころ、他のスミレの仲間が散った後に咲くらしい。

いつも歩いているルートにはないことがわかっているので、スミレの仲間が多いルートを歩いてみる。

小雨が煙る森を歩く。ランの仲間が数種類咲いていて、初夏の兆しを感じる。



40分ほど歩いて、引き返そうと思ったその瞬間、

「あっ、あった。咲いていた」

花弁が大ぶりで色が濃い。初めて見たが、すぐわかった。




他のスミレ類と違って、葉が細長いのが特徴なので、しっかりとその細長さも確認する。丈も高い。

目を凝らすと、花弁の奥にヒゲも。

最初の一輪に夢中になったが、目を先に向けると、まとまって咲いていた。



元祖・スミレを見たいなあと思ってから、何年になるかなあ。

去年も時期を逃して、願いかなわず。また、来年と楽しみを持ち越す。

一期一会というけれど、一年に一回の花期が巡るごとに、我が年齢も重なることを知る。

080525 エゾノタチツボスミレ

070527 オオタチツボスミレ アイヌタチツボスミレ ケタチツボスミレ ツボスミレ

八剣山で遊ぶ

2009-05-30 14:43:21 | 札幌・小樽周辺の山々
正午まで自宅に戻る用事があり、ジョウザンシジミを見ることに専念する。

北海道だけに生息するシジミチョウ。春と夏、2回羽化するが春羽が見事な青色だという。

去年7月に来た時、偶然に夏の個体と出会ったので、春の青を見たいと思った。



小さい上に、細かく羽を揺らすので、飛翔の行方を目で追うのがつらい。


時々、岩場にとまる。少々風があるせいか、羽はほとんど閉じたままで大きく広げない。



一瞬、開いた個体を見つけたが、さほど青いようには見えずに残念。

それでもどの個体も羽裏の赤帯が美しく、楽しい時間だった。



この山、爬虫類も多い。先日はシマヘビと出合ったが、この日はアオダイショウ。
長い。1メートルは超えていた。舌をちょろちょろ出して、スルスルと岩の間に姿を消した。




早や初夏の藻岩山

2009-05-26 23:24:36 | 藻岩山
(写真: コウライナンテンショウ)

目覚めて、早朝の藻岩山へ。午前6時半、ずいぶん大勢の人が登っている。

常連さんが多いようで、挨拶の声が相次ぐ。新緑がもこもこと勢いを増し、早くも

初夏の風情が漂う。花も季節の衣替え。コウライナンテンショウが妖しく輝いていた。

足元を見ると、エゾハルゼミが草の葉に。羽化して間もないのだろう。しっかりと爪を立てて、しがみついていた。


(写真: エゾハルゼミ)

進駐軍のリフト跡から、札幌の街の背景に、夕張岳や芦別岳がくっきりと浮かぶ。

空気が澄んでいて、姿はっきり。この時間ならではの絶景だ。


(写真: 右端が夕張岳)


午前7時7分、日差しが強まり、エゾハルセミが鳴き出した。静寂の森が初夏の喧騒に覆われていく。

たっぷりと深呼吸。

溶岩ドームに感動 樽前山(2)

2009-05-25 20:43:08 | 支笏湖周辺の山々
(写真:西山ピークと溶岩ドーム)

5月24日の樽前山・登山記録(2)

コメバツガザクラの群落に夢中になって登っていくと、青空がぐーんと近づく。

七合目の登山口から50分ほどで溶岩ドームを囲む外輪山に着く。

ぐるり一周の外輪山、左右どちらに進もうか。ここが分岐点となっている。

左にすくっと立つ西山ピーク(995m)、その背後に残雪をまとうオロフレ山、ホロホロ山と徳舜別山が美しい。

我が目が輝くことを、心で感じる瞬間だ。

(写真: 西山ピーク、左背後にオロフレ山、右にホロホロ山と徳舜別山)

ここは右側に10分ほど登る東山ピーク(1022m)を目指すことにする。

最高点の溶岩ドームへの立ち入りが禁じられているので、東山が事実上の「頂上」ということになる。

東山に一歩一歩近づくにつれて、溶岩ドームのはるか向こうに羊蹄山が見えてくる。縦じまの残雪が、どきどきするくらいに胸に迫る。


(写真: 溶岩ドームの背後をズームインすると、羊蹄山)


