「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

北大雪  紅葉の武利岳に登る(2)

2009-09-30 22:48:12 | 北大雪
                                   (写真:8合目から見た山頂)

8合目に達すると、武利岳の山頂が全容を現す。ここから先は岩尾根で登山路が狭い。左右の斜面もスパッと切れていて高度感もある。

どちらかというと、気持ち的には苦手なタイプ。山登りが好きなのに、狭くて高度感満点というのが、正直なところ少々怖い。

まあ、慎重に進もう。時折、両手両足をフルに使う。登り応えはあるが、思ったより恐怖感はなく、なによりも無風だったのが幸い。

たわわに実ったコケモモもの真紅が、緊張感を大いに和らげてくれた。



(写真: コケモモ)

9合目からは、旭岳を主とする表大雪の大展望が出迎えてくれる。目指す武利岳の山頂には数人の人影も。あと少しの道のりを、丁寧に登っていく。

日が陰っている場所では、ウラシマツツジやコケモモに降りた霜が残っていた。

冷え込んだ高山の朝ならではの、登山者への小さなプレゼント。ありがたく目に焼き付ける。




(写真: 9合目 背景に表大雪の山並)




(写真: 霜降り)

登山口から3時間半ほどで山頂に。今回見たかった表大雪の山々はうっすらと初冠雪を残していた。2週間前の降雪だ。

歩いてきた道を振り返ると、平野の先はオホーツク海。大雪山と海という組み合わせが面白い。

休んでいた4人のグループは4時間半かけて、武華岳の登山口から来たという。


(写真: 武利岳の山頂)



(写真: 旭岳を中心とした表大雪の山並にズームイン)


山頂から武華岳(07年10月6日の武華岳)に向かう縦走路の西に小高いピークがある。こちらのほうが表大雪の見晴らしが良さそうだ。リュックを置いて出かける。

秋の高い空の下に、旭岳からトムラウシ山までが横一線に連なる。左手には石狩連峰、ニペソツ山などの東大雪の山々も浮かぶ。

武華岳方向からは次々と登山者がやってきて、この山の密かな人気を知る。

次第に混雑してきたので、後ろ髪惹かれる思いで下山することに。



(写真: 西隣ピークから見た表大雪の大展望)





(写真:武華岳と背景の東大雪の山々)

■登山記録
07時15分:丸瀬布コース登山口
08時10分:3合目
08時50分:5合目
10時05分:8合目
10時30分:9合目
10時50分:山頂(3時間35分)

11時40分:下山開始
14時00分:下山

丸瀬布温泉「マウレ山荘」 600円 公共温泉ながら森林リゾートの
気品をにじませる落ち着いたホテル。肌がすべすべした。

北大雪  紅葉の武利岳に登る(1)

2009-09-30 21:23:37 | 北大雪
                   (写真: 舗装された林道から見た武利岳)

27日(日)は北大雪の山から表大雪を展望しよう考えた。

層雲峡から石北峠を越えて、丸瀬布町の武利(むりい)岳(1876.2m)に。自宅から4時間余りの長距離ドライブだ。

途中、林道から姿を現した武利岳の稜線はやせて鋭く、登る意欲を大いに刺激する。

登山口からは、しばらく林道を歩き、1合目から尾根上に出る。3合目から展望が開け、秋色に装いを整えた山の斜面が朝日に輝く。

振り向けばなんとオホーツク海まで見通せる。意外なことに、網走まで直線で80キロなのだ。

武利岳山頂は、その手前に抱えるいくつかピークに隠れて、なかなかその姿を見せない。

その代わりに、4合目、5合目と進むと、武利岳と稜線を連ねる武華岳が左手に見えてきて、次第に楽しくなってくる。



(写真: 山腹も秋装う)


(写真:5合目 左手に見える武華岳)


(写真: 7合目 右手に見える山々)

