「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

伏美岳から日高の大展望

2011-06-26 22:58:02 | 日高の山々

 芽室町上美生から見た山並(右からピパイロ岳~伏見岳~妙敷山)

 

2011年6月26日 伏美岳(1792m)の登山記録

 

北日高の大展望を期待して十勝の伏美岳へ。午前6時過ぎに登山口に着いたら、すでに満車状態。

この時期は残雪がゼブラ模様を刻む、人気殺到の山と知る。

急登を黙々と進むと、やがて緩やかな針葉樹林帯に。

ムラサキヤシオやチシマザクラが目を和ませてくれる。

ミヤマカラスアゲハやキアゲハが盛んに飛び交い、吸蜜に忙しい。

 

ムラサキヤシオに吸蜜するミヤマカラアゲハ

チシマザクラ

 

九合目付近で、ようやく北日高の展望が開けてくる。

妙敷山(おしきやま)の向こうに札内岳の長い稜線。

連なるエサオマントッタベツ岳の鋭鋒の両側には氷河が刻んだカールがくっきりと。

かつて日本に存在していた氷河の名残り。その名を知っていても、実際に見たのは初めてだ。

「これがカールか」と直感が胸を突くのは、スプーンでえぐったような異形のせいか。

窪みに雪が残っていて、その雪形は猫が笑っているかのようだ。

新緑の妙敷山の右手に札内岳~エサオマントッタベツ岳

エサオマントッタベツ岳~稜線の両側に氷河にえぐられたカール

 

登山口から3時間弱で山頂に。

日高山脈・最高峰の幌尻岳と三つのカールを抱える戸蔦別岳が並ぶ。

日高の核心部を一望する光景に、30人ほどの岳人が歓声をあげる。

時間を立つのも忘れて1時間20分も滞在。

氷河期に北方から渡って来たナキウサギがピィと金属音を響かせた。

 

伏美岳山頂

幌尻岳(左)から、鋭鋒の戸蔦別岳を経てピパイロ岳(右)の稜線

日高の最高峰・幌尻岳

カールを抱える戸蔦別岳

氷河期の遺存種 ナキウサギ

 

■登山記録

06時30分:入山  急登が続く

07時25分:緩やかな尾根歩き

07時45分:五合目

08時15分:七合目

08時55分:九合目

09時10分:山頂   上り2時間40分  

10時30分:下山開始

12時30分:登山口に戻る  下り2時間

樹海温泉 はくあ  500円

温泉どこにしようかと迷いつつ走り続けたら日勝峠を越えてしまう。鵡川町の公共温泉にて、一服


ウスバスミレ咲く徳舜瞥山

2011-06-18 20:48:08 | 室蘭・登別周辺の山々

  

2011年6月18日(土) 徳舜瞥山(1309m)の記録

この時期、花が愉しい徳舜瞥山へ。鉱山跡の登山口から広葉樹とアカエゾマツ の混交林に入る。

苔むした林床にはミツバオウレン、コミヤマカタバミが白い花畑を点々とつくる。

うす暗い森で微笑む妖精のようだ。

 

アカエゾマツが混じる森

ミツバオウレン

コミヤマタバミ

 

数十分歩いたところで、白いスミレに出会う。

ウスバスミレだ。

ひとつ、ふたつと咲いていて、歩を進めると小さな群落をつくっていた。

白い花弁を恥じらうかのようにお辞儀して、初夏の森を静かに飾っていた。

暗いので光を探しての撮影。

何人かの登山者が白いスミレに気を止めることもなく、通り過ぎていく。

もったいないなと思う。

針葉樹の森に咲くウスバスミレ

紫色の筋も美しい

 

 花弁の付け根の「距」は短く太い

 

森を抜けるとハイマツ帯になり、チシマザクラに彩られた稜線を登りつめると山頂に。

すぱっと切り立った崖が高度感満点。

雲の多いもやもやとした大気ながらも、目を凝らせば洞爺湖や支笏湖、その周辺の山々が壮大に連なる。

ミヤマアズマギク、ミヤマダイコンウ、ミヤマオダマキと、なぜかその名にミヤマのつく花が多い。

わずかながらチングルマやイワウメも咲いていた。

山頂

ミヤマアズマギク

 

ミヤマダイコンソウ

徳舜瞥山のピークから隣のホロホロ山までは、片道30分の稜線歩き。

シラネアオイやハクサンチドリに彩られた楽しいフラワーロードで、チシマザクラの淡い紅色も素敵だ。

初夏の花見を満喫する。

ホロホロ山の頂は思いのほかの強風で、支笏湖方向からの強い雲流が高山の凄みを見せてくれた。

徳舜瞥山から望むホロホロ山

 

ホロホロ山直下のチシマザクラと徳舜瞥山

 

ホロホロ山から見た支笏湖方向

 ■登山記録

07時30分 鉱山跡の登山口から入山(すでに五合目)

07時55分 六合目(水場)

08時50分 七合目(廃路との合流点)

09時20分 九合目(見晴らし台)

09時45分 徳舜瞥山 山頂(~10時15分) ※上り2時間15分(写真撮影30分含む)

10時45分 ホロホロ山 山頂 

11時05分 下山開始

13時15分 登山口に戻る

 

北湯沢温泉 御宿かわせみ

長流川に面した大きな露天風呂が野趣満点。混浴注意。

日帰り入浴500円

■これまでの登山歴

04年06月05日 徳舜瞥山~ホロホロ山

09年06月27日 ホロホロ山 

 

 

 


セミ時雨の円山

2011-06-18 20:46:48 | 円山

6月11日の円山:

小雨が煙る円山は緑がみずみずしく、空気のひとつひとつに新鮮なチカラを感じる。

登山路にはオドリコソウやコンロンソウといった、初夏の白い花が咲く。

道も白く染まっていた。見上げると高い樹に白い花がいっぱい。名前がわからず。

この樹は頂上にも数本。

帰路は日差しに恵まれ、セミの大合唱が、どしゃぶりのように降ってきた。

木々に目を凝らしても、声はすれどもなかなかその姿を見つけることができない。

草の葉にとまっていた一匹を撮影。羽化からまもないのか、元気がなかった。

 

白い花を咲かせる樹

オドリコソウ

カツラを照らす夏の光

エゾハルセミ


コムクドリの子育て

2011-06-02 21:29:58 | 鴨々川の自然

エサを探すコムクドリ

 

通勤路の緑地。エゾヤマザクラ、ソメイヨシノが散り、続くヤエザクラも早や終盤。

季節が速い。

ひと雨ごとに木々も草地も青々と姿を変え、初夏へと衣替えが進む。

ギィー、ギィーと野鳥の声が甲高い。今年もコムクドリの子育てが続いている。

雄雌のペアがひっきりなしに虫を捕まえては、巣に運ぶ。ヒナは興味津々に外界をのぞく。

この時期の通勤が一番楽しい。

コムクドリのヒナ