東山ピークは10人ほどの登山者でにぎわっていた。風が強く、汗が冷えたので山シャツにフリースを重ねた。


(写真: 東山ピーク)

強風の東山ピークをそこそこに、剥き出しの溶岩ドームを見ながら外輪山を一周することにする。

耳を澄ますと、噴煙の奥底からゴーという火山の息づかいが聞こえてくる。地球の鼓動だな、と思う。

西山ピークにはカメラや地震計など火山監視装置が設置されている。

さすがに展望も素晴らしく、支笏湖を囲む恵庭岳や漁岳が青空を刻み、見下ろす新緑の樹海はみずみずしい命の力に充ち溢れていた。



(写真: 西山ピークから見た溶岩ドーム。右側背景は東山ピーク)


(写真: 西山ピークから見た支笏湖と、その外輪山。右端は風不死岳)


(写真: 右側の恵庭岳と漁岳・小漁岳にズームイン)

■登山記録
10時50分:五合目ゲート
11時25分:七合目登山口
12時15分:外輪山の東西ピーク分岐
12時25分:東山ピーク
12時35分:東山ピーク出発
13時25分:西山ピーク
13時50分:西山ピーク出発
14時10分:樽前神社奥宮
14時25分:外輪山の東西ピーク分岐
14時55分:七合目登山口
15時35分:五合目ゲート

休暇村 支笏湖  700円
森の中の公共宿。温泉は2階にあり新緑が美しい。優しいお湯だった。


(写真: 帰路の湖畔から見た樽前山)


■過去の登山歴
02年08月03日 雨風強く途中撤退
02年09月15日
03年08月24日
04年06月06日 風不死岳~樽前山ルート
04年08月21日




コメバツガザクラ満開の樽前山(1)

2009-05-24 21:10:26 | 支笏湖周辺の山々
(支笏湖畔。左が樽前山、右が風不死岳)

天気予報によると、昼から晴れそうな支笏湖畔へ。きょうは、手軽だが1000m超の登山が楽しめる樽前山に登ろう。

札幌はどんよりとした曇り空だったが、支笏湖畔に入ると見事な青空が広がっていた。

樽前山には少々、雲がかかっていたが、登る頃にはきっと晴れているだろう。読みはばっちりと、気持ちも晴れやか。

登山口の七合目まで道路が延びているが、シーズン前ということで五合目のゲートが、閉じられていた。

2キロほどの林道歩きも白樺の新緑ロードが楽しく、苦にならず。


(写真:五合目ゲートから七合目までの林道歩き)

七合目の登山口から少し登ると、すぐに森林限界に達し、活火山の山肌がむき出しになる。荒々しい砂礫が続くが、ところどころ淡いピンク色に染まっていた。

コメバツガザクラ。その名のように米粒のように小さな壺型の高山植物だ。春一番に咲くこの花が見たかった。

ひとつ、ひとつは小さくても数が集まると、広い絨毯となる。その群落は山のいたるところで、大きく広がっていた。


(写真:斜面を染めるコメバツガザクラの群落)


(写真:砂礫帯に咲く コメバツガザクラ)


(写真:コメバツガザクラ)











2009年登山記録

2009-05-23 22:56:20 | 2006年~2010年登山記録

2009年の登山記録。札幌市内の藻岩山、円山、三角山を除く。

【23】10月12日シャクナゲ岳

【22】09月27日武利岳①②

【21】09月20日:十国峠~音更山①  

【20】09月12日:旭岳~間宮岳~裾合平①  

【19】08月09日:天人峡~化雲岳①  

【18】08月02日:手稲山

【17】07月12日:緑岳~白雲小屋~高根ケ原①   

【16】07月11日:長官山(長沼町)

【15】06月28日:赤岳~小泉岳~白雲小屋① 

【14】06月27日:ホロホロ山

【13】06月20日:岩内岳

【12】05月24日:樽前山① 樽前山②

【11】05月10日:濃昼山道
              
【10】05月09日:八剣山

【09】05月06日:写万部山

【08】05月05日:真駒内の桜山

【07】05月04日:北広山

【06】04月29日:嵐山

【05】04月29日:突哨山

【04】04月19日:室蘭岳  地球岬

【03】04月11日: 蓬莱山~中山(幌滝山)