7合目を過ぎると、時折ひらひらと蝶が舞う。

コヒオドシだ。えっ、こんな時期に何故?と思うが、たしかこの種類は成虫で越冬するはずと思いだす。

冬まじかに蝶がいる、不思議な気分。

武華岳と武利岳を結ぶ恐竜の骨のような尾根の向こうに、トムラウシ山が見えてくると、胸がいっそう高鳴る。




(写真: 7合目 岩の上にコヒオドシ)


(写真: コヒオドシにズームイン)


(写真: 武華と武利をつなぐ尾根の向こうにトムラウシ山)

紅葉の東大雪 十石峠から音更山へ(3)

2009-09-22 09:48:07 | 東大雪
                   (写真: 最終アプローチは250mの急登)

ブヨ沼のコルから、小高いピークを登り返す。残念ながら、目前の音更山は流れる雲に覆われてきた。

いったん緩やかに下った後、高度差250mの斜面を一気に登る。ハイマツやミヤマハンノキが濃くて、少々難儀だ。

登り切ったら、稜線は礫の多い台地になっていて、幾筋かの踏み跡が続いている。

降りてきた若い女性にこのコースで良いのかと尋ねると、「あと少しです。行ってらしゃい」と励まされる。「行ってらっしゃい」という響きが新鮮だった。



(写真: 山頂まで続く緩やかな台地)


雲の中なので、慎重に目印を確認しながら登ると、10分ほどで山頂に。先行者2人が休んでいた。登山口から3時間40分。

残念ながら眺望はまったく得られず。目の前に大きく構えているであろう石狩岳や表大雪の大展望を想像する。07年9月24日 石狩岳

「またおいで」ということなのだろう。山は逃げない。

こういう時は山頂で出会った人たちの談義に花が咲く。小樽から来た男性は3年前に定年退職。若いころに登った山々を40年ぶりに再訪しているという。

帯広から来た男性は、きのうはウペペサンケ山。帰宅して、きょうは音更山と二日連続の東大雪歩き。帯広から2時間という距離がうらやましい。08年9月15日のウペペサンケ山① ②

小樽の男性によると、先ほどの若い女性は十石峠からの尾根歩きではなく、近道となる涸れ沢を登ってきたという。なかなか先鋭的だなと感心する。

日差しは戻らず、体も冷えてきた。30分ほど、歓談して下山することに。次は季節を変えて来ようと思う。




(写真: 山頂は雲の中)

帰路、雲の下に出ると、相変わらず黄葉の素晴らしいこと。下りながら俯瞰すると、その大きさをいっそう実感する。

自分がこの中を歩いてきたのだ。

涸れ沢を登ってきたという例の女性が立ったまま微動だもせずに、遠くを見つめていた。

広大な空間で、人は点となり、時も止まるかのよう。

心が鎮まり、己が無になる。彼女が見つめていたのは自分自身なのか。



(写真: 遠くを見つめる女性。 中央と右のピークの中間がブヨ沼) 

■登山記録
06時40分: ユニ石狩岳の由仁石狩川コースから入山  06年9月23日 ユニ石狩岳
07時20分: 岩石が崩落した「大崩」
08時10分: 十石峠
09時00分: ブヨ沼
10時20分: 音更山 山頂(登山口から3時間40分)

10時55分: 下山開始
14時15分: 登山口に戻る(3時間20分) 右膝が少々痛み、ペースを落とす

 層雲峡のコンビニにあった割引券を持って大型ホテルへ。しかし、この日は日帰り入浴をしていないという。連休で宿泊客が多いからだろう。
気を鎮めて、いつもの日帰り温泉「黒岳の湯」に。こちらも連休の行楽客と登山者で、芋の子を洗うような大盛況だった。

紅葉の東大雪 十石峠から音更山へ(2)

2009-09-21 20:38:58 | 東大雪
                    (写真: 尾根歩きはニペソツ山と共に)

十国峠から尾根伝いに音更山を目指す。道中、常に東大雪の鋭峰・ニペソツ山がその威容を見せてくれて、飽きることがない。

見下ろす広大な森も秋の装いを整えていて、その黄葉は見事としか言いようがない。


(写真: 尾根の眼下に黄葉の森が拡がる)