【02】03月29日:支笏湖畔の幌平山  オコタンペ湖

【01】01月24日:モエレ山(札幌市東区)



鴨々川のバードウォッチング

2009-05-13 21:49:06 | 鴨々川の自然
(写真: エゾヤマザクラとマガモ 5月2日)

五月晴れの鴨々川・通勤路が楽しい。遅刻しないようにデジカメと格闘している。

5月初めはエゾヤマザクラが色鮮やか。北に帰らずに居ついたマガモとサクラの組み合わせが面白い。

エゾヤマザクラが散ると、すかさずにヤエザクラが咲く。こちらは一段と色鮮やか。ヒヨドリがとまっていた。

(写真: ヤエザクラ咲く 5月12日)


(写真: ヤエザクラとヒヨドリ 5月13日)


本州からシベリアに帰るツグミも、しばしの休息か。

タンポポが咲く草地で、落ちている種子を食べて体力を蓄えいる。


(写真: 北帰行のツグミ 5月12日)


シメは警戒心が強く、ちょっと近づいただけで飛び去っていく。川で水浴びしたりしながら、10数羽の群れが数日間滞在している。

きょう、やっと1枚の写真が撮れた。

シメはシベリア、もしくは、北海道で繁殖するという。

君たちは、道産子? それとも、さらに北へと帰っていくのか。


(写真: 警戒心の強いシメ 5月13日)




春もみじの濃昼山道

2009-05-10 20:30:30 | 増毛・樺戸の山々
                 (写真: 濃昼山道の山並みと厚田漁港)

去年歩いた濃昼(ゴキビル)山道が楽しかったので、再訪した。日本海に面した石狩市厚田の旧山道で、

山桜良し、春もみじ良し、ヒメギフチョウが舞い、ギョウジャニンニクが春の匂いを奏でる。

まずは、厚田漁港の朝市を歩いて、ホッケの開き、ニシンの燻製などを買って夜のビールに備える。

山道を歩くと、ヒメギフチョウは道端ぎりぎり、低いところを飛んでいた。オオタチツボスミレやニリンソウの蜜を吸うのに忙しい。

幼虫が食べる食草のオクエゾサイシンが、地面すれすれに紅色の花をつけていた。

葉に毛虫を見つけた。おそらくヒメギフチョウの幼虫だろう。

産みつけられた卵は10日ほどで、こうした幼虫になるという。


(写真: オオタチツボスミレとヒメギフチョウ)


(写真: ヒメギフチョウの食草、オクエゾサイシン)


(写真: ヒメギフチョウの幼虫)


山中で電力会社の鉄柱の保守点検作業と出会ったが、同行者がライフル銃を携行していたのには驚いた。

「クマ出ますか?」と尋ねると、「きょうはその傾向はないが、早朝からの作業なので・・・」ということだった。

ヒグマの行動が活発な早朝と夕方には注意が必要だ。



(写真: 保守点検作業の電力会社関係者)


写真を撮るとき、送電線が邪魔だなあと思ってきた。

が、こうした地道な苦労で電気が家庭に届くのだと知ると、送電線も電柱も愛おしい。

思い切って、写真の真ん中に入れ込んでみた。


(写真: エゾヤマザクラと電柱)


山道からの展望は、去年はエゾヤマザクラの満開にドンピシャだったが、今回は終盤。

その分、春紅葉が濃さを増していて、本当の秋を連想させる見事な色づきだった。


(写真: 海岸線と春紅葉)


(写真: 春紅葉にズームイン)


1時間半ほどで、濃昼峠(357m)に。標識が新しくなって立派だ。

周辺にはギョウジャニンニクも。鼻を近づけてみると、力わく春の匂い。


(写真: 濃昼峠の新標識)


(写真: 日当たり斜面のギョウジャニンニク)


■登山記録
11時40分:入山
13時10分:濃昼峠(357m)
13時45分:下山開始
15時40分:入山口に戻る

■過去の登山歴
08年5月3日サクラ満開の濃昼山道


 石狩温泉 番屋の湯 600円
「えりの湯」から、以前の名前「番屋の湯」に戻っていた。大変なにぎわい。
茶褐色の特徴のあるお湯で、露天は日本海から吹く潮風の匂いがいい。




春紅葉から新緑へ 八剣山

2009-05-09 18:34:11 | 札幌・小樽周辺の山々
南区の八剣山(498m)は寝坊した時に、登るヤマと決めている。

低山ながら、切り立った岩峰から望む光景が身ぶるいするほど、高度感に満ちている。

午後2時すぎに入山。春一番の花は終わっていて、林床は少々寂しい。フデリンドウとエゾキケマンを一輪づづ見つけた。


(写真: フデリンドウ)


(写真: エゾキケマン)


「かさっかさっ」と左手の斜面で小さな音がした。

長さ70センチほどの細身のヘビだった。君の名は?

帰宅してインターネットで調べたら、赤い目と体の黒い線からシマヘビと判明。

マムシでなくてよかった。


(写真: シマヘビ)

岩場に出ると、ヒオドシチョウが陽だまりで羽を休めていた。成虫で越冬して春を迎えるチョウだ。

この蝶は、下山時も同じ場所で日光浴。テリトリーをはっていたことがわかる。


(写真: ヒオドシチョウ)

山頂から望む森は、春紅葉から新緑へと衣替え中。

日に日に緑が勢力を増して、早くも初夏への序章すら漂う。


(写真: 山頂)


(写真:眼下の森は春もみじから新緑へ)





■登山記録
14時10分:南口コースから入山
14時55分:山頂
15時25分:下山開始
16時00分:登山口に戻る

■登山歴
02年06月09日
03年08月02日
04年10月09日
05年05月28日
06年09月02日初秋の八剣山
08年07月13日夏の八剣山



長万部の写万部山(しゃまんべやま)に登る

2009-05-06 22:53:23 | 道南の山々
          (写真: 酪農地帯に構える写万部山)

連休最終日の6日、「1000円高速道路」を活用して、道南の長万部町へ。

道央道の樽前から登別東までの車窓が楽しい。

枯れ木色の小高い雑木林にコブシの白、エゾヤマザクラのピンク、そして芽吹きの萌黄色が淡く浮かぶ。

三色が朝の順光に優しく照らされ、まさに山笑う。春もみじの光景が続く。

樽前山、ホロホロ山、オロフレ山などの白い屋根も輝いている。到着する前に、すでに大満足。

目的の写万部山(498.8m)は、頂がすくっと空に突き出す端正な姿を見せていた。低山ながら一等三角点があり、四方の展望が素晴らしいという。。


笹刈りの道を登り始めてまっさきに出迎えてくれたのは、はっとするような濃い青紫色のフイリミヤマスミレ。

群落が点々と続く。


(写真: フイリミヤマスミレ)


六合目で尾根に出ると、ぐんと太平洋の視界が広がる。尾根道にはカタクリが、終盤の輝き。

そして、ちらほらとフギレオオバキスミレが咲き始めていた。


(写真: 六合目から八合目を見上げる尾根道)



(写真: 咲き始めたフギレオオバキスミレ)


頂上直下の九合目で、大平山と長万部岳の白い連なりが青空を刻み、思わずため息が出る。「来て良かった」と。

そして、右に太平洋、左端に冠雪した羊蹄山と昆布岳の展望が広がる。



(写真: 右端が大平山、左端が長万部岳)



(写真: 左端に羊蹄山と昆布岳。右端が太平洋の静狩海岸)

頂上には一等三角点と天測点。

羊蹄山に加えて、目国内山などのニセコ連峰も一望できる。


(写真: 写万部山の山頂。左端が目国内山)

下山時に先行の女性ふたりが、尾根道に散らばる枯れた笹の葉をよけていた。出てきたのは、開き始めのシラネアオイ。芽キャベツのような葉っぱが愛らしい。

その存在、登っている時には全く気づかなかった。

「生育を促すために日を当てているのですか?」と聞くと、「週末に山開きで大勢の人が登る。踏まれないように目立たせた」との返答。

心優しき仕草に、ちょっと感銘。山旅の楽しみは、ここにあり。


(写真: もうすぐ咲くよ!シラネアオイ)