尾根歩きは、いくつかのピークを登ったり降りたり。アップダウンを繰り返すごとに、正面左に石狩岳、その右に音更山が迫ってくる。

筋骨隆々。たくましい男性的な面構えだ。

次第に雲が流れてきて、その厚さが増してきたのが気がかり。雲の勢いに勝てるはずもないのに、頂上を目指す歩みが速くなる。


(写真: 石狩岳)



(写真: 音更山)

尾根歩きの楽しみは山々の威容ばかりではない。足元の小さな草紅葉(くさもみじ)も疲れを癒してくれる。

コケモモ、クロマメノキ、ウラシマツツジ。

くさもみじ。なんとも素敵な響きだ。


(写真: コケモモ)



(写真: クロマメノキ)



(写真: ウラシマツツジ)

石狩岳と音更山を望む見晴らしの良いピークから下ったコルがブヨ沼。十石峠から50分ほど。

踏み跡をまっすぐ進むと、笹が濃くなり崖に。落ちるかと思ったので引き返す。ブヨ沼を右に曲がるのが正しいルートなので気をつけたい。


(写真: ブヨ沼)

紅葉の東大雪 十石峠から音更山へ(1)

2009-09-20 23:03:40 | 東大雪
                    (写真: 国道から見た赤岳、緑岳の連なり)

きょうも、未明の札幌を出て、北へ。高速道路のパーキングエリアで見上げた夜空にはくっきりと冬の星座オリオンが浮かぶ。

今回はユニ石狩岳の登山口から十石峠を経て石狩連峰の音更山(1932m)を目指す。

東大雪エリアは先週に初冠雪した旭岳周辺より標高が低く、紅葉も見ごろだろうと。

層雲峡を抜けて登山口へ向かう途中、赤岳から緑岳の連なりが朝日を浴び、山肌が赤く燃えていた。

午前6時半過ぎ、ユニ石狩岳の登山口には車がすでに十台ほど。

苔むした針葉樹の森を抜けると渓流沿いにガレ場が続く。高度を上げるにつれて、谷の斜面のダケカンバの黄葉が面積を増していく。

時折、ナキウサギの「ピィー」という金属質のシャープな鳴き声が響く。

「きれいですねえ」と、僕に追いついた男性が話しかけてきた。

本当に美しく。これが落葉広葉樹に恵まれた北国の魅力なのだと思う。



(写真: 沢に沿って黄葉が広がっていく)



(写真: 高度を増すと、黄葉の全容が見えてくる)

登山口から1時間半ほどで、標高1576mの十石峠に。名前の由来は旧十勝と旧石狩の国境に位置することから。

素晴らしい秋晴れで気持ちが弾む。

行く手を向かって左に進めばユニ石狩岳(1756m)、尾根を右に進めば石狩連峰の音更山、そして石狩岳へと進む。

ユニ石狩岳には10人ほどが登っていく。遠路の音更山方向の先行者は、ふたり。


(写真: ユニ石狩岳)


(写真: 十石峠 右奥が音更山 左奥が石狩岳)


大雪山を行く 紅葉と初冠雪 旭岳~間宮岳~裾合平(3)

2009-09-14 21:14:31 | 表大雪
                 (写真: 中岳分岐から間宮岳を振り返る)

お鉢平を囲む外輪山の中岳分岐。振り向くと、緩やかな間宮岳のピークが青空に浮かぶ。

ここから裾合平にくだり、旭岳ロープウェイ・姿見駅を目指すことにする。

下山路の右手には冠雪した安足間岳。裾野の紅葉も映えて、コントラストが美しい。

眼下の裾合平は秋色に染まり始めている。ここは、冬から秋に時間が戻る下山ルート。


(写真: 冠雪したこ安足間岳)




(写真: 中央奥が裾合平)


天然の足湯、中岳温泉を過ぎると広大な裾合平に。おそらく大雪山で一番広大なチングルマのお花畑。抜けるのに30~40分もかかる。

裾合平から見る旭岳は座りの良い台形だ。見る位置で大きく変化する表情も面白い。

雲が厚くなって、光に元気が無くなったのが残念だ。

行き交う大勢の登山者が光りを待っていた。次の機会は斜光の早朝に歩いてみたいと思う。




(写真: 紅葉のチングルマと旭岳)




(写真: 紅葉が招く)



(写真: しっとりとした錦秋の衣)

裾合平を抜けると、姿見駅までは3キロほど。人の往来も多い。

しかし、その道はウラジロナナカマドのトンネルもあり、いかにもクマと出会いそうな感じ。

と思ったら、数日前のクマの糞を発見。大勢の人に踏まれて泥との区別は難しい。意外と近くに彼らは潜んでいる。

姿見駅周辺は、大勢の観光客でにぎわっていた。いつのまにか雲も散り、爆裂火口を抱える旭岳が青空に映えていた。


(写真: ロープウェイ駅近くから望む旭岳)


■登山記録
06時30分: 姿見駅から入山
08時05分: 山頂
09時05分: 間宮岳分岐
09時40分: 中岳分岐
10時20分: 中岳温泉(足湯につかる)
11時15分: 裾合平を抜ける
12時40分: 姿見駅に戻る


湧駒荘・日帰り温泉「神々の湯」 600円
老舗温泉宿の日帰り部門。疲れが癒される熱い源泉が良い。

※旭岳の登山歴
03年09月07日 姿見駅~旭岳山頂~間宮岳~中岳分岐~裾合平~姿見駅
04年08月28日 姿見駅~旭岳山頂~姿見駅
04年09月04日 姿見駅~旭岳山頂~北海岳~黒岳~黒岳ロープウェイ駅
04年09月12日 姿見駅~旭岳山頂~間宮岳~中岳分岐~裾合平~姿見駅
05年08月06日 姿見駅~旭岳山頂~北海岳~北鎮岳~中岳分岐~裾合平~姿見駅
08年10月05日 姿見駅~旭岳六合目から引き返す
09年09月12日 姿見駅~旭岳山頂~間宮岳~中岳分岐~裾合平~姿見駅


大雪山を行く 紅葉と初冠雪 旭岳~間宮岳~裾合平(2)

2009-09-13 10:39:48 | 表大雪
(写真: 旭岳山頂)

八合目、九合目と進むにつれて風が強くなり、防寒のためにフリースと雨具を着込む。

ごつごつとした岩肌にも着雪があり、滑らないようにと気を引き締める。

斜面をひと登りして頂上に出た瞬間、一気に視界が開けた。白く染まった山々の連なりが大雪山の大きさを物語る。ロープウェイ姿見の駅から1時間半ほど。

ここは標高2290.3m。大雪山、そして北海道の最高峰。

北海道上空3000メートルには10月初旬並みの寒気が入っていて、この雪は昨夜までに降り積もったのだろう。


(写真: 比布岳~北鎮岳の連なり。右手前は熊ケ岳)



山頂には一等三角点が埋設されていて、その由来が記されていた。

明治33年(1900年)9月10日に選定とあるので、109年前の仕事ということになる。

映画「剱岳 点の記」を彷彿させる、明治の男たちの偉業。迫る冬を前に時間とも闘いながら、大きな仕事を成し遂げた証だ。



(写真: 山頂標識と1900年選定の一等三角点)



旭岳山頂からは、急斜面を下って間宮岳との間のコルに降りることにする。

夏は歩きにくい砂礫地で、この斜面は難所だと思う。今回は新雪で、むしろ夏より歩きやすかった。

先行者一人の真新しい踏み跡も、ありがたく利用させていただいた。

足跡は、もうひとつ古いものがあった。晴れた今朝ではなく、前日に歩いた人がいると知る。

おそらく吹雪のなか、驚きだ。


(写真: 画面中央付近の底部に降りて、左手を再び登る)


(写真: 最近、右膝が痛むのでサポーターを装着)