■登山記録
10時25分:入山
11時00分:六合目、尾根道に出る
11時30分:山頂

12時05分:下山開始
12時40分:登山口に戻る

 長万部温泉 丸金旅館 500円
シラネアオイのつぼみを教えてくれた女性に、お勧めの日帰り温泉を尋ねたら、教えてくれた。
源泉かけ流し。熱くてぬくもる、スベスベの実にいいお湯だった。









真駒内公園カタクリの里

2009-05-06 20:50:27 | 自然公園/原野/海浜
(写真:サクラ引越のご案内)

5日、真駒内桜山からエドウィン・ダン記念館に向かう途中で、面白い看板を見つけた。

「市有地を売却した。長年親しまれてきたサクラはエドウィン・ダン記念公園に引っ越した」という内容。

なんかいい話だなあ。

公園には、確かに引っ越してきたエゾヤマザクラが懸命に花を咲かせていた。

地域に暮らす人たちと、行政の人たちの顔が見えてくる。そういえば、ダン記念館の運営も町内会の人が担っていた。


(写真:公園に移植されたエゾヤマザクラ)

ダン記念館から「真駒内グリーンハイツ歩道橋」を渡って、小高い真駒内柏丘へ。そこから真駒内公園に下る。


(写真:真駒内川にかかる真駒内グリーンハイツ歩道橋)


真駒内公園はダンが尽力した種畜牧場の跡地だという。豊平川と向き合う断崖の斜面にカタクリが咲く。

04年5月以来、5年ぶりに訪れると、花がずいぶんと増えて群落になっていた。

地域の人が笹刈りや間伐をして、カタクリの生育を促したという。

「カタクリの里」という看板に2年ががりの取り組みが記されていた。

また、いい話に出会った。



(写真:真駒内公園カタクリの里)



(写真:きれいな花が多かった)



(写真:奥の小高い森にカタクリの里がある)


(写真:真駒内公園のサクラも見事だった)


真駒内桜山を歩く

2009-05-05 18:18:51 | 札幌・小樽周辺の山々
(写真:入山は駅から200m進むと、階段がある)

真駒内桜山。以前から気になっていた地下鉄真駒内駅の裏山だ。

南北に細長い丘陵で、桜山というその名に魅かれて歩いてみた。

一歩踏み入れると、ミズナラやカエデ等がつくる、しっかりとした雑木林が広がっていた。

ふかふかした落ち葉が森の豊かさを示していて、心地よい空間だ。


(写真:心地よい雑木林)

遊歩道は4キロほどあるそうで、森の中を網の目のように広がっている。

正式名称は「真駒内保健保安林」で、オリエンテーリングや歩くスキーにも利用されているという。

尾根を歩く「上の道」と、地下鉄シェルター横を歩く「下の道」が基軸で、その間をいくつもの踏み跡が絡まっていた。

気ままに一時間半ほど歩く。



(写真:多くはないがエゾヤマザクラが咲く)

円山や藻岩山と比べると、芽吹きが遅い。

林床に春一番に咲くナニワズも、咲いたばかり。オオタチツボスミレはつぼみだった。

日当たりの差なのだろうが、同じ市内でも春のテンポが違うことを知る。


(写真:オオタチツボスミレ)



(写真:地下鉄シェルターと桜山)


人の生活のすぐ近くに、小さいが守るべきものが残されていることに、人間の叡智を感じた。

住宅街を歩いて、次の目的地「エドウィン・ダン記念館」に向かう。

明治6年に来日したエドウィン・ダンは日本の牧畜、酪農の祖で、真駒内は広大な種畜牧場だった。

ダンの功績を顕彰する記念館前に樹齢120年というオンコがある。そのオンコの老木にエゾヤマザクラが咲いていた。さくら色が映える五月晴れに感謝。

実生(みしょう)という現象ということで、サクラの種子がオンコの幹に根付いたわけ。

サクラも見事だが、記念館内の展示物も造詣が深く、あっというまの1時間。

館内にあった昭和初期の地図にも「櫻山」とあり、小さな雑木林が昔から地域のランドマークだったとことがわかる。




(写真:オンコから生えたエゾヤマザクラ)




北広山に登る 

2009-05-04 15:56:38 | 札幌・小樽周辺の山々
札幌の隣町、北広島の北広山(485m)へ。近くて低いので、今まで登ったことがなかった。林道ゲート前には、ヒグマ注意の標識が。