旭岳山頂から降りたコルは、裏旭と呼ばれている。振り返ると裏から見た旭岳。登山者だけが見ることができる、もうひとつの表情だ。

「表」は山体が崩壊し、爆裂火口の荒々しさが印象的。一方、「裏」は丸みを帯びた優しい表情を見せてくれる。

新雪の白と、真紅に染まったチングルマの葉。秋と冬の季節のコントラストが鮮やかだ。

初冠雪を気象台が発表したのだろう。テレビ局のヘリコプターも飛来する。


(写真:「裏」から見た旭岳)



コルからは再び登り返して、やがて「お鉢平」という大きなクレーターを囲む外輪山に至る。ここが間宮岳分岐。旭岳山頂から1時間ほど。

お鉢はぐるりと一周できるが、右に進めば北海岳。左に進めば間宮岳、中岳、北鎮岳、凌雲岳と連なる。ここは左廻りを選ぶ。

秋の装いを淡く整え始めたお鉢を白雪が包み込む。

間宮岳分岐から中岳分岐までは、30分ほど。ここで北海岳を望みながら一息つく。

この時間、次々とテレビ局のヘリコプターが来る。新聞社の小型ジェット機もあわただしく旋回する。夕方のニュースが楽しみだ。


(写真: お鉢を囲む外輪山。高い山が北鎮岳、その右が凌雲岳)


(写真: 中岳分岐から見たお鉢と北海岳)

大雪山を行く 紅葉と初冠雪 旭岳~間宮岳~裾合平(1)

2009-09-12 22:59:09 | 表大雪
(写真:ロープウェイ駅から望む初冠雪の旭岳)

未明の札幌、空に散る星の数々がきれいだった。きょうは、紅葉を求めて大雪山・最高峰の旭岳(2290.3m)へ。

午前6時ごろ、ロープウェイ駅に着くと山頂が白く輝いていた。やった!初冠雪!

日本一早い冬。始まったばかりの秋から一足飛びに季節の装いを変える、その名も大雪山。


(写真: 紅葉狩りの登山者が列をなす)

火山岩の山腹を黙々と登る。十勝連峰の山並が朝日に耀く。先週から色づき始めたという紅葉も目に優しい。

先行の登山グループから「わっー」という歓声が何度も響く。頬と頬がゆるみ、輝く目と目が山々に一斉にそそがれる。


(写真: 十勝連峰)

歩を進め、高度を得る度に神々しい光景が広がり、心身が日常の鎧から解き放たれる。

旭岳と十勝連峰の中間に位置するトムラウシ山の頂もうっすらと冠雪していた。


(写真:トムラウシ山にズームイン)

秋の入口 藻岩山

2009-09-06 16:25:43 | 藻岩山

一週間前、まだ青々としていた藻岩の森が、きょうはうっすらと黄色を装う。

色づくというより、緑が静かに抜けていくような。

夏から秋への衣替え。

トンボが増えた。日差しものどかで、どこか気だるい。9月には入って季節は確かに進んだ。

大雪山は紅葉が始まったと聞く。が、きょうの天気予報はかんばしくなく、遠出をあきらめた。

100人を軽く超える登山者が列をなす。皆同じような動機なのかしら。きょうの藻岩山は、とてもにぎやかだった。


(写真: 黄葉が始まった森)

登山路には、わずかだが落ち葉も散っていた。

葉を散らす風がさわさわと渡ると、汗が冷えて心地よい。視線を森の斜面に移すと、草木の実も赤や紺色に染まっていた。


(写真:オオカメノキの実が色づく)


(写真: オオアマドコロ)


標高531m、頂上は大勢の登山者で大盛況。携帯電話のカメラを柵の基石に向けている若者がふたり。

その視線を追うと、被写体はカナヘビだった。シャッターを押したら、チョロといなくなった。

カナヘビ、藻岩山で初めて見た。尻尾が実に長い。

何度登っても、新たな出会いがある。ここは、本当に素敵な山だ。



(写真: ヘビの名も実はトカゲのカナヘビ)