「一帯は頻繁にヒグマが出没しており、支笏湖・定山渓間の散歩道と推定されます。入山される場合は大変危険ですので十分注意してください」

「大変危険」とは困ってしまうが、「散歩道」という表現が素敵だ。タケノコ採りの人に対する警告だと解釈。


(写真:雪解けの川辺に咲いていたフキノトウ)


山というよりは丘陵、森というよりは林。笹の勢いが強い登山路は、見通しが良くない。

これだけ笹が濃いとタケノコもいっぱいとれるのだろうなと納得。

少々残雪があり、ルートを見失わないように注意して進む。

時折、樹間からのぞく札幌近郊の山々の白い屋根がとても美しい。

50分ほどで山頂に。支笏湖畔の漁岳から札幌南区の空沼岳の展望が良い。

残雪を伝って、眺望の良いところを探した。

市内の藻岩山から定山渓の山々や無意根山、そして支笏湖畔の漁岳までが一列につながった。

この広がりは原始のサッポロを見た思い。

雪がないと背丈の高い笹が起き上がって、このポジションは得られなかっただろう。きょう、登った一期一会に感謝。

登山者は自分ひとり。なんと贅沢なことか。


(写真:右が空沼岳、左が漁岳 白樺の木が北広山の山頂)


(写真:右が藻岩山、左が無意根山 )


(写真:無意根山にズームイン)


そして、山頂の目前に有刺鉄線で囲まれた自衛隊の演習場が広がる。

通信施設のレドームの背景に構える恵庭岳が圧巻だ。

島松山(506m)の頂上はこのレドームのあたりらしい。



(写真:有刺鉄線の左側が演習場)



(写真:島松山の自衛隊レドームと恵庭岳)

山頂には30分ほど滞在して、下山する。

改めて、木々に取り付けられたピンクのテープが多いことに気づく。

展望の良い積雪期に大勢の人が登っているのだろう。


■登山記録
10時40分:入山
11時10分:白樺平
11時30分:山頂
12時00分:下山開始
12時30分:登山口に戻る





サクラ咲く円山

2009-05-03 18:28:46 | 円山
(写真:円山に自生するエゾヤマザクラ)


どんよりとした曇り空。午後になって少し日が差し始めたので円山へ。

まずはスミレサイシンが咲く斜面を確認する。花も葉も大型のスミレだ。

思ったとおりに、いつもの場所に咲いていた。

(写真:スミレサイシン)


山は予想以上に若葉に包まれていた。

きのうの藻岩山より、はるかに春が進んでいて、少々びっくり。

カツラも芽吹きの紅ではなく、萌黄色の小さな若葉になっていた。

日に照らされると黄金色の雨滴のように輝く。

エゾヤマザクラも個性的な濃いさくら色で、山の春を彩っていた。

ぐるっと円山を回って、北海道神宮へ。大勢の花見客でにぎわっていた



(写真:萌黄色の森)



(写真:北海道神宮)


屋台で生ビールと焼きそばを楽しむ。最近、オープンしたばかりの商業施設でウィンドショッピングして帰宅。

登山靴で往復5時間、足まわりがしっかりしていたので、疲れ知らず。

円山の花見(08年4月27日)

円山のカツラ(07年5月6日)


芽吹きで淡く染まる藻岩山 

2009-05-02 21:19:38 | 藻岩山
(写真:白い手稲山を背に、芽吹きの藻岩山)


午後から仕事があるので、藻岩山の中腹、「馬の背」まで登る。

平地は桜が開花してにぎやか。しかし、期待していた山路のさくら色はお預け。

少々の標高の差でも開花の時間に差があることを知る。

山全体は水彩画のように淡く染まり始め、白と萌黄色と紅色が散っている。

白はキタコブシの花。エゾヤマザクラに先駆けて山を彩り、春の訪れを告げる。

花を青空に突き上げて、日差しを浴びて輝いている。

萌黄色は何の木かしら?

紅色はカツラの芽吹きだ。


(写真:キタコブシの花)



(写真:山肌を紅色に染めるカツラの芽吹き)

きょうは気温20度を超えるという。

わずかに残った雪を渡るとき、

冷気がすくっと吹きつけ、汗ばんだ肌を優しく包んでくれた。